国際ロータリー(RI)のテーマとは
2009-10年度テーマは"The Future of Rotary is in Your Hands."「ロータリーの未来はあなたの手の中に」と決まり、その主旨はすでにジョン・ケニーRI会長エレクト、富田謙三ガバナーエレクトより活動方針等で紹介されております。
ここでは、RIテーマについてお話いたします。
1.RI会長から、毎年発表されるロータリー・メッセージのことです。このテーマは、ロータリー年度を通じて、奉仕の実践に最も重要なものです。
2.テーマは、会長の抱負を端的に物語るとともに、そのロータリー年度の進路を示すものでもあります。
RI会長は、在職年度中に国際ロータリーで順守する適切なテーマを選ぶことができますし、選ぶように奨励されています。
先輩会員の中には、RI会長のテーマとかターゲットといわれる方もいらっしゃると思います。以前、そのような呼び方をしていたころがあったからです。
RIテーマはいつ発表されるのでしょうか
国際ロータリーのテーマが発表されるのは、前年度中に開かれる、国際協議会(The International Assembly)に於いてです。国際協議会とは、一言でいえば、ガバナーエレクトの研修会です。全世界のガバナーエレクトが一堂に会して、国際ロータリーに関するいろいろなことを勉強したり、意見交換をしたりするのですが、この席上で、次期RI会長、すなわちRI会長エレクトによって、RIの新プログラムの説明とともに、次年度RIのテーマが、発表されます。国際協議会で一番関心が集まるのは、何といってもこのRIテーマの発表です。(国際協議会は、1998年の規定審議会により、1998-99年度から2月15日より前に開催されることになっています)。
かつて、ガバナーエレクトたちは、RIテーマの発表を受けて、地区内のクラブなどに宛てて、テーマとロゴの入った絵はがきを送りました。多くの会員がこのはがきを見て、新年度のテーマを知ったものです。
今でも、国際協議会の折にはガバナーエレクトにテーマとロゴの入ったはがきが配られますが、そのはがきを利用する人は少なくなりました。(2009-10年度2650地区富田謙三ガバナーからはクラブ会長宛てに送付された。)
テーマの発表からあまり時間を経ないで、RIのホームページにテーマが掲載されるからです。また、コンピューターを持参しているガバナーエレクトやその他の出席者によってEメールでガバナーエレクト事務所や知り合いのロータリアンに通知され、そのメールが転送されてあっという間に新しいテーマが会員の知るところとなります。
RIテーマが活用すべき唯一のテーマです。
「ガバナーがRI会長のプログラムもしくはテーマを採り上げ、あらゆる適切な方法によって強調することは、その役職と切り離すことのできない任務である」と、『手続要覧』に記載されています。
RIのテーマやプログラムを強調するやり方
地区大会やその他の地区の会合でのテーマに使用する、ガバナー月信、公式訪問、その他の地区内のクラブや、ロータリアンと接触する場で紹介する、そういった方法を挙げています。(手続要覧より)
テーマの誕生を探ると
1949−50年度のパーシー・ホジソン(Percy Hodgson)会長のとき、初めて「テーマ」として出されました。続いて50−51年度のアーサー・レグー(Arthur Lagueux)会長もテーマを示しましたが、続くその後の会長は、特にテーマとしては何も残していません。
そして、公には、1953−54年度のホアキン・セラトサ・シビルス(Joaquin Serratosa Cibils)会長が、1952年のパリ国際大会において、自身が会長エレクトのとき、一種のスローガンの形で、発表しました。
それは「The more clubs we have, the more friends we have; and the more friends, the greater opportunities for service.」――「クラブがふえれば友人が増す 友人がふえれば奉仕の機会が増す」というものです。
さて、1952年・パリ国際大会のシビルス会長エレクトのアドレスには、確かに「クラブがふえれば友人が…」の趣旨の英文がみられます。また、1952年11月に来日された時にも「More clubs, More friends」―「もっとクラブを、もっと友を」といったようです。
しかし、上記のような、テーマとして明文化された英文・邦訳は、RIの指定する公式書類の形では、残っていません。そして、のちに彼が会長になったときには「Rotary is Hope in Action」というものがテーマに採用されており、『The Rotarian』1953年7月号の会長メッセージのページには、「Rotary is Hope in Action」の方が記載されています。このテーマについては、公式な邦訳は存在しておりません。
この辺りに、やや記録的な混乱がみられますが、結果として、1953−54年度以降、恒常的にテーマは出され続けて、今に至っています。それに呼応し、翌1954−55年度からテーマに対して、日本語の「公式訳文」がつけられるようになりました。
参考文献『The Rotarian』1949年以降の各号、『ロータリーの友』1953年(創刊号)以降の各号、『Historical review of Rotary』1995年版、『ロータリー年表』1998年版、『Official Directory 2002-2003』、『Proceedings』(国際大会の議事録)1953年以降の各号、『ロータリーダイアリー』1981年版・1999年版、ロータリー日本50年史編集委員会『ロータリー日本50年史』、1971年、同委員会。
注:
国際協議会(The International Assembly)
毎年開催される国際会議です。1998―99年度からは、2月15日前に開催されることになりました。次年度7月からガバナーになるガバナーエレクトにとっては、必ずこの協議会の全期間出席しないと、その指名は承認されないほど重要なものです。協議会の目的は、まずはガバナーエレクトに対して、ロータリー教育を行い、管理運営上の任務に関する指導を行うことです。親睦行事もあり、協議会はここで世界中のガバナーエレクトが一堂に会する状況によって、彼らを励まし、意欲を喚起してもらうため開催される、といった意味合いも含んでいます。
テーマの邦訳
テーマの邦訳は、2001-02年度までは国際ロータリー(RI)文献邦訳諮問委員会などで行われていましたが、2003―04年度のマジィアベ会長の「手を貸そう」から、国際ロータリー世界本部日本語課で行われています。
邦訳に関するお問い合わせは、
国際ロータリー世界本部日本語課
e-mail :JASection@rotary.orgまでご連絡ください。
ロータリーの友』2003年6月号から

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