2006/11/25
『ラジオのリクエスト』 映画道
『ラジオのリクエスト』
OUR LISTENERS' REQUEST
2003年シリア映画 89分
脚本・監督:アブドゥルラティフ・アブドゥルハミド
出演:ファーイズ・カザク、ジャマール・キベシュ、ムフセン・ガージー、マームーン・アル=カティーブ、ニバール・ジャザイリー、イブラーヒーム・イーサー
1969年、シリアにある山村。住民たちの唯一の楽しみは、毎週火曜日、村でただ一人ラジオを持っているアブゥ・ジャマールの家を訪れ、みんなでお気に入りのリクエスト番組を聴くこと。一家は住民たちを歓待するが、彼の長男ジャマールは、恋人のアジーザに逢えることを何よりも心待ちにしていた。果樹園で働くサレフは、番組に何度もリクエストを出していたが、一度も曲がかかったことはなかった。恋人のワジーフィに、リクエストした曲がかかるまでは結婚しないと言われているサレフは焦っていたのだった。アブゥ・ジャマール家には、耳が聞こえずまともに話すことが出来ないサリームがいつの間にか住みつき、夜中までジャマールに相手をしてもらいたがっていた。そんなある日、ジャマールに召集令状が来る。その後、サレフのリクエストした曲がかかるが、果樹園を追い出され、アブゥ・ジャマール家に転がり込む。ジャマールが召集されて以来、意気消沈していたサリームを見かねたアブゥ・ジャマールは、彼を連れて息子の面会に行くが、ジャマールはアジーザ恋しさに隊長に休暇を申し出てすれ違いに村に帰った後だった。
アラブ映画祭2005上映作品。
海外のサイトも含めて情報を探したが、配役が分からない…。
シリア映画を観るのは多分これが初めてだが、カメラワークや演出は洗練されているとは言いがたく、役者陣の台詞回しはアラビア語が分かるわけでもないのに一本調子に感じられるところもあった。
ただ、村人たち全体が醸し出す雰囲気は独特のものがあり、ジャマールとはしゃいだり、ドラム缶に入って転がったりするサリームや、ワジーフィの胸(かなりの巨乳。笑)の匂いを嗅ぎたがるサレフなど個性的なキャラクターが光っていた。
そのように村人たちの様子がユーモラスに描かれていく一方、戦争の影が差し迫ってくる(第三次中東戦争かな?)。
終盤の展開はやや唐突に感じたが、日本映画や韓国映画によく見られるようなあざとさはそこにはない。それが紛れもない現実であり、時には現実は唐突に悲劇をもらたすのだ。
ラスト、爆弾を握り締めたままのサリームの表情が印象的。
★★1/2
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OUR LISTENERS' REQUEST
2003年シリア映画 89分
脚本・監督:アブドゥルラティフ・アブドゥルハミド
出演:ファーイズ・カザク、ジャマール・キベシュ、ムフセン・ガージー、マームーン・アル=カティーブ、ニバール・ジャザイリー、イブラーヒーム・イーサー
1969年、シリアにある山村。住民たちの唯一の楽しみは、毎週火曜日、村でただ一人ラジオを持っているアブゥ・ジャマールの家を訪れ、みんなでお気に入りのリクエスト番組を聴くこと。一家は住民たちを歓待するが、彼の長男ジャマールは、恋人のアジーザに逢えることを何よりも心待ちにしていた。果樹園で働くサレフは、番組に何度もリクエストを出していたが、一度も曲がかかったことはなかった。恋人のワジーフィに、リクエストした曲がかかるまでは結婚しないと言われているサレフは焦っていたのだった。アブゥ・ジャマール家には、耳が聞こえずまともに話すことが出来ないサリームがいつの間にか住みつき、夜中までジャマールに相手をしてもらいたがっていた。そんなある日、ジャマールに召集令状が来る。その後、サレフのリクエストした曲がかかるが、果樹園を追い出され、アブゥ・ジャマール家に転がり込む。ジャマールが召集されて以来、意気消沈していたサリームを見かねたアブゥ・ジャマールは、彼を連れて息子の面会に行くが、ジャマールはアジーザ恋しさに隊長に休暇を申し出てすれ違いに村に帰った後だった。
アラブ映画祭2005上映作品。
海外のサイトも含めて情報を探したが、配役が分からない…。
シリア映画を観るのは多分これが初めてだが、カメラワークや演出は洗練されているとは言いがたく、役者陣の台詞回しはアラビア語が分かるわけでもないのに一本調子に感じられるところもあった。
ただ、村人たち全体が醸し出す雰囲気は独特のものがあり、ジャマールとはしゃいだり、ドラム缶に入って転がったりするサリームや、ワジーフィの胸(かなりの巨乳。笑)の匂いを嗅ぎたがるサレフなど個性的なキャラクターが光っていた。
そのように村人たちの様子がユーモラスに描かれていく一方、戦争の影が差し迫ってくる(第三次中東戦争かな?)。
終盤の展開はやや唐突に感じたが、日本映画や韓国映画によく見られるようなあざとさはそこにはない。それが紛れもない現実であり、時には現実は唐突に悲劇をもらたすのだ。
ラスト、爆弾を握り締めたままのサリームの表情が印象的。
★★1/2
