個人的なハマり手筋・よく使う手筋の中で、慣れてないと攻略が難しそうな・途中で手が止まってしまいそうなものを軽く紹介します。当ブログの掲載問題を解いていて手が止まった時に、ヒントとして使っていただけると嬉しいです。
・手筋の名前は他の方が使っている呼び方のものもありますし(広く普及しているものが中心です)、便宜上適当に付けたものもあります。
・本家でアゼン級手筋として扱われているものが多いのでタイトルでは「超上級」としましたが、理解するのが難しいというレベルの手筋は少ないと思います。
・年に一度ほどのペースで追加していきます。
<手筋の文字色について>
黒字...2017年に追加しました。
青字...2018年に追加しました。
緑字...2019年に追加しました。
【美術館】
[二択の一周・二択の四隅]
たいていの数理パズルには「いずれにせよ理論」という、"こっちかこっちの二択だけどどのみちここはこうなる"系の手筋は存在しますが、美術館に関しては一周を用いたダイナミックな仕掛けを作ることができます。
ループの方法が2パターンあるがどっちみち一周するのだから経路はシロ、というパターンです。
正直に四隅に置いてあるとわかりやすいのですが、盤面端以外の場所で仕込まれると気づくのが遅れる場合があります。
<例1>

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or

↓
<例2>

↓

or
<例3>

↓

or
[いずれにしろ救出]
複数の白マスを全て救出することを考えるとパターンが絞られることがあります。(言葉で説明するのが難しい!)
小さなポケットから大きな動きを与えることができるので大きな盤面でテンポよく使うと素敵に仕上がります。
<例1>

↓

or

↓
<例2>

↓

or

↓
[いずれにしろ救出2]
理屈は上記と全く同じですが、袋小路を救出するようなタイプではなく、上下や左右が空いているマスを救出するようなタイプはさらに気付きにくくなります。
<例1>

↓

or

↓
<例2>
例1を連鎖したパターン。

↓
<例3>※応用クラス
例1をさらに気付きにくくしたパターン。

↓

or

↓
(1の上に照明を置くと失敗...)
[二択の2列消し]
隅の1、端の2などの対角点にポチをつけると盤面が進むというおてごろ級(連鎖させるとたいへん級)の手筋では太刀打ちできないパターン。
作為に気づいてもらいにくさが弱点なのか公式では極端に嫌われていると思われる手筋。
盤面を先に決めてから数字を入れて問題を作るパターンでは単一解に導くためこの手筋を使うことを強いられてしまうケースが、少なくとも僕にはあります。
縦横に連鎖させると中級者への説明が難しいので極力使いたくないものではあるのかもしれません。
<例1>

↓

or

↓
<例2>※応用クラス

↓

or

etc.
※組み合わせは他にも6パターンあります
↓
[大型救出]
基本は単純な救出手筋と全く同じですが、難しい問題では「ここのマスしかここのマスを照らせない」ということに気づきにくいパターンも登場します。

↓

縦に3つ並んだうち一番上の0のマスのひとつ左のマスと、そのもうひとつ左のマスに注目。
↓

図の位置に照明を置くしか照らす方法はありません。
【スリザーリンク】
[(ループモノ全般)端点偶数法則]
閉空間内は常に線の端が偶数になります。
線の端と線の端をひとつひとつ繋げていって最終的に端っこを0個にする(=ループ)にするためには偶数じゃないと相手のいない端っこが余ってしまうからです。
意図してふんだんに使って目立たせるぶんには構わないんですが、ある場所でこれに気付かないと進まないっていう状況になる問題は好ましくないと思っています。
しょっちゅうそういう状況になる問題を生んでいますけど。。。
<例1>

→
<例2>

→
[ナナメ3-2-3、0-2-3]
見かけたら使える程度でそこまで頻出するものではありません。
これしか入り口のない問題って相当ひどいと思いますけれど。
2がいくつ並んでいても使えます。
<例1>

→
<例2>

→
[2が2通りの2-3]
教科書には載ってないけど頻繁に使える手筋シリーズ。
<例>

↓

or

↓
【へやわけ】
[大部屋の最大黒マス理論]
説明が非常に難しい最も数学チックな理論の一つ。
きちんと理解するのは難しいので経験則や消去法で見つけていくしかないような気がします。
全てを列挙しようとしてもキリがないので、ここでは例を挙げることにとどめます。
<例1>

