2012/2/13

週刊日経ビジネス−2012.1.30号−より  カルト・宗教・犯罪

以下、発売日から2週間を過ぎたので、転載しても良いかと思いまして。記者様、同社様ご容赦を。

殆ど初めて読んだ雑誌ですが、電気自動車や核廃棄物のことも出ていて、読みやすく、「色」メガネ越しにみられる雑誌でもないから、広くいろいろな課題につき、説得力があってよいかと。

週刊日経ビジネス−2012.1.30号−より

滝本 太郎(たきもと・たろう)氏
1957年、神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、83年に弁護士登録。89年に起きた坂本堤弁護士一家失踪事件(後に殺害が発覚)を機にオウム真理教被害対策弁護団入り。94年、サリンを使った殺人未遂事件に巻き込まれるが、一命を取り留める。長年、信者の脱会を促し、社会復帰に導くカウンセリングを行い95年から「カナリヤの会」を主宰、日本脱カルト協会の事務局長・理事。


 まず、平田容疑者の出頭とS容疑者を自首させたことなど私の行動については、唐突感があった人が多かったかもしれません。しかし、私とオウム信者との関わりは1989年11月、つまり盟友であった坂本堤弁護士が失踪した直後から今まで、ずっと続いています。特に、地下鉄サリン事件が起きる前の93年から、私はオウム信者の脱会カウンセリング活動を始め、30人ぐらいが脱会しました。95年6月からは、脱会者の同窓会とも言える「カナリヤの会」を主宰しています。オウム教団のメンバーをゼロにするという目標を立てて、ブログでも発信してきました。

 私が出会った元信者はこの20年間で約200人。すでに「カナリヤの会」を卒業して、まったく普通に生活している人も少なくありません。
 平田容疑者と同居のS容疑者は、そうした私の活動を報道やブログで見ていたようです。私は現役や逃亡犯には何度もブログ上で呼びかけ、平田には親御さんが危篤であることを知らせてきました。そして徐々に私を信頼するようになったようです。

 「脱会カウンセリング」は、魂と魂のぶつかり合い、とも言えます。脱会した後にも困難が待ち受けています。神以上の存在だった「麻原彰晃」が失われ、アイデンティティクライシスとなるのですから。そして「あんな人物を信じてしまった私は、生きる価値がない愚かな人間だ。いっそ、死んでしまいたい」という自己嫌悪が襲ってくるのです。

 その後、激しい怒りと憎しみが沸きあがる。「自分をだました麻原が許せない」と。そうした苦しみを乗り越えて、やっと「麻原は哀れな人物だ」と気付いていく。こうしたプロセスを経て真実の自立・社会復帰となります。早い人でも数カ月、通例は数年がかかります。この回復過程を本人と周囲が心しないと、いつまで経っても「憎しみ」の段階から抜け出せなかったり、絶対者を求めてカルトめぐりをすることになってしまいます。

 ちなみに、カルト教団からの脱会カウンセリング数は、日本が世界一だと思います。「説得」という言葉がある文化だからでしょう、40年前の統一教会の信者対応から始まり4000人ぐらいに上ると思います。

 オウムでは麻原死刑囚だけが「絶対者」でした。女性信者との関係も自由にコントロールしていた。そんな絶対者の指示の下で「ポア(殺人の正当化)」が行われた。彼以外は、手先、あるいはロボットだった。 ロボットにも個別的な能力がありますが、やはり思考はしていないものです。さらにオウム真理教では合成麻薬LSDと覚せい剤が製造され、使われました。薬物まで使った神秘体験が、「真理」「絶対者」だと思わせたのです。

 ですから、信者の一人ひとりが「被害者」なのです。そもそもは坂本堤(弁護士)も私も、信者と家族を救うことを目的としたのですから。麻原死刑囚から信者を1人でも多く救いたい、という思いで活動を始めました。メンバーやその家族は「被害者」でもあると考えています。
 13人の死刑囚のうち死刑を執行されるのは、麻原だけで必要かつ十分です。「けじめ」をつけるべき人物は麻原一人のみです。

 現在、平田容疑者とS容疑者の取り調べが行われており、今後、刑事事件として裁判が始まります。昨今、「取り調べの可視化」が議論されていますが、私は警察庁に対して、この案件をぜひ可視化するように要望しています。警察からメディアに流されている情報は時に正確さに欠き、被疑者にとって不利に働くことがあるからです。
 事実、平田容疑者が出頭した後、取材が過熱して、誤報と言える内容が散見されました。私は、逐次記者の取材に応え、ブログで主要な所を公表しています。「事件の主戦場は法廷だから、報道の間違いは放っておいていい」という声も聞かれますが、そんなわけはありません。報道で人物のイメージが形成され、法廷に影響を与えて、無理に起訴されてしまったケースが少なからずありました。だから、平田容疑者の取り調べはぜひ可視化してほしい。

