野生鳥獣の農作物被害が年間200億円と高止まりの状況で、農業被害防止の施設整備費が昨年11月の行政刷新会議の事業仕訳で予算が4分の1に縮減されました。行政には野生動物の専門家は少なく、複雑で多様化する被害に対応できる専門家がいなければ、政治主導の下に対策費は減るばかり、被害を受ける農家は益々農業を放棄し、農家の個別補償どころではないのです。
シカやイノシシなど捕獲数は増えているのに被害が減らず、「
農家の切実な状況を、政府は本当に理解して予算の削減をしたのでしょうか」
農家の被害に対処するため、平成20年2月21日、「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」が自民公明連立時代に施行されたのですが、「普天間基地移転」と同じ、新政権では対抗手段なのでしょうか。昨年の衆議院選挙で、農家特別補償をするといった民主党の考え方に矛盾するのではないでしょうか。
農作物の被害の要因として、耕作放棄地が増えたこと、過疎化によって、農村の農業構造の変化、特に高齢化によって駆除対策が進んでいない、狩猟人口の減少、温暖化による野生動物の生息環境の変化など、様々なことが考えられます。
被害に遭っている県では、イノシシなどの有害鳥獣による農作物被害対策に乗り出したばかり、高齢化が進んだ農家が、やっと立ち上がろうとした所へ予算削減ですから、二階へ苦労して登ったところへハシゴを外されたようなもの、国のやることに一貫性が無く、政権交代という名の下に、被害に泣き寝入りするのは弱い農家ばかりではないでしょうか。

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