2005/3/24

増田先生ありがとうございました−高金利の件  憲法・社会・官僚・人権

 3月22日の日記に書いた、犯罪にさえなっている高金利業者のことですが、増田尚先生からコメントを頂きました。
 なるほど、高裁レベルでも出ていますね、しかも凄い。新聞に出ていた記憶もあるが、不明確だった。

 増田先生、ありがとうございました。

 つまり、
第1は、かかる高利のはそれ自体で無効、返済する義務はない
第2は、返済したものも全額返済を要求できる、貸すほうが悪い
ですね。
第2の事例は、他の借りた人も証人に出した。
最高裁には行ったかなぁ。

 そう、まさにそんな高利で貸すほうが悪い、借りた人はなんら返済を必要とせず、返したものを返せといえて何が悪い、と思う。
 
 実態として困るのは、貸主である相手方の住所・本名その他がわからない、と言うことです。時には携帯電話番号だけだったり、と。

−−−−−−−−
事例1−福岡高裁の本年1月27日は、
−利息年133.3パーセントを超える消費貸借契約
−貸付けの態様等を考慮し、利息の合意のみならず消費貸借契約自体も公序良俗に違反するとして無効と判断
(地裁では負けていた)

登録を受けないで貸金業を営んでいる者
借主は,難聴を患う,各契約当時68歳
多くの債務を負っていた
利息の利率欄は白地のまま、月1割の利息が要求されたので,その旨合意
所有土地を担保として提供、
不履行なら譲渡する旨を記載した覚書、登記済証,実印が押印された白紙委任状、印鑑登録証明書を交付
控訴人の夫が所有する不動産の登記済証,印鑑登録証明書,委任状等を交付

被控訴人は,貸金業を営むにおいて帳簿を作成しておらず
弁済金についても,受領書を一切交付しなかった

いわゆる「闇金融」を巡っては、「システム金融」「090金融」の問題−多重債務者の自殺,あるいは多重債務者による返済目的の財産犯罪の多発など大きな社会問題となったことは,当裁判所に顕著

刑罰などを強化 −もはやそのこと自体でもって,既に公序良俗に反する行為といっても過言ではない

これに加えて,上記認定のとおり

以上のとおり,被控訴人の本件各契約に基づく本訴請求は,本件各契約が無効である以上,その余の点を判断するまでもなく,いずれも理由がないことに帰するので,これらを棄却するのが相当

−−−−−−−−−
事例2
2005年2月23日 札幌高裁判決
1 原判決を次のとおり変更する。
 (1) 被控訴人(貸主)は,控訴人(借主)に対し,108万9000円−−を支払え。
(地裁では貸主の請求も、借主の返還請求も両方とも認めなかった)

被控訴人から多数回にわたり金員を借り入れ,その返済をしてきた控訴人
貸金業者として登録
契約書面や領収証等の交付をしなかった
年利1200パーセントにも及ぶ著しく高率の利息

控訴人が被控訴人に支払った金員の総額108万9000円全額−の支払を求め
他方,被控訴人が,控訴人に対し,4回分の貸金合計28万1000円の返済を求め

電信柱の広告で被控訴人を知り,
ほとんどが控訴人の記憶に基づくもので,控訴人の記憶を客観的に裏付ける契約書,領収証等の証拠資料を欠く
被控訴人は,貸金業者として,貸金業法所定の手続を遵守していたとか法外の金利を約定・徴求したことはない旨主張するにもかかわらず−−当審における証人Aの証言
証人Bの証言
控訴人本人尋問の結果及びその他前記別事件におけるCの本人尋問での供述等から認められる平穏さを欠いた取立行為
借主に対する制裁金を伴った事前連絡要請及び借主からの預金通帳等の徴求・管理等に照らすと,被控訴人の取立ては熾烈

大半を記憶に依拠した控訴人の本件請求については,他の例における被控訴人の貸付状況に照らし,本件における貸付の大要に関し十分に信用することができ
貸金業法や出資法を全く無視する態様の行為であり,まさに無法な貸付と回収であって,貸金業者として到底許されない違法行為であるというべきである。
法は,ある程度の高利による消費者金融を許容してはいるが,本件のように出資法の罰則に明らかに該当する行為については,もはや,金銭消費貸借契約という法律構成をすること自体が相当ではなく,被控訴人が支出した貸金についても,それは貸金に名を借りた違法行為の手段にすぎず,民法上の保護に値する財産的価値の移転があったと評価することは相当ではない。

控訴人が被控訴人に支払った108万9000円はその全額が被控訴人の不法行為に基づく損害
被控訴人から控訴人に交付された金員については,実体法上保護に値しない
訴訟法上の観点から見ても,被控訴人に利益になるように評価することが許されない

このことは,たとえば,通常の取引における債権者の不注意に基づく過失相殺の主張が許されても,当該取引が債務者の詐欺や強迫による場合には,当の欺罔行為者又は強迫行為者である債務者からの過失相殺の主張を許さないものとすることと同様
法の実現の場面における各行為や主張の評価として民法及び民事訴訟法の前提となっているものと解することができる(民法1条,91条,民事訴訟法2条)。
0



2005/4/2  1:27

投稿者:山本英司

数式が間違ってました。
正しくは(100/1000)*(365/3)*100ですね。謹んで訂正いたします。

あと、損害賠償額が「不法原因給付」の元本の範囲内に抑えられてしまうのも問題かなと。場合によっては損害賠償が元本(及び利息制限法の範囲内の利息)を上回ってもよい事例もあろうかと思うのですが。

2005/4/1  2:23

投稿者:takitaro

どもっ、レス遅くてすいません。

新しいコメントだけを見る方法があるのではないか、とも思うのですが、見つからなくて。

 まあ、そのような考えもありましょうが、不法原因給付の場合に、払わないで良いというのと同じで、明確な犯罪行為のために貸し渡された金銭は、返さないでいい、と言うのも一貫していようと。

 それによつて、そんな暴利を抑止する。と言う効果があるから、と思います。

 まあそこに到達したのが、ようやく今年、ということになります。

http://www.cnet-sc.ne.jp/canarium/

2005/3/28  23:12

投稿者:山本英司

例えば金曜日に知人に千円借りて、月曜日に利息として百円付けて返す約束をした場合、年利換算で1200%近くになりますが((100/1000)*(3/365)*100)、公序良俗に反するので返さなくてもいいのでしょうか。

利息制限法の範囲内の利息あるいは最低でも元本だけは返す義務はあると思うのですがねえ。生活の安全を脅かすような取立て行為があれば、当該不法行為についての損害賠償と相殺させる、という論理構成が分かりやすいと思うのですが。

ではっ。

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