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2007/7/26

『ボルベール<帰郷>』  映画道

『ボルベール<帰郷>』
VOLVER

2006年スペイン映画 120分
脚本・監督:ペドロ・アルモドバル  音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ペネロペ・クルス(ライムンダ)、カルメン・マウラ(母イレーネ)、ロラ・ドゥエニャス(姉ソーレ)、ブランカ・ポルティージョ(アグスティナ)、ヨアンナ・コボ(娘パウラ)、チュス・ランプレアベ(パウラ伯母さん)、アントニオ・デ・ラ・トレ(夫パコ)、カルロス・ブランコ(エミリオ)、レアンドロ・リベラ(制作助手)




失業中の夫パコと15歳の娘パウラと暮らすライムンダは、気性は激しいが明るくたくましく生きる女性。娘と美容師の姉ソーレとともに故郷ラ・マンチャに帰ってきたライムンダは、最愛のパウラ伯母の家を訪れる。パウラ伯母は4年前、ライムンダの両親が火事で亡くなって以来、ボケはじめてソーレとパウラのことも覚えていなかった。隣人のアグスティナは火事があった夜から行方不明になっていた母親の行方を捜していた。マドリードの自宅に戻った翌日、帰宅したライムンダは台所の床に血まみれになって倒れている夫の姿を見つけて驚愕する。娘パウラが「本当の父親じゃないから」と迫ってきたパコを包丁で刺し殺したのだった。隣人エミリオからレストランの鍵を預かったライムンダは、遺体を運んでレストランの冷凍庫に入れる。そこへ、パウラ伯母が亡くなったという報せがもたらされる。翌日、レストランで途方に暮れていたライムンダは、近くで映画の撮影をしているスタッフに店員と勘違いされ、30人分のランチを任されることになる。一方、ラ・マンチャでの伯母の葬儀に出席したソーレは、死んだはずの母を見かけたという噂話を耳にする。帰宅すると、車のトランクには母の姿が。幽霊なのか本物の母なのか戸惑いながらもソーレは母と一緒に暮らし始め、客には“ロシア女”と紹介する。ライムンダが遺体を川岸に埋めるためにソーレの家に預けられたパウラも祖母に会うが、ソーレはライムンダが来ると母をベッドの下に隠すのだった。そんなある時、アグスティナからガンと宣告されてマドリードの病院に入院しているという連絡が入る。アグスティナは駆けつけたライムンダに彼女の母が戻ってきたら、自分の母親のことを聞いておいて欲しいと頼むが、ライムンダは本気にしない。数日後、レストランに現れたアグスティナは、彼女の母親がライムンダの父親の愛人だったと告げる。映画の撮影が終了し、打ち上げパーティがレストランで行われる。かつてアグスティナの妹とともにオーディションを受けたほどの歌声の持ち主だったライムンダは、母から教わったタンゴの名曲「ボルベール<帰郷>」を歌い上げる。やがて再会した母と娘。パウラの実の父親が誰なのか、ライムンダがなぜ故郷を捨てたのか理由が明らかとなる。

『オール・アバウト・マイ・マザー』、『トーク・トゥ・ハー』に続くペドロ・アルモドバル監督の“女性賛歌三部作”の最終章だとか。ま、『街のあかり』と違ってこちらは日本の配給会社が勝手に銘打ってるだけだろうけど。
そのカウリスマキ監督同様、アルモドバル監督の作品は今ひとつ好きになれなかったのだけど、本作は今までの中で一番いい。
特に刺し殺された夫の血を拭き取るシーンで、キッチンペーパーに血が染み込んでいく様を捉えたショットから俄然引き込まれ、そこへ死んだはずの母親が現れて三世代にわたる女性たちの秘密が次第に明らかになっていくあたりはストーリーテラーとしてのアルモドバル監督の手腕を再認識した。

タイトルの「ボルベール<帰郷>」はタンゴの名曲から来ている(先日観た映画でも使われていたような…。何だっけな)。
「帰郷」というのはライムンダが故郷のラ・マンチャに帰ることばかりではなく、母親の元へ帰るということも意味しているのだろう。
ライムンダは望まない妊娠をして(しかも相手が…)半ば強制的に娘から母になった女性。それ以来、実の母親との関係は冷え、故郷を後にすることになる。
母親との和解、それがすなわち彼女にとっての「帰郷」なのだ。

アカデミー主演女優賞にノミネートされたペネロペ・クルスさんも絶品。
とりあえずあの谷間があれば他に何もいらない(爆)。
冗談抜きで、豊かな胸は母性の象徴。母親から「胸が大きくなったんじゃない?」と聞かれるのは、会わない間にそれだけライムンダがパウラの母親として生きてきたことの証。パウラのために遺体を隠すところにもそれが現れている。


★★★1/2


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