JR発足以来最悪の事故になってしまった今回のJR福知山線の脱線事故ですが、ただ運転士の速度超過による脱線が原因ではないと思います。
運転士の乗務歴と勤務評価
事故を起こした運転士はまだ11ヶ月しか乗務歴がなく、まだ新人といっても過言ではない。また車掌時代から数回にわたりオーバーランや乗務中の居眠りなどで訓告処分を受けている。それこそこういう人間に乗務を任せる会社も会社だが、彼は運転手として適格なのかもう少し慎重に検討すべきだった。
事故を起こした車輌
事故を起こした207系はステンレス製で、今流行の車体が軽くてメンテナンスフリーを実現した経済的な通勤電車だ。しかしこの207系にもいろいろと種類があり、また編成により動力車の位置がまちまちなのである。
今回事故を起こした編成は、尼崎寄りから TcMM'Tc'McTTc' で前から2・3・5両めが動力車だ。編成の真ん中に動力車を組むのはJRでは一般的なのだが、他にも McTMTc'McTTc' の編成もあり、この場合は尼崎寄り先頭車が動力車だ。前者の編成は安定した走行性能を保てるのだが、私鉄では両先頭車を動力車にしているケースが多く、そのほうがスピードが出ても脱線の危険性は少ない。なぜなら脱線は先頭車から起きるので、動力車なら車体重量が自然と重くなるので脱線はしなくなる。京浜急行の羽田空港まで乗り入れる北総鉄道は、高砂開業を機に京急の規定に合わせて今まで動力車でなかった先頭車を改造したくらいだ。
JR西日本の体質
そもそも運転士になってまだ1年にも満たない人間に、伊丹駅でオーバーランを起こして1分30秒の遅延を起こしたことで「遅れたら絶対挽回しなくてはならない」という職場の空気を作ってしまった会社、そんな会社の体質を半ば黙認していた労働組合にも問題があるのではないか。確かに遅れを出したら運転士として途中で時間を挽回するに越したことはないが、乗客の安全を2の次にしてしまうような会社は職場の体質に問題があり、外部からのチェック機能が果たしていないので客観的に判断が出来ないで会社の言いなり状態の形だけの労働組合は世間からの非難を浴びることだろう。また今回の事故により、JR西日本が虚偽の報告・隠蔽が職場で日常化している実態が明るみになったことで関係省庁が動くことは免れないだろう。現に8mと言われた伊丹駅のオーバーランは実は40mで、指令と車掌で虚偽の報告がなされたことが明るみになっている。
これはJRグループだけの問題ではなく、鉄道会社全体でこの事故は真摯に受け止め、二度と起こらないように努力しなくてはならない。

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