夜中にドシャ 降りの雨が降ったかと思えば、夜が明ければ晴天となり、そんな繰り返しの日々で、まるで寄せ来る波のような梅雨の時期で、きょうは「海の日」です。
新型コロナ感染がなければ、明日は東京オリンピックの開会式の日です。感染状況も都市部では第2波とおぼしき状況の中で、東京を除いて「GoToトラベル」のキャンペーンが始まりました。
感染の波も経済の波も、両方を乗り切ろうという政府の方針に無理はないのか、確かめる術(すべ)もなく、「行け行けドンドン」の感があります。
「海」といえば、小学生の頃に父と2人で豊橋の前芝海岸で小舟を借り、ハゼ 釣りをしたことを思い出します。「御津町・御馬」の漁師の子に生まれた父は、普段は見られない艪(ろ)をうまく漕(こ)ぎ、驚いたものでした。
その日は、バケツに満タンになるほどハゼが釣れ、何匹か小舟の中で見事な手 裁きで3枚におろし、潮で洗って食べることを学びました。漁師は毎日、このような新鮮な魚を口にできるのかと感心し、その味は今でも忘れません。
一般の家には冷蔵庫がなかった時代ですから、父は岡崎の山あいに住む私に、魚の刺身が本当においしい味を教えたかったのかもしれません。
還暦を過ぎた父は、再び和菓子店「廣田屋」を再建することがなく、この世を去りました。
人の一生は「苦 あれば 楽 あり」で、楽しいことばかり続くのでもなく、苦労ばかり続くのでもないと思います。人生には波があると、暑い夏の「海の日」は、短かった父親との触れ合いを思い出します。
写真:「艪を漕ぐ姿」インターネットから借用

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