娘が所属する劇団のゲネプロを観た。
娘には小学校六年生まで空手を教えていたのだが、本人の申し出で今は一時休止中である。
現在は劇団とヒップホップに夢中になっている。最初はアムロちゃんやスーパーモンキーズも子供の頃から空手を学んでいたのでダンスがうまいのだ、ダンスの良い勉強になる・・・と言って入門を口説いた。娘の空手は自ら志願したのではなく、私が拝み倒して入門させたのだ。それも大仰に入門許可証なるものまで書き与え、私が学生時代に着ていた東海堂の道着をリサイズし、さらに調子に乗りお師匠さまとまで呼ばせた。こうなると師としては当然力が入る。週一回、マンションの集会所を借りて即席の道場とし、毎朝には虹ヶ丘公園で野天の練習を、毎木曜日には早来まで連れて行き、さらに夜は夜で自宅で長々と講釈を聞かせた。もちろん、徹底した個人指導で、他に練習生はいない。よくよく考えると、ここまで懇切丁寧な指導を受けると、私でも修行を一時休止して、人生をもう一度深く問うてみたくなる。
舞踏と空手の動きには共通する部分が多い。身体能力の強化はもちろん、体軸の使い方や間の取り方、拍子など。特にヒップホップ系やジャギーには明かに空手の型の一部分が使われている。今日のリハでもセーパイの握拳での両腕返し受けがハッキリと判る形で入っていた。ただ、空手と西洋舞踏の決定的に違うところは、かかとの始末である。空手などの東洋武術は基本的にカカトを上げないし(猫足は別)無拍子もある。一方、ダンスは表現手段としてカカトを上げて舞う演出が多い。それは当然だ。舞台ではカカトを上げた方が移動しやすいし華麗に見える。ある高名な空手家はプロのダンサーとは喧嘩するな・・・と言われていたそうだ。プロダンサーの身体能力の高さは驚異的なものがあるからだという。
それにつけても、今日の娘の動きにはキレが無い・・・能く能く研鑽練磨すべしである。ちなみに、写真正面の右端、イナバウアーのポーズが拙宅の豚児である。しかし、諸兄にとってそんなことはどうでもイナバウアー?・・・。


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