2006/2/3

うー、秋元先生ともあろう方が  カルト・宗教・犯罪

>精神科医の秋元波留夫・金沢大名誉教授(100)
>1日、東京拘置所で面会
>面会後、「拘禁による精神障害の特徴をはっきりと
>示しており、訴訟能力を完全に喪失している」と
> 面会時間は約30分。事件や経歴について
>約30の質問をしたが、松本被告は無反応だったと

>弁護団の依頼を受け、松本被告に面会した精神科医は
>秋元名誉教授で5人目。
>いずれも松本被告の訴訟能力に疑問を示し
             (読売新聞の抄本)

うー、秋元先生ともあろう人が、と気になる。
この方、日本における精神鑑定の権威の一人。

 率直言って、ああ(訴訟能力ではなく犯行時の責任能力のほうの)精神鑑定をしたいのだろうなぁと、とつくづく感じる。

年はとられているが、大変元気で精力的な方です。
 オウム問題にも大変な関心をもっておられ、直接これに関する著作も、確か2つある。

1996年1月21日、創造出版「空想的嘘言者に蹂躙された日本」
2002年3月20日、創造出版「AUM科学的記録」
です。

 特に、この後者の本などは、麻原説法や実態をよく観察しておられ、さらに「被害者救済はオウムの後継ぎであるアレフのやるべきことではなく、国のやるべきこと、国の責任である。」

と明確に、国の責任を指摘するまでしておられ、オウム事件をめぐる本質をよく理解いただいていると感じる先生です。

 そして、これまでの諸々の精神鑑定の経験を踏まえた本を、2004年7月1日に発行されている。

「刑事精神鑑定講義」創造出版、12000円
 この最後の本は、その前の本についてどこが感想を書いたからかもしれない、資料を送ったような記憶もあり、贈呈していただいてもいた。
(お礼状を送っていなかった、失礼しました)。

 この大部な本は、宮崎事件など著名な事件の鑑定5件についての考察、自らした鑑定10件を紹介している。誠意をもった姿勢が、大変に好感の持てるものです。

 だがなぁ、やはり所詮30分、30の質問をまあ1分1つずつ聞いたことになるが、そんなことではいうまでもなく何ら答えるものでもなく、精神鑑定の方法としては信じがたいものなはず、あまりに形式的。

 で、まえがきの最後は、こんな記述になっている。

「2004年2月27日、死刑の判決が下ったが、「教祖」の心の闇は閉ざされたままである。その謎を解くために必要な精神鑑定は、ついに行われることがなかった。---しかし、弁護団の控訴により、審理は東京高等裁判所で行われることになった。おそらく精神鑑定が必須になるであろう。
 精神鑑定は裁判に奉仕する単なる技術ではない。それは何故人間は罪を犯すのかの、人間存在にかかわる普遍的命題への一つの科学的回答であることを、この本から読み取っていただければ有難い。」

 松本被告の、「責任能力」の鑑定をしたいのは、多くの鑑定する精神科医の願望だろう、と思う。
 秋元先生も、面会の30分間、まあ、先生自身として聞きたいことをぶつけて見られたんだろうなぁ、と思う。
 どんな質問だったか、知りたいなぁ。

 それでも、30分の面会で、冒頭のように言うのはやはり軽率でしょう。

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で、今の権威と言えば、一人は西山詮先生だろうか。

 まあ、医学系出版社から下記の本を出版してもいることからすると、玄人筋での評価は、秋元先生よりより高いのだろうか。
 「刑事精神鑑定の実際」2004.2.10
  新興医学出版社9450円、626ページ

 この本は、まさに鑑定人が刑事鑑定をする時のための基本書になっていくのだろうなぁ、と思う。裁判官、検察官、弁護士らも読むべきだろうと。

 13件の事例について、鑑定書のみならず、判決書の当該部分、犯罪事実の関係が書かれているだけでなく、もちろんその考察、そして法律制度、法制度の変遷、精神鑑定の歴史、判定基準についてなどまで書いてある。
 ああ、日本の精神鑑定はここまで来たか、という想いです。

 この先生ならば、松本被告にあると弁護人依頼で面会した医師らの言ういう「拘禁反応」の虚偽性いかんの判断、それと訴訟能力の関係をどう捉えるだろうか。

注意1−上記の、2先生の大部の本でも、「訴訟能力」については、ほとんど触れられていない。

 うーん、有田さんの日記で触れられている、うーん吉村昭の小説にもあったと思う詐病のことなど、医師らはどの程度知っておられるのだろうか。
 それは、1951年の巣鴨プリズンでのことだが、調べれば当時は秋元医師は松沢病院から離れた金沢医科大学教授の時だったみたい、ご存じないのかなぁ。
 (これ有田さんの紹介を末尾に転載させていただきました。すいません)

