中日新聞26日の夕刊に、農林水産省の地理的表示(GI)保護制度で、「八丁みそ」本場の岡崎市八帖町の「まるや八丁味噌」社と「カクキュー」社のブランドの“みそ”は登録が評価されず、名古屋市の県味噌醤油工業組合の“みそ”となったと報じていました。
私は、幼いときから八丁みそを食べて育って来ましたから、驚きの他ありません。発祥の地である「岡崎のハ丁みそ」が外されるとは、毎日使っている「瀬戸物の茶ワン」を「瀬戸物」ではなく「ニセ物」と言われたような気がします。
確かに愛知県内で造られている“みそ”は豆みそであり、製法は似ていますが、私は「赤みそ」と呼んでいて「八丁みそ」ではないと認識しています。
ご存じのように、岡崎城から西へ八丁(約870m)の距離にある岡崎市八帖町(旧・八丁村)で、江戸時代初期より、旧東海道を挟んで向かい合った2軒の老舗が 伝統製法で造り続けている豆みその銘柄です。
農林水産省のGI制度は、産地の伝統的な製法や現地の風土に起因し、特性がある場合に、地名を冠した地域ブランドとして保護する制度です。
何を考えて認めないのか理解に苦しみます。
名古屋メシの「定番調味料」程度と考えているのではないでしょうか。農水省も2つの協同組合で調整がつかず、やむなく片方の組合に認めたというのが本音かも・・・・あの世で徳川家康が「農林水産省は何を考えているのだ!」と思っているのかもしれません。
とりあえず老舗2社は不服申し立てをするようです。定義が曖昧な食の伝統文化を枠組みにはめるのは難しい面もあろうかと思いますが、食べ慣れた八丁みそが「ニセモノ」同様に扱われることに腹立たしさを抑えることができません。

6