アワコガネギク  エッセー

庭のアワコガネギクが、台風で倒れたけれども、ようやく咲きました。
先日のエッセーに写真をつけてみました。

海の菊 山の菊

菊の季節だ。車で走っていても、窓をあけていると菊の香りが入ってきて、瞬間、どこか近くで咲いている菊の花を想像することがある。

我が家の庭では、浜菊が今さかりである。ここに越してくるとき、友人の庭から一枝記念にもらってきたものが、十年の歳月をかけて今は大きな二株になり、白い花を咲かせている。改良の手の加えられていない植物は、ほとんど手入れらしい手入れなしに、毎年きれいな花を咲かせてくれるのがありがたい。

ハマギクは青森県から南に自生するが、福島県のいわき市から茨城県北部が南限である。

この時期、浜辺を歩くと、そこここにハマギクの群生が見られる。そろそろサケの遡上も始まっていて、勝手に採ってはいけないことになっているのに、監視のヘリコプターが遠ざかったのを見透かして、崖下で鮭釣りをしている人たちもいて、そんな人たちの背後で、ハマギクは風にゆれながら清純な香りを放っている。

ハマギクの茎は太く、木になっていて、上部で枝分かれし、その枝ごとに花をつける。

マーガレットの花を、そのまま大きくした形を想像してもらうとよい。

一枝を切り取ると、数輪の花がついていて、花瓶に移しても花持ちがよく、二週間くらいは平気で元気でいる。

庭にはほかにアワコガネギクという山のキクと、かなり古典的な日本の園芸種のコギクがある。

アワコガネギクは別名キクタニギクと言う。

花の色は黄色で、大きさは手の親指の爪くらい。

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しかし、このキクは枝分かれがさかんで、花が小さいとはいえ、枝分かれした全体をおおうほどにたくさんつくから、一見、金色の泡でおおわれているかのようなのだ。

名前の所以だろう。

アワコガネギクが咲くと、庭は突然にぎやかになる。香りが強いので、蜜をもとめてたくさんの小さなアブがやってくるのだ。

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花から花へ移動するアブたちは、金色にけむるキクの大地からちょっと空中に浮かんでは降り、浮かんでは降り、そのたびに秋の陽射しにきらきら輝く。

その光景は平和で美しく、この星の理想の形をかいま見せてくれる。

アワコガネギクはまた、花が小さいので、秋の夜の歯にしみとおる白玉に浮かべるにはもってこいのキクである。

キクの花びらを酒にひたして香りをつけたものもいいが、花を一輪まるごと浮かべるのも楽しいものだ。

まるで、盃の中に小さな太陽がいるかのようである。

こうして遊んでいるうちに秋は深まり、霜が降りるころに咲くのがもう一種の古い日本菊である。

このキクは寒さにあたらないと咲かないようだ。
そうして霜枯れて殺風景になった庭で、一人、暮れのころまで咲きつづけている。

毎年、花の色が変わるのもおもしろい。今年はどんな色で咲くのやら。





2019/11/4  22:12

投稿者:カエデ

雀さん

カラさ〜ん、お元気にお過ごしなのですね。
今日は晴れていても風が冷たく、とても寒かったですね。
冬に向かう時期ですから、どうぞお気をつけて、お手間も省かないで、体温調節なさってくださいね。
子どもの頃はキクはあまり好きではありませんでした。
酢ものにするキクだけは好きでした。
大人になったら、キクはやはり香りも上品ですし、食べ物としても美しい食べ物ですね。
庭の古めかしいキクでさえ美しいなあと思って眺めるようになったなんて、やはり長生きはするものです。
人って自分が思っているよりずっと不思議なものらしい。

2019/11/4  8:56

投稿者:雀

キク科の植物は、概して優れものですよね🙋
食しても重宝しますし、菊酒ですか✨風流で
すね😉タンポポ酒を作った時に、お日様を閉
じ込めたような風味と色合いに感激したもの
でした😆

2019/11/3  19:07

投稿者:カエデ

あねさま

コハマギクという海の崖地に咲くキクもあり、現在見頃です。

2019/11/3  19:01

投稿者:へこきあねさ

野菊の中でも、ちゃんと名前があるのに知らぬことばかり。
コギク、アワゴガネキク、ハマギク、
覚えておきたい名前です。

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