ヤギのフーちゃん  童話

  ヤギのフーちゃん 
     
ヤギのフーちゃんはまだおっぱいを飲んでいる小さなころにこの家にひっこしさせられました。

最初のころはお母さんがどこにもいなくなって、自分の影にもおどろいて飛び上がりました。

でも二年たった今はもうなにもこわいものはありません。

広い草地のすみにおうちをもらい、天気のよい日は外に出て草を食べます。

おいしい草を、食べたい時に食べたいだけ食べて、眠くなったら草の上で眠ります。

暑い日はお家に入ってすずしい風にふかれます。

冬になって草がかれてしまうと、おうちの人がキャベツの葉をたくさん用意してくれます。

おうちのおじいさんは冬のあいだずーっと、お店に出すキャベツの外がわの葉を集めてきてくれます。

お友達もたくさんできました。

お家の人は知らないかもしれませんが、フーちゃんにはノウサギやタヌキや、スズメなどの小さな鳥たちや、カマキリ、バッタなどたくさんのお友達がいるのです。

フーちゃんは困るようなことはなにもありませんでした。

冬のある夜、タヌキのお友達があそびにきました。

フーちゃんに相談があったのです。

「そうだんってなに?」

フーちゃんがたずねました。

「ちょっといいにくいんだけど、こまったことがあって」

「こまったってどういうこと?」

こまったことがないフーちゃんが言いました。

「フーちゃんはいいなあ。こまったことがないんだね」

タヌキはおなかをグーグーならしながら言いました。

「ぼく、おなかがすいてもう死にそう。このキャベツを食べてもいいかい?」

「なあんだ、そんなことか。食べたいだけ食べていいよ。こんなにたくさんあるんだもの」

タヌキはえんりょなくキャベツをごちそうになりました。

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つぎの夜、タヌキは家族でキャベツのごちそうにあずかりました。

つぎのよるはイノシシの家族もやってきました。

フーちゃんはおうちの外に出て、楽しそうなタヌキとイノシシの家族をながめていました。

翌朝、おうちのおじいさんがやってきました。

「フーちゃん、おはよう。ゆうべはさむかったね」

おじいさんが声をかけると、フーちゃんは「メエエエー」とあいさつしました。

「おやまあ、ゆうべはずいぶんキャベツを食べたね」

おじいさんはびっくりしました。

「フーちゃん、今日もいい天気になりそうだよ。もうすぐお日さまがのぼってくるからね」

おじいさんは、今日はもっとたくさんキャベツを用意してあげなくてはと思いました。




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