梅雨前線が日本海に停滞しているようで、空は雲が多く、にわか雨が降ったと思えば、青空をのぞかせ、蒸し暑い日が続きます。
田んぼに植わった黄緑色の苗も、順調に根が張り6月は「分けつ(株分れ)」の最盛期で、苗の葉は濃い緑色となりました。来週の日曜日には、町内の田んぼの所有者が集まって、早朝からタメ池の斜面の草刈りを行います。
水田の水は、山に降った雨水をためて利用しているのですが、昔はこの時期に雨が降らないと凶作となったようです。現在では、大胆な耕地整理が行なわれ、保水技術も進み、ほとんど水が不足することはありません。
水田の濃い緑を青田と言いますが、そもそも日本語は、「青(あを)」を範囲の広い色を指していて、「黒と白の間」とされています。古い言葉では「あを」は、現代語の「藍、緑、青」あたりの色をすべて言うようです。
春になると「青葉」が茂り、「青梅」「青竹」「青菜」など、緑ではないかと思いますが、「緑」を「青」と認識する語感の表れで、青と表現します。同じように、信号機の「進めの色」は慣習的に「青信号」という呼び方をしますが、諸外国では「緑(グリーン)」と呼び「進め」を指し、共通のようです。
さて、「青田刈り」という言葉がありますが、戦国時代に相手を攻め落とすのに、田んぼの稲が青い状態で刈ってしまい、敵の食べ物を不足に追い込むことを言ったようで、現代の就職活動などで優秀な人を、他より早くに獲得してしまう際に使う言葉として例えたようです。この場合は「青田買い」とも呼ぶようです。
NHK朝ドラ「半分、青い」は、ヒロイン鈴愛(すずめ)が病気で左耳が聞えなくなるも、雨音が片側しか聞こえないことから、雨上がりの青空を見てつぶやいた言葉で、この場合の青は「緑」ではないようです。

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