 サリン事件が起きた当時のオウム信者は約2万人。今でも約1500人が、「アレフ」と「ひかりの輪」の2グループに分かれて活動しています。北海道では年間に何十人単位で増加している。初期のメンバーは40代になって、新たに入った若者たちと、2世代が混在する構成になってきました。
 社会の変化とともにオウムの勧誘方法も変わってきました。80〜90年代から実施していた大学のダミーサークルも相変わらず存在していますが、最近増えているのは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使った勧誘です。キーワードに「占い」などと入力すると、いつの間にかオウムのネットワークに入ってしまうケースがよく見られます。

 「世間智がない」というべきなのでしょう。孤独感を紛らわせるため、ネット上で見ず知らずの相手に住所や電話番号を教えてしまう。信頼関係を作った後に、真実が分かり少
し怪しいと思ってもズルズルと集団に入っていってしまう。

 オウムは以前よりも信者数を減らしましたが、カルト教団の数は依然として増え続けているのが実情です。最近の特徴は、「ミニカルト」が増えています。既成宗教の1つのお寺や教会が異常な状態になっていくこともある。狭く宗教に限らず、占い師とか、劇団、ボランティア団体、家庭教師、学習塾などでカルト化している所もあります。素敵な指導者が、人を動かし支配する喜びに溺れて金銭を収奪し、家庭を壊していく。
 ビジネスシーンにおいてもカルトに流れてゆく局面があります。最初は取引先の会長さんがカルトにはまってしまって、渋々付き合いで始めたものの、そのうちに自分がのめりこんでいたという事例が案外多いのです。

 たとえば、多くの企業家を信者に持つある団体は、「絶対に秘密の事」と称して、漆黒の暗闇を歩かせています。教義を設定した上での暗闇の体験は、変性意識状態をまねき教義を受け入れやすくさせます。
企業トップは孤独な仕事でもあります、そうした人々を当初賞賛し、後に罵倒し続けることで、弱さに付け込む教団もあります。

 「お前は何のために生きているんだ。そんな事業自体に何の意味があるのか。それはお前のカネじゃない。神様のおカネだ。死んだら六文銭しか持っていけないんだ」「そもそも神様のご加護でここまでになったのが分からないのか!」などなど。
 経営者は普段、怒鳴られることはない。ところが、頭ごなしに罵倒され、プライドを踏みつけられる。経験したことがないから、すっかり取り込まれてしまう。そして、カルト教団に多額のカネを吸い取られる。

 不況が長く深刻で、企業にとって解決策が見えずらい社会になってきました。しかも世界の経済構造は複雑になっているので、答えが見えない。そんな時に、カルト教団は即効薬に見えるんです。「この人に従えば、企業も社会も変えることができる」と。冷静に考えれば、それが最も危ないのに。

 問題は、カルト教団では、勧誘する人には「悪いことをしている」という意識がまったくないことです。それどころか「良いこと」として勧誘しています。だから限度がない。ですが、「人の為」と書いて「偽り」です。「信者」と書いて「儲け」です。忘れてはいけない。
「悪意の殺人は限度があるが、善意の殺人は限度がない」のです。オウムは、教祖が求めた目的に従い、文字通りそこまでの状態に達し、あのままだったら95年11月にはサリン70トンを散布して「衆生を済度」していたのです。

 残念ながら、カルト教団を根絶することは不可能だと思います。しかし、減らしていく努力は続けなければなりません。
 カルト教団に騙されないための教育も重要です。日本脱カルト協会では、大学などの教育機関に足を運び、オリエンテーションに参加し、カルトの魅力と対応策を伝えています。DVD「幻想のかなたに」やチラシも用意しています。の実態と対策を話しています。カルト教団は、どう人々に近づいてくるのか。その見分け方と、断り方など。もし狙われたら、いかにして対処すべきか。例えば、デパートに行ってワイシャツを何度も試着して、最後に購入せずに戻ってくる、本屋さんで文庫本一冊をずうずうしく立ち読みしてくる。そんな実践教育もして欲しいと思います。

 オウム事件の悲劇を繰り返さない――。そのためにも、彼らの行動を追いかけ、危険な手法が通じなくなるように社会に警告を鳴らし続けていきます。
−鵜飼秀徳(うかい・ひでのり)−
30



2012/2/14  3:33

投稿者:みつ

新興宗教 カルト集団は 警察官 裁判官だけじゃないよ。国会議員や大臣などや 高額納税企業や 高額脱税企業などが 高額脱税カルト集団に 入ってるって。いったい 騙されて寄付してる人達のお金は どうなってるか

2012/2/14  3:15

投稿者:ぶくぶく

ある新興宗教カルト団は 自分たちの正しい(?)方の為 新興宗教トップ指導者の為と 裁判官や警察官の職業に たくさん着かせ 同信者の刑を 軽くしたり もみ消したり、マスコミにも 信者企業が お金で 圧力を かけてる と 巷では 日本の危機が 騒がれてます。でも 信者の方たちは 純真で 周りの批判も 「正しい宗教に 難は つきもの」と 暴走してます。
一日も早く その宗教資金のほんの行方など 明かにして カルト宗教 カルト集団から 覚醒して貰いたいです。

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