先週、いくつかの国で核兵器禁止条約が発効され、核兵器を違法とする新しい世界の始まりと言って良いと思います。しかし、この条約発効によって核兵器をめぐる現状が変わるとは思えません。
なぜなら、核兵器を保有しているアメリカ・ロシア・中国・イギリス・フランスは条約に反対で、いまだに核戦力を保有し、抑止力によって安全保障を得るという理屈に変りがないようです。
戦う力を頼みにする保有国の指導者が存在する限り、彼らは核兵器を違法とする条約の発効は理想過ぎて、価値のないものと思っているかもしれませんが、120をこえる国々が支持していれば、10に満たない保有国も、保有こそすれ非人道的な兵器の正当化は困難になり、使えば放射能被害や経済的制裁を受けて使えなく、保有の価値もないというものです。
被爆国の日本はアメリカとの同盟関係にあり、条約に加わらないのですが、多くの日本人は条約に参加した非保有国の思いと同じです。現実的には まず核兵器を減らす道の選択をしていて、いつか通じるものと思います。
国際社会から「日本人は道徳的見地から責任感が全くない」という批判に対し、核兵器を保有する国と非保有国の考え方・価値観の差を埋める努力をしているところであって、道徳的見地から「責任感が全くない」には当たらないと思うのです。
日本では昔、いざ戦いという時、農民が日本刀を所持した時代もありましたが、その必要がなくなった平和な時代が来て、今は単なる骨とう品でしかありません。核兵器もそんな時代が来ないものかと・・・。

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