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2015/7/6

『きみはいい子』  映画道

『きみはいい子』

2014年日本映画 121分
監督:呉美保
脚本:高田亮  原作:中脇初枝『きみはいい子』(ポプラ社刊)
撮影:月永雄太  照明:藤井勇  録音:吉田憲義
美術:井上心平  編集:木村悦子  音楽:田中拓人
メインテーマ:ヴァスコ・ヴァッシレフ「circles」
出演:高良健吾(岡野匡)、尾野真千子(水木雅美)、池脇千鶴(大宮陽子)、喜多道枝(佐々木あきこ)、高橋和也(大宮拓也)、富田靖子(櫻井和美)、黒川芽以(匡の恋人・丸山美咲)、内田慈(匡の姉・岡野薫)、松嶋亮太(神田の義父・田所豪)、加部亜門(櫻井弘也)、三宅希空(水木あやね)、浅川蓮(4年2組・神田雄太)、下川恭平(同・大熊)、真鍋和愛(同・清水宇宙)、仁木翔鈴(同・星まどか)、佐々木実琴(陽子の息子・大宮ひかる)、川村あやの(娘・大宮はな)


  


岡野は、桜ヶ丘小学校4年2組を受けもつ新米教師。まじめだが優柔不断で、問題に真っ正面から向き合えない性格ゆえか、児童たちはなかなか岡野の言うことをきいてくれず、恋人との仲もあいまいだ。雅美は、夫が海外に単身赴任中のため3歳の娘・あやねとふたり暮らし。ママ友らに見せる笑顔の陰で、雅美は自宅でたびたびあやねに手をあげ、自身も幼い頃親に暴力を振るわれていた過去をもっている。あきこは、小学校へと続く坂道の家にひとりで暮らす老人。買い物に行ったスーパーでお金を払わずに店を出たことを店員の櫻井にとがめられ、認知症が始まったのかと不安な日々をすごしている。とあるひとつの町で、それぞれに暮らす彼らはさまざまな局面で交差しながら、思いがけない「出会い」と「気づき」によって、新たな一歩を踏み出すことになる―。【公式サイトより】

呉美保監督が坪田譲治文学賞受賞作を映画化。

原作は5篇からなる連作小説で、映画化にあたって3篇が選ばれている。
新米教師・岡野のパート、娘を虐待する雅美のパート、認知症らしきあきこと自閉症の弘也のパートが平行して描かれ、それぞれのパートで登場人物も少しずつ重なっている。ちなみに岡野の先輩教師・大宮拓也と雅美のママ友・大宮陽子は夫婦のようだが、同時に出てくるシーンはない。

児童虐待や学級崩壊など、学校や家庭をめぐる事件には事欠かない昨今だが、教師、児童、保護者とそれぞれの立場が丁寧に描かれている。
中では甥が岡野を抱きしめ、「頑張って。頑張って」と繰り返すシーンがよかった。それをきっかけにして岡野はクラスに「家族の誰かに抱きしめられてくること」という宿題を出すのだが、それまで手もつけられないような状態だった児童たちが翌日、宿題をしてきた感想を報告する。
中にはこれをご都合主義だという人もいるかも知れないが、これはドキュメンタリーではなくあくまでフィクションだ。著者としては、人間、誰しもが抱きしめられることを必要としており、そんな誰かがいる限り、きっと問題は解決するということを描きたかったのであり、そこは問題となるところではないであろう。

前作『そこのみにて光輝く』で突然、化けた感がある呉美保監督が本作でも冴え渡った演出力を見せる。まずなんと言っても子供たちの自然なこと。幼児たちも小学生たちもどうやって演出をつけたんだろうと思うぐらい。高良健吾さんも恐らく子供たちの名前なんかもちゃんと覚えて役に挑んだことが判る。
その他にも空間の切り取り方であったり、余韻の残し方であったり、細部にまでこだわっているのが伝わってくる。シーンとシーンの繋ぎ目にも工夫あり。


★★★1/2

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