2013/2/21
くものちゅいえこ/森川成美・著 読書感想

季節風同人・森川成美(しげみ)さんの初の単著創作本である。
人に愛される猫でも犬でもなく、忌み嫌われる蜘蛛のちゅい
えこが主人公。
ちゅいえこは、そんな境遇に悲観することなく(あるいはこ
ういう視点は人間目線に過ぎず、ちゅいえこにとっては蜘蛛
としての自分に誇りとまでいわないまでも、平然と生きてい
るだけかもしれないが)、巣をかけるという仕事に没頭し、
懸命に生きる。
お話の後半、ちゅいえこは勇気を持って人(時計)助けを実行
する。しかし、それは知られることも、報われることもなく、
せっかくかけた巣も壊れてしまう。
大昔の西洋の童話ならば、死んでしまう〜天国へ行く。天使
になる。妖精になる。きれいな可愛いものに生まれ変わる。
といったオーバーなラストになるかもしれな
い。しかし、作者は、そうした作為は眼中に無く、明るく前
向きに終わらせている。
昔、三浦綾子だろうか。人が忌み嫌うものを愛し、善行を
見せつけないのが真のキリスト教の愛である。という話を聞
いたことがある。
さりげなさの中に、そういう精神性を感じた。

タグ: 季節風
2013/2/26 21:34
投稿者:yesnid
2013/2/26 19:42
投稿者:saffi
石井様
ご紹介いただいていたのに気が付かずに失礼いたしました。過分なお言葉、恐縮です。精神性、石井さんのお作品にこそ感じます。ご健筆をお祈りしております。合評会はおいでになれずに残念でした。みなさん残念がっておりました。
http://saffibarinkay.blogspot.com
ご紹介いただいていたのに気が付かずに失礼いたしました。過分なお言葉、恐縮です。精神性、石井さんのお作品にこそ感じます。ご健筆をお祈りしております。合評会はおいでになれずに残念でした。みなさん残念がっておりました。
http://saffibarinkay.blogspot.com
いえいえ「精神性」なんてとんでもありません。
合評会、いけなくては私も残念です。