太平洋高気圧に覆われ、ここ名古屋も路上を熱風が吹き上げ、頑張りすぎて熱中症で倒れる人が出るほど暑い日が来ました。クーラーの効いた店に入ると汗が冷めて風邪ひきそうになります。しかし、今年はチョコッと違います。節電報道が効いて各所で温度を調節し、風邪ひくほど冷やさずに済みそうです。そうなのです、自然な暮らしが身体に良いこと、懐かしいですが思い出さねば・・・・・。
職業相談室の窓が開けっ放しで、扇風機が回ります。「クーラー点けないの?」と聞けば、「きょうは風が爽やかで・・・・」と返事がきました。施設は集団生活していて、一人のためにクーラーは使用せず、点ける日時を決めているようです。熱中症が出るような環境になれば別でしょうが・・・・。
施設を訪問し、就職支援を受ける人達は人間関係が途切れ、家と暮らしを保障するのみではダメで、関係を再構築する必要がある人達が多く、家族とのつながりがなくては面接を受けても不採用が続くばかりです。採用する側は、家族や結婚、友人などプライバシーに関わる質問を次々と出してくることは覚悟していても、如何することも出来ません。再就職支援以前に人間関係再構築支援が必要でしょう。
生活保護を受けるといったハードルを越え、新しい生活を始めた人も自分が生きる目的、意味を見つけ出すことが出来ず施設に舞い戻り、あるいは路上生活になる人も少なくないようです。其処には、集団生活が苦手で暮らすことができず、かといって相談する仲間や家族と連絡できずに孤独に悩んでいる人達が多くいるのです。
先日も社会保障番号のことを書きましたが、高齢化の進行で、政策を維持するだけでも毎年1兆円以上増える国と地方の財政、財源を如何するのかといった議論を先送りできるような状況ではありません。まさに、クーラーで冷やさずに熱中症になった患者をどの様に処置しようかと先送りするようなものです。国と地方の債務は900兆円を上回り、税収確保をせずに借金を続けると、国債価格は下落、金利の上昇、借金の利払い増、そうなれば社会保障充実は絵に描いた餅となります。
クーラーと消費税を一緒に考えるには無理があるように思いますが、我慢すれば両方とも倒れること間違いなく、財政再建は日本に止まらず国際的な経済にも影響し、再建は国際公約でもあるのです。CO2を25%削減するといった我が国の宣言も今や到達出来そうにありません。さらに恥の上塗りは許されないことではないでしょうか。

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