↓

or

or

(部屋の四隅の黒マスのみ確定)
(回答は例です。他の回答もあります。)
<例2>

↓

or

or

(確定するマスはありません)
(回答は例です。他の回答もあります。)
<例3>

→

(全マス確定)
<例4>

→

(全マス確定)
<例5>

→

(四隅のみ黒マス確定。ブロック内の黒マスは最終的に必ず一繋がりになります。)
[中央分離の1]
長い白マスを最小の黒マスで分離する手筋。
<基礎系1>

→

最も基本となる形。
真ん中以外に黒マスを入れると0の左隣などで黒マスの隣接が発生します。
<基礎系2>

→

1の部屋が大きいので、初心者だと後回しにしがちですが入り口の一つです。
<中級応用系>

→

1以外でも同じ考え方で発展させられます。
<上級応用系1>

→

0がなくてもいけたりします。
(2択の黒マスを確定させる方法がない為、これと全く同じ形はないと思います)
<上級応用系2>

→

発見するのがかなり難しい形。
片方の部屋が幅1マスの廊下のパターンで登場することが稀にあります。
【ぬりかべ】
[終点確定]
白マスの最後の1マスが二方向のどちらかの時、確定する黒マスがあります。
<例>

↓

or

↓
[最大白マス]
一見決まらなさそうな大きな数字が、周りの数字が自動的に作る壁によって一発で決まるパターン。
これ以上の数字は収まりきりませんっていう限界の数が置いてあることが多い。
<例1>

→
<例2>

→
[3方向の終点予約で発生する白マス]
先ほど紹介した終点付近で決まる黒マスをいくつか集めると白マスが出現するパターン。
公式の高難度問題でも稀に登場します。
<例1>

→
<例2>

→
[白マス回収と終端確定]
まだどの数字のシマに属するか決まっていない白マスのカタマリを、ある数字以外に回収できそうにない場合はその数字に属すると推理でき、盤面が進むことがあります。
主に大きな数字について言えることが多いです。
<例>

4マスの白マスのカタマリがありますが、周りに"4"以上の数字は"9"しかありません。
↓

"9"で拾う方法はまっすぐ伸ばす以外にないので、一気に決まります。
さらに高難易度の考え方として、未確定のシマと回収する数字までは決まるけど道中は決められないという場合でも終端のみが確定する場合があります。
ここまでくると超上級手筋。
<例>

先ほどの例と同様に、白マスのカタマリは"9"で拾うことになりそうですが、どういう形で伸びるかまでは決まりません。
ただし、「右に1マスぶん、下に4マスぶん」の最短ルートで繋がなければ"9"をオーバーしてしまいます。
↓

"9"には白マスが左から、または上から繋がるので、"9"の右と下のマスは黒マスになります。
[白マス仮定法]
(超上級手筋)
当たり前ですが、あるマスを白マスにしてハタンする場合、そのマスには黒マスになります。
それに引っ張られて、そのマスを白マスにする遠因も避けるように解かなければいけません。
<例>

↓
仮に右の2を上に伸ばしてみると左の2の右下に白マスが発生し、ハタンすることが分かります。

↓

右の2は左に伸びることが確定します。
一応この説明以外にも、直接「左の2の右下をマスを白マスにしたら右の2がどちらにも伸びれなくなるから黒マスになる」ということを手掛かりに右の2を確定させる力技も可能です。
【ましゅ】
[くの字型の白-黒-白]
黒丸から伸びる片方の線が確定します。

→
[くの字型の黒-白白-黒]
白白を縦に貫くと黒丸と黒丸に挟まれて曲がれなくなるので反対の方向にしか線を引けません。
それにつられて黒丸の片方の線も確定します。

→

(白白を縦に貫くと失敗...)
応用すると以下のパターンも決まる場所があります。

→
[辺の黒-白-黒]
黒マスも白マスも全て確定します。

→
[カドの白-白]
どちらの白マスも確定します。

→
応用すると以下のような状況でも下側の黒マスの伸びる方向が確定します。

→
[菱形の黒白交互]
見つけるのがかなり難しい最上級手筋。
失敗すると小ループが発生してハタンします。

例えば、右下の黒丸を上に伸ばすと黒マスがループを作ってしまいハタン。
↓

黒丸からは線が上下から1本、左右から1本ずつ出ます。
線が上に伸びれないので、下に伸びます。
↓

この盤面では最終的にここまでは確定します。
【シャカシャカ】
[幅2マスの片側確定型]
幅2マスの部分では必ず"三角&三角"か"白マス&白マス"になります。
この原則を利用すると、幅2マスの部分で片側のマスが三角か白マスと決まっているともう片側も三角か白マスかが分かります。
<例1>

↓

or

↓
<例2>

↓

or

↓
[1の2カド白確定]
(超上級手筋)
白マスがナナメに続くと三角が発生することが多いですが、三角が発生するとハタンしてしまう時は三角が発生しないような場所に三角が来ることが予約されるため、残りの白マスが確定します。
<例>

↓
(失敗例)

(三角が発生することで四角形にならなくなる)
↓
(白マスが確定)

"1"の三角形は"1"の右側、または下側に来ます。
[2の上下白確定]
(超上級手筋)
盤面端から1つ内側に独立した2がある場合はその周囲の白マスが確定します。
上でご紹介した考え方と同様です。
<例>

↓

左右にくっつく三角の向きは確定しません。
(最終更新:2019年6月19日)

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