香草のバジルである。
積極的に育てたわけではない、知人からの頂き物だ。毎朝、水をあげているうちに、結果、私が育てることとなった。この他にオオバも頂いたがそれは枯れてしまった。この二つともそのうち食べよう・・・と思いつつ、つい愛着が湧きなんとなく食べずじまいのままだ(笑い)。
実は、一昨年のTVドラマのラスクリで織田君が部屋にある香草を無造作にむしりとりフライパンでパスタを手早く炒めるシーンを偶然見た。その瞬間、これだっ!と思い、いつかやってやろうと考えているのだが未だ機会は訪れず・・・である。ウデまくりに少し緩めたネクタイ姿、そうしてフライパンの組み合わせがなかなか良かったのである。・・・こう考えると、私もつくづくつまらない男である(笑い)。
学生時代に、パスタだけをフライパンで炒め、塩・コショーとガーリックパウダーのみのシンプルな夜食をよく作った。もちろん、具は一切無しでお好みでお醤油、バター、マヨなどをかけて頂く。深夜のワンルームでフォークをガチャつかすのも、なかなか良いものであった。観葉植物が好きで、間接照明を当て部屋中にポットをぶら下げたり、2mのケンタイヤシをなど置いたりしていたが香草はなかった・・・今考えると、あの時育てておけば織田君のような演出ができたやも知れぬが・・・やはり、自分はつまらん男だ・・・ハハハ。
こう見えても春が来ると野山に分け入りて山菜を採り、食すのが好きだ。GW明けはタラの芽、ウド、ギョウジャニンニク、ツクシ、セリ、タケノコ。少し暖かくなればボウフウが旬だ。こどもの頃は、ドジョウやヤツメ、ザリガニも食べた。山野で沢水を呑み、野草や獣を食すと不思議と力がつく。街の小料理屋などではダメだ。ただ美味しいだけで、おまけに飲みすぎて次の日腹をこわすか、同席の客と薀蓄合戦となり、いっそ引っ叩きたくなるのがオチだ(笑い)。
野草や獣は精がつくが、勝ち過ぎるのでほどほどが良いと思う。落命の危険は少ないものの寿命を縮めかねない・・・薬は毒で、毒は薬なのだ。・・・しかし、数年前、知人と雪中で食した炭火炙りの野生のシカ肉は・・・こいつは美味であった。彼のバック製のナイフで削ぎ落としながら、念入りに塩・コショーを刷り込みつつ頂いた。
ちなみに、バジルのポットの縁に腰掛けて、のんびりと日向ぼっこを楽しんでいるのは・・・平和を愛する私だ。

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