私が小学校の頃、体力をつけ、倦怠感や眠気を取り除き、作業の効率を高める薬として、戦争中に市販されていた「ヒロポン錠」、実は覚醒剤ですが、戦争が終わり、日本では大量のストックが市場に流れ出し、中毒による障害者は推定で二百万人いると云われていました。
そこで、「ヒロポン中毒」にかかった患者の幻覚症状を映画で再現し、その恐ろしさを映し出して、私たちに覚せい剤の使用をしないよう広く一般に訴えていました。
ポン中の患者が幻覚で、階段を降りるとき、段下に無数の蛇がいるとか、洗面器に映った自分の顔が焼けただれ、恐ろしい姿に見えるとか・・・・子ども心に深く突き刺さって、今でも思い出します。
また、ヒロポン中毒の青年が母親に「ヒロポン」を買う金を執拗にせびり、暴力をふるなど、見かねた兄が弟を絞殺するという悲惨な事件も発生しました。
その後、取り締まりの強化と経済復興とで、ポン中患者は減少しましたが、昭和45年頃から、アヘンを生成しモルヒネを作り、さらに生成したコカインが、今度は朝鮮・韓国ルートによる覚醒剤密輸入が徐々に増加してきました。
今回、「脱法ハーブ」を吸って車を運転し暴走、麻薬のような幻覚や妄想、興奮作用を起こし、死傷者を出す交通事故が続出したため、業を煮やした警察庁と厚労省が「脱法ハーブ」を「危険ドラッグ」と呼び名を改めて取り締まりに乗り出しました。
石川県では、中国から粉末状の麻薬を郵送で密輸したとして男2人を逮捕。倉庫には乾燥機などがあり、麻薬や植物片を混ぜ合わせたハーブ「危険ドラッグ」を密造し、東京などの業者に売っていたといいます。
危険ドラッグから、やがて覚せい剤や麻薬に手を出す予備軍を作ってはなりません。
「脱法」から「危険」へ名称変更したものの、中毒患者を作らないためにも、警察は実際に「命を奪う危険性」を、ネットを使った画像等で示し、「
危険と認識する薬物へ手を出さない」と警告してほしいものです。

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