2014/1/28

取消処分−重きに過ぎる  カルト・宗教・犯罪

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患者のカード不正使用などで看護師3人取消- 計20人を行政処分
厚生労働省は27日、3人の免許取り消しを含む看護師20人の行政処分を発表
3人のうち2人は、患者のクレジットカードを使用した詐欺などで有罪が確定、もう1人は、逮捕監禁致死事件などで指名手配されていたオウム真理教元幹部をかくまった罪で処分。来月10日に発効
 取消処分を受けた1人は、救急搬送された患者のクレジットカードを使い、自転車やタブレット型端末、酒などを購入。1人は入院患者のクレジットカードで衣類やポーチ、ハードディスクオーディオを購入、患者の鍵を病室から盗んで患者宅に上がり込み、指輪を盗むなど。
 業務停止3年の処分2人は窃盗の罪を犯していた。1人は患者から現金を盗む行為を繰り返し、もう1人は患者や同僚から現金や財布を窃取
 そのほか▽業務停止2年が2人(どちらも自動車運転過失致死と道路交通法違反)▽業務停止1年6か月が1人(覚せい剤取締法違反)▽業務停止1年が1人(自動車運転過失傷害と道路交通法違反)▽業務停止8か月が1人(窃盗)▽業務停止6か月が2人(窃盗と自動車運転過失傷害など)▽業務停止3か月が3人(自動車運転過失致死と迷惑防止条例違反、ストーカー規制法違反)▽業務停止1か月が4人(いずれも道路交通法違反)▽戒告が1人(器物損壊)
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  平田信被告を匿っていた女性の看護師資格について取消し処分だとのこと。他事例と比較しても重き処分に過ぎる。また、平成11年12月17日オウム真理教対策関係省庁連絡会議の内容に示されるように、オウム真理教を脱会している場合、社会復帰を容易にする対策をとることとしているのにこれにも反しており、こんな国の姿勢は、オウム真理教(アレフ、ひかりの輪など)をつぶす観点からはマイナスです。

 下記は、処分手続きに先立ち出した上申書です。名前などを抜きました。
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      上  申  書
平成25年11月22日
-----住所 A代理人   弁護士 滝本太郎
厚 生 労 働 省        御中
***保健医療部医療整備課医務担当  御中

A氏(昭和***生)氏に対する、御庁医発***号「行政処分対象事案の調査」に関して、代理人弁護士として、次の通り上申致します。

    上 申 の 趣 旨
 A氏に対する行政処分の検討にあたり、また厚生労働省にその情報提供するにあたっては、A氏の善良なる性格、破壊的カルト団体たるオウム真理教(アレフ、ひかりの輪)から完全に離れている状況、深い反省、再犯の恐れなどないことが十分に裁判所にも認定されていることなどから、寛大な処分とされるべくご配慮願いたい。

    上 申 の 理 由
1 当職はオウム真理教被害対策弁護団所属の弁護士の一人で、友人の坂本弁護士一家殺人事件発生以来、今日に至るまでオウム真理教と相対してきているものです。平成6年5月9日、甲府地方裁判所駐車場にて自動車にサリンをまかれ、殺人未遂被害者の一人でもあります。
  当職は、平成5年夏以来、信者の脱会のためにカウンセリング活動も重ねてきていたものであり、信者や脱会信者の心理状態を相応にしり、その判断に自信を持っている者です。当職あては、その延長上で、平田信被告が当職のブログを見ていたことから、平成24年1月末に同人が警視庁に出頭した後に、当職の面会を求めた状況でありました。そして、平田被告からA氏の連絡先を聞き、直ちにその自首の決意を聞いて、A氏の自首につき添い、そのまま東京地方裁判所、東京高等裁判所において弁護人となったものです。
 当職は、その後もA氏と時に面談し、A氏が*****もとより協力し、精神的にも安定していて、オウム真理教とは実態としても精神的にも全く離れていること、真面目に仕事をしていることを観察しております。

2 A氏が実刑となったのは、判決文から明らかな通り、一重に平成7年に開始された捜査の後の、14年7か月もの長期間の逃亡であったこと、社会的な大きな事件であったことによります。決して、A氏の反社会的人格態度があるとか、善良でない性格であったからとかいうものではありません。
  地裁判決では、量刑理由の中でこう述べています。「もっとも、男性信者が自ら警察に出頭したことに引き続き、被告人も警察に出頭して自首するとともに、捜査公判を通じて、率直な事実を認めている。真摯な反省の態度が認められる。既に教団との関わりや精神的帰依は無くなっている。さらに、所持していた800万円のうち、男性信者が指名手配されていた事件の遺族に400万円を、オウム真理教犯罪被害者支援機構に400万円をそれぞれ男性信者と共同で支払っている。再犯のおそれはうかがえず、更生が期待される。」というのです。

