2005/3/21

3.19集会のアピール  カルト・宗教・犯罪

3.19集会  ア ピ ー ル 

      趣     旨
 国は、地下鉄サリン事件などオウム真理教による一連の犯罪被害について、オウム真理教に代わって損害補償の責任を果たし、オウム集団がなくなるまで破産債権(求償債権)を回収することを骨子とする「オウム真理教の犯罪による被害補償等に関する特別措置法(仮称)」を制定することを求める。

      理     由
1 あれから10年
 明3月20日、オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こしてから満10年となる。死亡者は12名、受傷者は5500人以上、今も重い症状と苦悩の日々を送る被害者、家族そして遺族も多い。

2 事件は日本国に対するテロであった
 地下鉄サリン事件は、化学兵器サリンまで使った無差別大量殺人事件であり、明確に日本国に対するテロであった。

 このことは、昨年2月27日、事件の首謀者である麻原彰晃こと松本智津夫被告に下された一審判決によりさらに明白になった。同判決は、厳正な審理の上で、一連のオウム事件が日本国の支配を目指していた事件であったこと、とりわけ地下鉄サリン事件が、警察権力を初めとする日本国に向けて強制捜査を見越して起こされた事件であると認定している。

 この10年の間、オウム真理教の信者189人が起訴され、刑事裁判が行われた。その刑事裁判は、無期懲役判決を受けた5人のうちの2人、死刑判決を受けた13人を除いては確定している。これら判決のうち、地下鉄サリン事件に言及する部分においては、ことごとく日本国に向けて起こされて事件である旨を認定している。

3 オウム集団の現況
 この間、オウム真理教は「アーレフ」と名を変え、規模は小さくなった。しかし、オウム集団は、相変わらず松本被告を霊的指導者とし、その教えに基づく活動を続けている。現在でも真摯な反省を行わないまま、集団活動を続けている。上記の有罪判決を受けた被告の中には、すでに刑の執行を終わりオウムに舞い戻った者すらいる。

 さらに、オウム内部では新たに死亡事件が発生し、一般市民へ内容を偽った薬剤を販売する詐欺事件などの違法行為も止まらない。被害者らは事件発生当時のオウム真理教を想起し懸念を抱いている。

4 国の被害者放置と矛盾
 一方で、国は被害者を放置している。そもそも宗教法人オウム真理教の破産も、地下鉄サリン事件の被害者らが恐怖の中で自らの名前と住所を示し、多額の予納金まで用意して申し立てたものであった。

 その配当は、破産管財人団の比類なき努力によるも約3割にとどまり26億4000万円ほどの配当が滞ったままである。いわゆる労災支給金や犯罪被害給付金は一部の被害者に支給されているだけで、本来の被害救済策ではなく、被害回復の公平性を欠いている。また、被害者の健康被害対策もほとんど講じられておらず、ただ民間の努力に負っているに過ぎない。

 この間、被害者らの長期にわたる地道な要請活動に突き動かされたかたちで、国は、被害者救済のために「オウム真理教に係る破産手続における国の債権に関する特例に関する法律」(平成十年四月二十四日法律第四十五号)「特定破産法人の破産財団に属すべき財産の回復に関する特別措置法」(平成十一年十二月七日法律第百四十八号)を作った。

 しかし、この程度の対応で事足りるものではなく、前者は、地下鉄サリン事件を未然に防ぐことが出来なかった国の責任として当然であり、後者は、損害金を破産管財人に支払っていくことが、オウム集団に存続を図るための弁明を与えているという矛盾を、被害者らは更なる苦痛に感じている。

5 国が、国としての信頼性を維持するために
 本日の集まりには、アメリカ合衆国から9.11テロ事件のご遺族にも出席していただけた。そこで明らかになったことは、日本国の対応は、経済的支援の点においても、健康被害対策の点においても極めて不十分だということである。被害者の涙を見て喜んでいるのは、テロリストだけである。将来起こりえるテロを抑止するためにも、国のテロ被害者に対する支援は不可欠である。

 オウム事件の被害については、時として「国からすでに十分な補償がされている」との誤解を受けることがある。そのような誤解が生まれるのは、テロ事件の被害者に対し、当然国が支援するはずであると多くの国民が思っているからである。
 そんな国民の良識が、日本国において実現されていない。

 また、平成元年11月に起こされた坂本堤弁護士一家殺人事件の捜査が適正に行われていれば、平成6年6月松本サリン事件(死者7名、受傷者数百名)も、同7年3月の地下鉄サリン事件も、オウム真理教に対する強制捜査のきっかけとなった假谷さん殺害事件も起こるはずはなかった。

 一連のオウム事件の捜査における諸問題は、誰も否定できず、決して忘れることはできない。その意味からも国は本件被害者を支援する責任がある。

6 犯罪被害者等基本法の成立を受けて
 昨年12月、犯罪被害者等基本法が成立した。我が国においてはじめて犯罪被害者の権利が認められた。無論、被害者に対し、いかなる補償、いかなる支援が実施されても、奪われた命は戻らず、失われた健康は容易に回復しない。国は、犯罪被害者の権利を擁護するため、一刻も早く犯罪被害者等基本法を具体化させ、実効性のある施策をとり、支援を充実させるための特別の制度を制定するべきである。

 オウム事件の被害者に対する実効性ある対策とは、国が損害補償の責任を取り、オウム集団に対する破産債権(求償債権)を取得し、その債権を行使し続けることと考える。
 
 よって、本日、本集会に参加した一同は、アッピールの趣旨記載のとおり求める。
 平成17年3月19日
    「地下鉄サリン事件から10年の集い」参加者一同
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