2009/6/28

映画「剣岳・点の記」  短歌

今日は久々に家内と映画館に行き、「剣岳・点の記」という映画を観た。

ご存じの方も多いだろうが、これは新田次郎の同名の小説を映画化したものである。

内容は、地図作成のために陸軍測量部が明治20年から開始した三角点設置の物語である。明治40年、最後まで残された剣岳への初登頂を、数年前に設立され欧州の最新の登山技術と最新の道具を用いる日本山岳会のメンバーに先んじて果たすことを、陸軍の名誉にかけて命じられて、それを見事に果たした測量技師達の苦闘の記録でもあった。

この作品は、カメラマンの木村大作氏が初めて監督を務めた作品ということでも話題になっているそうだ。なるほど、ヘリコプターやCGを一切使わず、スタッフやキャストまで全員、自分の足で山に登らせて二年がかりで撮影しただけあって、その迫力はなかなかのものであった。

山岳会との登頂競争を強いられ、新聞や社会からも注目され煽られる中で、測量技師の柴崎は苦悶した上で、「何をやったのか」よりも「何のためにやったのか」が重要だと悟るのである。そして、自分のために登る山岳会よりも人々のために初登頂を果たしたのである。

しかし死との闘いを越えてやっとのことで初登頂に成功してみたら、そこには行者の使う錫杖が残されていた。既に1000年前に登頂された形跡が見つかったのである。だが、だからこそ「何をやったのか」より「何のためにやったのか」と考えた柴崎たちの行動は錆びつくどころか大きな意義があったのである。

測量技師達の苦闘の物語のテーマは、「孤高の人」や「聖職の碑」にも通じており、「さすが新田次郎の作品だ」と、原作の素晴らしさを改めて感じさせられた。

我々登山愛好家達は、全国各地に10万以上設置された三角点のお世話になっている。その点からも、記憶に残る映画ではあった。

「本物の山に登りて撮らばこそ自然の迫力目にせまりくる」

「懐かしき剣を映す大型のスクリーン観て手に汗にじむ」

「漫然と登るも高き目的を持ちて登るも同じ山なり」
8



2009/6/29  6:31

投稿者:マイク岩崎

シュッシュさん、「何のためにやったのか」、目的的行為論を信奉してきた者として、同感です。新田次郎さんの作品はいいですね。先日も大学院生から「孤高の人」の読後感想が届きました。
返歌
「思い出す剣を間近に見上げし日 我が小ささにただ立ち尽くす」
マイク岩崎

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