  すなわち、A氏自身の問題は、既に裁判時点で何らのなかったものであるが、事案と社会的関心の強さから、やむなく実刑にする外ないとして実刑になったものだったという外ないものでした。
  一方行政処分は、その資格への信頼性自体を問うのです。業務外のことも処分対象となりえますが、社会的関心の強さいかんそれ自体が影響して良いものとは到底、思えません。まして既にA氏に対する社会的関心は、大いに薄れているものでもあり、現在の顔貌が報道されずに済んだこともあり、判決確定後は名前も出なくなっています。
  したがって、A氏に対する刑罰が「実刑」であったことをもって、行政処分においても重く捉えるのは間違っている確信する次第です。

3 A氏の事件は、平成7年5月に平田と共に出奔した後に、平田が一部事件で指名手配されて、A氏はそれら事件を知り、以後「蔵匿行為」として罪になったものであり、その他のオウム真理教事件と異なって、むしろ情誼をもととした事件でありました。逃亡している間、2人してオウム真理教事件の全体像を知って驚愕し、麻原の教えからもしっかりと離れていたものです。そして厳しかった刑事処分を既に十分受けてきたものでもあります。
  その平田被告の事件も、假谷さん逮捕監禁事件を初め、どの事件も平田が直接手を出したものは無く、平田が近くにいたとか連れて行かれたとかいう形での事件でした。そのことから、平田被告は平成26年1月から予定される裁判において、共謀の点のみを争う模様だと報道されている次第です。
 これらからすれば、今更にA氏に重い行政処分を課することは適当ではなく、まさに寛大な処分こそが適切であると確信します。

4 A氏の事件は、平田被告を匿っていたという罪であり、なんら医療に関するものではありません。逃亡中も、なんら看護師資格を悪用したことはありません。関連することとして、健康保険制度において、法人化する前に勤務を開始していたところその偽名のままに保険証が交付されて、それを使っていたと言う問題がありましたけれども、それは制度運用の問題であってA氏が積極的に利用したものでないことは勿論、A氏として偽名ではあっても正しく保険料を支払ってきたのですから重きを置くべきではないと確信します。
  平田被告を匿ってきた行為は、他の生命・身体・財産などを侵害する罪でもありません。かくまうことにより、平田の逮捕・裁判の進行を遅らせたという社会的法益を侵害した事件です。
  さすれば、今、A氏に行政処分を課することは、医療行為の適正化をはかることにもならず、被害者の対する慰謝にもならないこと明白です。言い換えれば、A氏に行政処分を課することは、看護師の業務についての信頼性を維持するための効果はなく、被害者に対する贖罪につき行政処分をもって対処するという意味合いも持ちません。あるのは「社会に対する見せしめ」という意味合いだけだろうと思われます。

5 では、「社会に対する見せしめ」として、A氏に対する処分をなすこと、それも重い処分をなすことが適正でしょうか。あるいは、どんな事情があっても大事件であり社会を騒がせたのだから重く処分するという見解もありえましょう。
  しかし、社会においては、オウム真理教とその事件の特質が、決してそのような単純な受け取り方ではなかった、実際、単純な暴力団がしたような事件ではなかったということに注目する必要があります。
  すなわち、オウム真理教事件は破壊的カルト特有の事件であり、絶対者である教祖麻原の指示のもとで多くの事件が起きたものです。たまたま麻原から指示されたかどうか、それだけの違いで事件の被告人になったかどうかが区別されました。そのことが社会的に広く知られてきたからこそ、あれほどの事件を起こしながら、社会においてオウム真理教信者に対する暴力行為はさほどなく、排除行為も予想ほどにはなかったものです。
  そして「脱会した者」と認定される場合には、日本国も地方自治体もあげてその社会復帰を図るべく施策を進めてきたのであり、国民もそれを是とし、多くの方々が社会復帰に協力してくれてきたのです。

6 すなわち、下記のとおりの省庁連絡会議がもたれました。
  その趣旨は、オウム真理教については、その速やかな信者の脱会と社会復帰を図ることによって、「オウム真理教を崩壊させつつ、信者を脱会に導き日本社会で飲み込んでしまう」という方策というべきでしょう。それは、後に団体規制法などによる「オウム真理教を力と監視で潰す」という方策とともに、不可欠かつ有効な方策であり、たとえば脱会した後の住まいや仕事の確保、生活の糧などの配慮が一定程度されることから、今日でもオウム真理教をつぶすために役立ってきているのです。
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オウム真理教信者等に対する社会復帰対策の推進について
−平成11年12月17日オウム真理教対策関係省庁連絡会議

