白いハンカチ 童話
ちいさなハンカチ
クマさんはリスさんのともだちです。
リスさんはクマさんのともだちです。
ふたりはどこにいくのもいっしょです。
黒い毛におおわれたクマさんのかたやせなかには、いつもクリいろをした小さなリスさんがのっています。
夜になってねむるときだけはべつで、リスさんは大きなサワグルミの木のほらでねむりました。
クマさんは、リスさんがねむる大きなサグルミの木のしたの、ササをおふとんにしてねむりました。
リスさんははやおきです。朝になって、山があかるくなると、リスさんはもうサワグルミをかけおります。
クマさんは、おねぼうです。夜がおそいせいもありますが、山があたたかくなってからおきるのです。
「クマさん、おはようございます。」
リスさんは、サワグルミの木に、さかさまにしがみついたまま、クマさんにあいさつします。
「ム、ム、ム、ム.オハヨウ、リスさん」
クマさんは、かためをあけてあいさつします。
それから、またねむってしまいます。
リスさんは、クマさんのめがさめるまで、ちかくでクルミをほりおこしたり、サワガニをおいかけたりしてあそびます。
ある日のこと、リスさんはもっとはやおきでした。
「クマサン、クマさん。おはようございます」
「ム、ム、ム。おはようリスさん」
クマさんは、かためのはんぶんをあけていいました。
「クマさん、クマさん。きょうはぼく、まちまでおかいものにいってきます。クマさんにも、おみやげをかってきます」
「ム、ム、ム、ム.いっていらっしゃい。きをつけて。ム、ム、ム、ム」
クマさんは、めをつむったままいいました。
その日、クマさんはおひるごろにめがさめました。あたりをみまわしても、サワグルミの木をみあげても、リスさんはいません。
「リスさ〜ん」
クマさんはこえをあげてよんでみました。
でも、へんじはありません。
水の音と、風の音がきこえるばかりです。
クマさんは、きゅうにひとりぽっちになったようなきがして、かなしくなりました。
リスさんがいつもあっそんだり、ねむったりするサワグルミの木も、いつもとちがって、しらない木のようにみえます。
クマさんは、しかたなく、さわにおりて、水をごくごくのみました。
それから、水にはいって、あたまとかおを、ざぶざぶあらいました。
つめたい水でかおをあらうと、クマさんは、わすれていたことをおもいだしました。
「そうか。リスさんは、けさ、おかいものにでかけたんだっけ」
クマさんは、リスさんのいないわけをおもいだすと、きゅうにげんきになりました。
でも、リスさんがいないと、つまらないので、ちかくのブナの木のうえで、またねむることにしました。
「クマサン。クマさん。おきてください。もう日がしずみますよ」
クマさんが目をさますと、となりのブナのえだに、リスさんがはずかしそうにたっています。
「コレ、クマさんへの、おみやげです」
リスさんはクマさんに、小さなつつみをもたせました。
「ぼくと、おそろいにしました」
おみやげは、リスさんの小さな手によくにあいそうな、雪のようにまっしろな、ちいさな、ちいさなハンカチでした。
「どうもありがとう」
クマさんは、ちょっとこまったなとおもいましたが、大きなこえでいいました。
クマさんはリスさんのともだちです。
リスさんはクマさんのともだちです。
ふたりはどこにいくのもいっしょです。
黒い毛におおわれたクマさんのかたやせなかには、いつもクリいろをした小さなリスさんがのっています。
夜になってねむるときだけはべつで、リスさんは大きなサワグルミの木のほらでねむりました。
クマさんは、リスさんがねむる大きなサグルミの木のしたの、ササをおふとんにしてねむりました。
リスさんははやおきです。朝になって、山があかるくなると、リスさんはもうサワグルミをかけおります。
クマさんは、おねぼうです。夜がおそいせいもありますが、山があたたかくなってからおきるのです。
「クマさん、おはようございます。」
リスさんは、サワグルミの木に、さかさまにしがみついたまま、クマさんにあいさつします。
「ム、ム、ム、ム.オハヨウ、リスさん」
クマさんは、かためをあけてあいさつします。
それから、またねむってしまいます。
リスさんは、クマさんのめがさめるまで、ちかくでクルミをほりおこしたり、サワガニをおいかけたりしてあそびます。
ある日のこと、リスさんはもっとはやおきでした。
「クマサン、クマさん。おはようございます」
「ム、ム、ム。おはようリスさん」
クマさんは、かためのはんぶんをあけていいました。
「クマさん、クマさん。きょうはぼく、まちまでおかいものにいってきます。クマさんにも、おみやげをかってきます」
「ム、ム、ム、ム.いっていらっしゃい。きをつけて。ム、ム、ム、ム」
クマさんは、めをつむったままいいました。
その日、クマさんはおひるごろにめがさめました。あたりをみまわしても、サワグルミの木をみあげても、リスさんはいません。
「リスさ〜ん」
クマさんはこえをあげてよんでみました。
でも、へんじはありません。
水の音と、風の音がきこえるばかりです。
クマさんは、きゅうにひとりぽっちになったようなきがして、かなしくなりました。
リスさんがいつもあっそんだり、ねむったりするサワグルミの木も、いつもとちがって、しらない木のようにみえます。
クマさんは、しかたなく、さわにおりて、水をごくごくのみました。
それから、水にはいって、あたまとかおを、ざぶざぶあらいました。
つめたい水でかおをあらうと、クマさんは、わすれていたことをおもいだしました。
「そうか。リスさんは、けさ、おかいものにでかけたんだっけ」
クマさんは、リスさんのいないわけをおもいだすと、きゅうにげんきになりました。
でも、リスさんがいないと、つまらないので、ちかくのブナの木のうえで、またねむることにしました。
「クマサン。クマさん。おきてください。もう日がしずみますよ」
クマさんが目をさますと、となりのブナのえだに、リスさんがはずかしそうにたっています。
「コレ、クマさんへの、おみやげです」
リスさんはクマさんに、小さなつつみをもたせました。
「ぼくと、おそろいにしました」
おみやげは、リスさんの小さな手によくにあいそうな、雪のようにまっしろな、ちいさな、ちいさなハンカチでした。
「どうもありがとう」
クマさんは、ちょっとこまったなとおもいましたが、大きなこえでいいました。
タグ: 童話