2013/6/28  18:47

2010年 エッセイ  書き物 エッセィ小説等


2010年7月  宮古毎日新聞社 「ゆみメール」掲載


リンクする時間
             

 

 この島にアイターンして十回目の夏。

 ここに登場する時は、毎回、虫や魚の話とか動物の話ばっかりだけど、造形学習の指導が本業です。
難しい肩書きは何も無いので、お楽しみ教室のおばさんでも間違っちゃいません。

 
 以前住んでいた町で、公民館のサークルとして「工作くらぶ」を立ち上げ、宮古に移住して来るまでの十二年間指導していた。
会員は小学生がほとんど。何人かとは、今も年賀状とメールのやりとりがある。
大学生になり社会人になり、皆それぞれの青春を生きている。
そして「工作くらぶ」に仲良く一緒に通っていたある二人は、後に結婚した。
めでたし、めでたし。…なんだけど、おとぎ話と違って人はその後も生きていく。
誰もがみんなそうであるように、彼らも悩み多いその年代を切り開きながら生きている。
「癒しの島、宮古島」に引っ越してきた私たちにしても「おじいとおばぁは、南の島で幸せに暮らしましたとさ。」とは行かない。
弛まぬ努力が必要だ。
『遠くへ来ちゃったなぁ。私、何をしているんだろう‥。』と、たまには凹む時もある。
 

「工作くらぶに、うちの子供たちも通わせたかったのになぁ」
前述の彼女が、そう言ってくれた。
十数年の時がキュルキュルと巻き戻されて、弾ける彼女の笑顔が覗いた気がした。
生きてきた時間はリンクし合う。
その時間が幸せなものであるように、私はこれからも暮らしていきたい。




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