高校の必修科目の履修漏れ問題が話題になっている。学習指導要領に基づき、各高校は教育課程を編成するわけであるが、それをないがしろにし、受験に有利になるための教育課程を編成していたというのは、もはや高校ではなく、予備校に成り下がってしまったとしかいいようがない。地方は予備校が少ないからとか進学実績を上げなければならないからとか、いろいろ理由があるだろうが、ある一線を越えて、犯してはならないことを犯してしまった感がする。マスコミでは、生徒に責任はないからとか生徒がかわいそうだからという論調で救済措置をお願いするような雰囲気だが、これでは学習指導要領を忠実に遵守している高校・生徒の方がかわいそうだ。高校での必修科目を履修していない以上、何らかの形で履修してもらい、卒業資格を与えるべきだろうと思う。レポートや適当に補習をやってお茶を濁す形で単位を認定したら、学習指導要領の法的な立場を危うくさせることにもなるだろう。また、教育委員会に虚偽の報告をし、大学の推薦入試に虚偽の調査書を発行した責任者の責任も厳しく問われなければならないと思う。

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