2010/4/4

時ならぬ雪のお迎え  短歌

昨日は、登山同好会の例会で5名で京都北山の「廃村八丁」というところまで出かけた。廃村八丁というのは八丁という地域にあり、豊富な木材の利権をめぐり二つの村が600年間に及ぶ境界抗争のあと明治に入って決着はついたが、昭和9年の豪雪が契機となり村民が村を捨てたため廃村となったものである。それくらいの逸話の残る地域なので、桜はまだ無理だと覚悟はしていたが、やはり桜のつぼみすら見かけなかった。

出町柳駅から昔スキー場のあった花背峠を越え北へバスで2時間近く乗る標高600mくらいの田舎であるとはいえ、そこは京都市左京区の一部であった。そこで歩き始めて少し経ったころ、桜どころか時ならぬ雪に見舞われたのである。初めは雨かと思っていたのだが、各自がさした傘に白いものが積もるのを見てそれはまぎれもなく雪であることを知った。あまりの寒さと悪天候のため、これ以上進んでも楽しくないし危険もあると判断して目的の廃村八丁の1時間くらい手前で断念し、引き返すことにした。

行程を切り上げたため少々歩き足りないのと、1日に4本しかないバスの時刻まで2時間あまりあるため、メンバーの一人の提案を受け入れてバス道を京都方面に向かって歩くことにした。バス道まで戻ると雪は消えたが、その後も雨が降ったり、かと思うと太陽が射してきたりの繰り返しという妙な天候が続いた。道沿いの家々にも廃屋が目立ち、食堂やコンビニすら見当たらない。1時間半くらい歩いたところにやっと茶店を見つけたのでそこでバスまでの時間調整をすることにした。熱燗と岩魚の塩焼きで身体を温めた後、バスで出町柳駅まで戻ってきたら、鴨川沿いの街中は雨の降った形跡は全くなく穏やかな春そのものの光景であった。

行政区としては京都市であっても気象上は若狭や福井県に属しているのだなあと改めて感じた。栃木県の那須にある保養所に行った時、そこの支配人から「ここは栃木県ですがひと山越えると福島県なので、気象情報は関東地区ではなくむしろ東北地方の情報を参考にしています」と聞いたことがあるのを思い出した寒い一日であった。

「行政区としては京都の一部でも気象は若狭か山陰地方」

「時ならぬ四月の雪に指先も縮みあがりて道引き返す」
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