ツルとカメ  童話

ツルとカメ 
                        
「すっかり遅れてしまいましたが、ただいまとうちゃくいたしました」

カメは息をはずませながら言いました。

「いやあ、それがね。干支はもうっすっかり決まってしまったのだ。なにしろ、もめてはいけないと思って、とうちゃくした順番ということにしたのだよ」

神さまは、いかにももうしわけなさそうに云いました。

「神さま。それはあまりに不公平というものです。海のなかならまだしも、陸のうえでは、ボクの足がおそいことはごぞんじではありませんか」

カメは首をおもいきりのばして、神さまをにらみながら言いました。

「いやあ、ほんとうにもうしわけない。じつは、みんながここをめざして、いちもくさんに、いっしょうけんめいかけてくるのを見たとたん、うれしくなって、ほかのことはっすっかり忘れてしまったのだ」

神さまはしかたなくほんとうのことをいいました。

「神さまが正直にいってくれても、ボクはおこっていますよ。すっかり忘れられているとも知らず、3日も歩き続けて、これでも急いでやってきたのですから」

「いやあ、ほんとうにスマン。ほんとうにゴメンゴメン」

神さまは、身をちじめて、ひたすらあやまりました。

「そうだ。おわびのしるしに、カメさんには、なにかプレゼントしよう」

こういういきさつがあって、カメは「長生き」をプレゼントされました。

カメにはないしょでしたが、神さまは遠くからはるばるかけつけたツルに、昨日もさんざんおこられたばかりです。

ツルがあまりにもおこるので、神さまはツルにも「長生き」をプレゼントして、ようやくゆるしてもらったのでした。


タグ: 童話



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