1月もそろそろ終りに近く、春の訪れとともに人事異動の季節がやって来ます。自分の働きがどのように評価されているかを実感できる緊張する時期でもあり、2月から3月初めには本人へ内示があります。「飛ばされた!」という心の叫びが聞こえてくる時期でもあるのです。
人事部門にいた経験から、栄転する人を見てきた反面、降格ではないにしても「左遷」は幾度も見てきました。菅原道真の「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」の有名な歌を思い出します・・・私自身も、転勤の都度 複雑な思いをしたことがあります。
社員を一定の教育システムに乗っ取って人事異動をさせる場合、当の本人は自分が望まない転勤先に「正当な評価をしてもらえていない」と不安になり、左遷と勘違いする場合があります。
社内で誰もが共有する人事の異動情報で、望んでもいない転勤先を大々的に公表されることから、自分を否定されたかのような気分を味わい、本人は左遷されたと思い、かなりのショックを受けるのです。
たとえ左遷であっても、これまでとは違う職場環境で人脈を広げ、慣れない業務も新たなスキルを身につけることができるかもしれません。再び功績を上げれば状況は変わります。また違う職場環境を受け入れることで、転職をする際に役に立つかもしれません。
また、実際に不利益を出してしまうようなミスをして、能力が不足していると判断され、周囲に迷惑をかけてしまう場合は、再起を期待して左遷・転勤の候補にされてしまいます。
明らかに左遷での転勤という自覚があるときは、「クビにならなくて良かった」と楽観的に捉えるか、「ついに厄介払いされたか」と思うか、その人次第です。左遷されたら、今後の自分はどうしたいのかをしっかり考えた上で、受け入れるかどうかを決めると良いでしょう。

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