(1) オウム真理教信者等からの相談受理体制
ア 警察庁
  全国の警察において、信者等(元信者、信者の家族等)からの各種相談を受理し、脱会についての相談には、誠実に対応する。また、信者の家族等からの捜索願には、迅速・適切に対応するとともに、脱会者が保護を求めてきた場合には、関係機関を通じて福祉施設や医療施設等に引継を行うなど適切な保護活動に努める。
  教団施設周辺の臨時交番においては、警戒警備活動を行うとともに、信者等からの各種相談を受理し、また、地域住民からの苦情・不安に関する相談等各種相談を受け付ける。
イ 法務省
  人権擁護委員や人権擁護担当部局を活用した人権相談所(各法務局及び地方法務局におけるオウム真理教関係常設人権相談所における人権相談、人権擁護委員の自宅相談、デパート等の会場における特設相談)において相談を受け付けるとともに、その利用を呼びかけるPRに努める。
  法務局・地方法務局の全本局に、オウム真理教関係常設人権相談所を開設するなど、専門の人権相談窓口を設置し、様々な広報媒体を通じて、その周知に努める。
ウ 文部省
  市町村教育委員会における就学事務が適切に行われるよう、都道府県教育委員会を通じて情報収集に努めるとともに、関係省庁と連携しながら対応する。
エ 自治省
  信者等の社会復帰対策を総合的かつ円滑に遂行するため、相談窓口の体制整備を図る等適切に対処するよう地方公共団体に対して通知する。
(2) オウム真理教信者等に対する精神的ケア
ア 法務省
  服役中の受刑者については、職員や篤志面接委員による面接指導及び本人の希望を前提とした仏教、キリスト教等の宗教関係者による教誨を行うとともに、刑務作業の実施と生活指導により社会生活習慣の付与と労働意欲のかん養等を図る。
オウム真理教関係者に対する保護観察においても、生活歴、性格、犯罪行為の内容等から把握される問題点を配慮して行う。
イ 厚生省
  オウム真理教の信者や元信者に精神疾患や心の健康の問題が生じた場合には、各都道府県、政令市等の保健所や、精神保健福祉センターといった精神保健の各機関において、相談等に応じる。
(3) オウム真理教信者等に対する生活支援
ア 厚生省
  出家して全財産を失った者に対しては、福祉事務所等において施設入所を含めた各種相談を受け付けるとともに、生活保護制度の適用も含めて適切に対応する。
児童の保護が必要な場合には、関係省庁と連携しても児童相談所において個々の状況に応じて、親族による引取り、児童相談所への入所等の適切な対応を行う。
イ 労働省
  公共職業安定所において、オウム真理教信者等であって就職を望む者に対して、綿密な職業相談及び職業紹介を実施し、就職の促進を図る。
上記の者に対し、必要な場合には、公共職業訓練を行い、就職に必要な職業能力の向上を図る。    以 上
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7 「社会に対する見せしめ」として、A氏に対して、いわゆるオウム真理教事件であるからといって、そして実刑だからと言って、ともかくも重い処分をなすということは、正しいことでしょうか。
  それは、明らかに、上記の厚生労働省(当時は厚生省)の方針に反しています。厚生省の「適切な対応」とは、脱会者に対する生活保護制度の活用、児童相談所の活用などが掲げられていることからして、本人を温かく迎え入れること、まして社会資源たるものが本人に備えられているならばそれを奪うことなく、活用して社会復帰を果たさせることを要請していると言うほかありません。
  したがって、A氏に対しても、その他の脱会者同様に、その精神的のみならず生活の上でもよすがであった筈の「看護師資格」につき重い処分をなすことなく、その社会復帰の障害とならないようにしてあげることこそが、上記の通達、連絡会議の内容に一致するものと確信します。
  A氏本人は現在、看護師資格がどうなるか不安で、これを就職において伝えることなく低賃金の仕事に甘んじています。A氏本人は、地元*****での看護師資格を有効に生かした仕事をしたいと望んできましたが、現在のところ、この処分が不安でしないで来ています。A氏本人の願いをなんとかかなえてあげてほしいと念願するものです。
  事件内容や、裁判の様子などは判決文からも判明するものであり、受刑中の更なる反省及び本人の現今の状況は本人から十分に聞いて下されれば、と存じます。

 以上のことから、上申の趣旨記載の通り、A氏に対しては今回、なにとぞ寛大な処分とされたく、ここに上申します。    以 上

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