注意2−それにしても、まあ鑑定についてそれなりに信頼ある先生らは、誰も「拘禁反応」以外は認めなかったのですね、これは重要なこと。

 つまり、事件の折の責任能力については、十分認められるのが共通認識なんだろうなぁと思う。

注意3−訴訟能力を阻害する「拘禁反応」の状態を示していると私は思えない。まして高裁段階であって本人の出廷は不要だから尚更訴訟を止める合理的理由はないと思う

 けれど、「治療」ということで医療刑務所での拘置扱いとなっても、松本被告たる地位は変わらないのだが。要するに高裁判決をある程度、延ばすだけのこと。
 (それともいつか死ぬまで狂った振りをしますか。−笑−と書いてしまう)。

 そして、直ったとされたのは、すでに書いたように、控訴趣意書を提出していないのだから、直ちに控訴棄却とできるもの。

 うーん、カルト団体の教祖って、不思議に楽観的な考えも持っているから、何とかなると思っているんだろうなぁ、そこにこそ興味がある。

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http://www.web-arita.com/index.html
有田芳生さんの2005.11.27日記より

−以下引用−
 ところが最近その認識を改めることにした。BC級「戦犯」を取材していて、「あっ」とびっくりするケースに出会ったからだ。

時代は1951年。場所は巣鴨プリズン。当時、死刑判決が下され、刑が執行されていなかった「戦犯」は2人だけ。そのひとりである元軍医大尉は、判決が下されてから精神的な「異常」をきたした。

会話はいっさいなし。排泄物は垂れ流し、眼はうつろでよだれを流している。担当者が床にうつぶせになった彼の排泄物を拭き、起こしあげて椅子に座らせても、足は伸ばしたままで、まるで関節が外れているようだった。

米軍の精神科専門医や松沢病院で何度も鑑定を行うのだが、いずれも「精神異常」との結論が出される。

ところが元軍医大尉の姉は「詐病」ではなく「正気」だと思っていた。やがて姉が金網越しに接見。口を開くことはなかったが、姉の眼には「装っている」としか思えなかった。

死刑から無期懲役へと減刑が伝えられたあとのことだ。姉は2度目の接見を行う。こんども涙を流すだけで、まったく口を開かなかった。

ところがである。翌日になり元軍医大尉は刑務官に丁寧に頭を下げ、「書籍をお貸しください」と小声で語った。まったく「詐病」だったのである。

精神科医が何度も鑑定を行い「異常」と判断していた人物が、じつは正常だった。その理由は「正常」だと判断されれば、ただちに刑の執行が行われるという恐怖心からであった。

人間はここまでのことができるのだ。ましてや、と言ってもいいだろう。カルト教祖の麻原彰晃=松本智津夫被告なら、「異常」を演じることが可能ではないのか。そんな趣旨の話をした。
---以上引用-------
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2006/5/30  18:22

投稿者:takitaro

そうですね、
直接資料に当たったり、固有名詞などもなんとか把握することが情報の信頼性をより増しますから。
私も分ったら出してみます。

うーん、まあ前過ぎて、かつBC級審判だからどの程度正しい内容の判決かわからず、この場合、不名誉に過ぎるから、分っても出していいかどうか、さらに検討したいですけれど。


2006/5/29  17:59

投稿者:mint

その軍医が誰なのか調べようとしましたが、BC級戦犯は1000人いるらしくて諦めました。

2006/2/15  19:49

投稿者:takitaro

そうなんです。

璽光尊の鑑定は若い頃だったんですが、それと同じに考えられては困るなぁと。

あの教祖は、むしろ千乃正法の彼女の近く、誇大妄想の比率が高く、反社会性人格障害の比率は少なった。

少なくとも、訴訟能力の鑑定については、自らも素人のようなものだという自覚が、精神科医には必要だと思います。

刑務官のほうがよほど知っているものだ、と。

ああ、23年間で2度ばかりだけれど、
「狂った振りでなんとかなりませんかね」と、逮捕後の20日間の間に言われたことがあったなあ。

殺人事件と詐欺事件だったか。

草々

http://sky.ap.teacup.com/takitaro/

2006/2/15  17:59

投稿者:山本英司

週刊朝日2006年2月24日号
「100歳の精神科医、秋元波留夫金沢大名誉教授がズバリ鑑定/麻原彰晃オウム元代表は生ける屍になっていた」
によると、詐病ではないと断言しちゃってますね。

あと、私も初めて知ったのですが、璽光尊の鑑定をして釈放に至らしめたのが秋元さんとのこと。さすが100歳の精神科医。さらにオウムに関する本を準備中とのこと。



http://opendoors.asahi.com/data/detail/7221.shtml

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