公明党市議団が、議員報酬についてリコール署名の民意を受入れ、条件付で半減の800万円を受け入れるとの方針をまとめたとのこと。条件付とのことだが、政策スタッフや区役所内に議員個人の執務室を公費で賄うものとしている。
これまで報酬については、議会改革推進協議会において各会派で報酬の2割削減を9月定例会で決めた。現下の経済状況を踏まえ、市民や有識者の意見も組み入れて結論を得た。必ずしも十分とはいえないが、一定の結論を議会として出したにも関わらず、違和感を覚える。報酬については、議員としての活動や調査・研究など職務を遂行する上で、最低限の費用を補償するものであるべき。バナナの叩き売りのような迎合議論は、すべきではない。議員の職責や評価のシステムを明確に位置づけ、第三者機関(報酬審議会など)によって決定すべきである。議会のあり方として、通年制の導入や立法機能の強化などの議論を行なうことこそが本来あるべき改革の議論ではないか。数字の受け売りではなく、政治活動に一体どれくらいお金がかかるのか、徹底的に情報公開をし、どこまで公費で賄うべきなのか議論することが必要であろう。
公明党がいう「条件」については、河村市長もよく海外の事例で上げるが、現実的に現行法の下で名古屋市だけやれるのか?自治法では、政治活動の公費負担については、政務調査費で賄うものとし、額についてはそれぞれの自治体で条例で定めるとなっている。名古屋市だけが、報酬が他都市と比較して著しく低く抑えられ、政務調査費が高いというのもいかがだろうか?政調費は、非課税ですから、税の均衡の観点からも、名古屋市だけ特例的に扱うのは疑問が残る。政策スタッフの待遇面や身分はどのように担保されるのか?事務的補佐などアルバイト程度のものなのか、専門職として国会議員の公設秘書のようなものなのか不明。区役所内に議員の執務室を置くといってもかなりの費用がかかり、現実的には課題も多い。ロサンゼルスでは、1議員に対し政策スタッフの人件費、執務室、公用車、活動費など1億2500万円の公費が負担されている。
11月定例会においても、再度、報酬半減が提案されるが、総務環境委員会でそうした問題点についても議論を行なっていきたい。
