芦川いづみさんデビュー65周年記念 DVD10タイトル発売!

2007/6/25

『胡同愛歌』  映画道

胡同(フートン)愛歌』
看車人的七月/The Parking Attendant in July

2003年中国映画 100分
監督:安戰軍(アン・ザンジュン)  脚本:張挺(チャン・ティン)
出演:范偉[ファン・ウェイ](杜紅軍/トウ・ホンジュン)、陳小藝[チェン・シャオイー](小宋/シャオソン)、張【火韋】迅[チャン・ウェイシュン](小宇/シャオユー)、趙君[チャオ・ジュン](劉三/リュウサン)、呂中[リュイ・チョン](趙先生)




北京の路地裏・胡同に暮らす杜紅軍は、リストラで会社をクビになって離婚され、何とか駐車場の管理人の仕事にありつく。15歳になる高校生の息子・小宇は、再婚相手の小宋が営む花屋の手伝いはするが、成績は悪くいつも学校から呼び出しを受けていた。担任の趙先生の息子が支援活動の最中に亡くなったことを知った小宇は、自転車で必死に先生の乗ったバスを追いかける。新しい家具が運びこまれた日、小宋の前夫・劉三が刑務所から出所してきて店で暴れる。同意書を破り、まだ離婚が成立していないという劉三を前に小宋は言いなりとなり、杜はなす術がない。そんな折、小宇のクラスで趙先生の息子のために募金をしようという話が持ち上がり、小宇は意地になって300元の募金を申し出てしまう。切手帳を売り歩いて金をかき集める小宇だったが、その金を奪ったチンピラたちと喧嘩騒ぎを起こす。一方、小宋は夫の手から逃れて杜の家にやってくるが、追いかけてきた劉三に激しく殴られる。近所の人たちの助けでその場をしのぐが、劉三は仕事場に現れて杜の目を盗んで車のフロントガラスを叩き割る。父が職を失ったことを知った小宇は劉三の後をつけるが、逆に痛めつけられる。傷ついて帰宅した小宇は、「父さんを不幸にするな」と小宋に向かって言う。小宇の16歳の誕生日。なけなしの金でケーキを買う杜だったが、帰り道に人とぶつかって落としてしまう。杜は電話で救急車を呼ぶと、花屋でひとりテレビを見ている劉三の背後から殴りかかる。

モントリオール国際映画祭審査員特別大賞、主演男優賞受賞作品。

一つ前の『眉山』が母と娘の物語なら、こちらは父と息子の物語。
最後に杜が取った行動は決して褒められたものではない。
だが、小宋に「これでよかったの?」と聞かれたときに「はずみでやった訳じゃない」と彼自身が答えている通り、どうしようもないほど追い詰められた彼が考えに考えた末に選ぶ道はそれ以外になかったのかもしれない。
弱い立場の人間はどんどん苦しくなり、強い人間は何をしても許される。
そんな姿をじっくりと描き、徐々に杜に対する共感が植えつけられる(劉三がまた典型的な悪者で憎たらしいんだ)。特になけなしのお金(50元)でケーキを買ったのに、自転車で運んでいる最中に後ろから来た人に落とされた(アレがワザとなのか偶然なのかがよく分からないが)シーンを経て、劉三に襲いかかるところはやるせなさでいっぱいになる。

小宇はそんな父の姿を見て、「勉強する、言うことを聞く」と涙ながらに言うのだが、彼自身のキャラクターがちょっと弱かったような気がする。花屋の配達は手伝ってるし、客が捨てた花を拾って思いを寄せている女の子の自転車のカゴに入れたり、趙先生の乗るバスを追いかけたり、どこをとっても普通にいい子(笑)。
問題児という割には小粒すぎたような気がする。

ところでこの邦題はどうよ?
『胡同(フートン)のひまわり』にあやかって、“胡同(フートン)”とつけておけばよさそうな感じになるだろうとしか考えてなさそう。「愛歌」というのもなぁ。
『〜ひまわり』がどんどん姿を消していく胡同を捉えていたのとは違い、本作では近代的なビルの夜景やらネオンのきらめく建物やらが頻繁に映し出され、胡同が話の主題に関わってくるわけでもない。
まぁ直訳で「駐車場管理人の七月」というのも味気ないけど(笑)。


★★1/2
0
タグ: フートン 胡同 北京



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