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2006/12/18

『めぐみ−引き裂かれた家族の30年−』  映画道

『めぐみ−引き裂かれた家族の30年−』
ABDUCTION: The Megumi Yokota Story

2006年アメリカ映画 90分
脚本・監督・製作:パティ・キム、クリス・シェリダン  
撮影・編集:クリス・シェリダン  
製作総指揮:ジェーン・カンピオン
出演:横田滋、横田早紀江、横田拓也(弟)、横田哲也(弟)、増元照明(増元るみ子さんの弟)、増元正一(増元るみ子さんの父)、地村保(地村保志さんの父)、阿部雅美(元産経新聞記者)、石高健次(朝日放送プロデューサー)、アン・ミョンジン[安明進](北朝鮮元工作員)、斉藤邦(コーラスの先生)、真保恵美子(めぐみさんの友人)




1977年11月15日、新潟市に住む中学生・横田めぐみさんが下校途中に姿を消す。めぐみさんの父・さんと母・早紀江さんはテレビに出演して情報提供を呼びかけるが、手がかりは何もなかった。失踪から2年後、日本海岸で起きたアベック3組の蒸発事件に北朝鮮が関わっているというスクープ記事がサンケイ新聞に掲載される。横田夫妻は娘も何者かによって拉致されたのではないかと考えるが、他のケースとは違うと否定的な見方をされる。真相が明らかになったのは失踪から20年経った1997年、北朝鮮の元工作員アン・ミョンジンの証言によってだった。そして2002年、小泉潤一郎内閣総理大臣が日本の首相として初めて北朝鮮を訪問、金正日総書記と会談する。北朝鮮側は日本人13人の拉致を公に認めるが、うち8人が既に死亡、めぐみさんも1993年に自殺したと発表した。横田夫妻は娘が生きていると信じ、なおも活動を続ける。

北朝鮮により娘を拉致された横田夫妻を追ったドキュメンタリー。

よく知っている題材なので今回初めて知ったというようなことはほとんどなかったが、それでもやはり娘の生存を信じ、帰ってくることをひたすら願うご両親の姿には胸を打たれるものがある。
横田夫妻ばかりではない。病床で「やっちゃーん、やっちゃーん」と呼びかける地村保志さんの母や、小泉首相訪朝後に息を引き取った増元るみ子さんの父・正一さんなどの姿は痛々しいばかり。

そんな家族の声が政府を動かすまでになぜ20年もかかってしまったのか。
小泉首相の訪朝は確かに歴史的な出来事だったし、拉致事件において大きな前進を遂げた。
だが、それは家族にとっては充分に納得できるものではなかった。
小泉訪朝後、政府を批判する拉致被害者家族に対してバッシングの声があったことは記憶に新しいが、家族の心情を思えば彼らを批判することはお門違いとしか言いようがない。そんなバッシングをしている人は所詮、他人事としてしかこの問題を捉えられていないのだ。自分の家族がいつ、拉致されるかも分からないなどと想像してみたことすらないのだろう。

もちろん、被害者家族にも落ち度がなかったわけではない。
横田夫妻はその点、他の家族とは明らかに違う。
見るからに穏やかそうな人柄と態度。朴訥とした喋り方の滋さんと切々と訴える早紀江さん。常に二人寄り添うようにして頭を下げて回る。
他の家族が自民党本部や議員に向かって「バカヤロー!」なんて叫んでいても、夫妻は決してそんな言葉は口にしない。
こういう夫妻の姿を見ると、やはり生きているうちに娘さんに会わせてあげたいと思うのが人情というもの。
監督のパティ・キムさんとクリス・シェリダンさんも夫婦だということだが、横田夫妻を取材して思うところは色々とあったのだろう。政治的なことはさておき、子供に対する親の思いというものは国境を越える普遍的なものだ。
それにしてもこういうドキュメンタリーが日本で製作されなかったことが残念(再現ドラマとかはあったけどね)。


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