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2013/9/30

『夏の終り』  映画道

『夏の終り』

2012年日本映画 114分
監督:熊切和嘉
脚本:宇治田隆史  原作:瀬戸内寂聴
撮影:近藤龍人  照明:藤井勇  美術:安宅紀史  編集:堀善介
音楽:ジム・オルーク  助監督:松尾崇
出演:満島ひかり(相澤知子)、小林薫(小杉慎吾)、綾野剛(木下涼太)、小市慢太郎(知子の夫)、安部聡子(慎吾の妻)、赤沼夢羅(慎吾のファン・マリ)、澤田俊輔、古河潤一、金替康博、牛沼祐司、久野麻子、眞鍋歩珠(知子の娘・禎子)、山本寛奈(道を聞く少女)、吉田碩、高田将利、上野慎一、植村晃、宗川信、伊藤晴美、谷博文、木元寿夫、北風好健、喜田和大、玉岡佳奈、溝尾一男、山下誠、島田博史


   


昭和30年代の暮れ。染色家の相澤知子が帰宅すると、一緒に暮らしている年上の作家・小杉慎吾から、木下という男が訪ねてきたと告げられる。木下とは、知子が結婚していた12年前に出会い恋に落ち、夫と子どもを置いて駆け落ちした相手だった。大みそかの夜、風邪をひいて寝込む知子を小杉は優しく介抱していたが、妻の家へと赴く。小杉には妻子があり、きっちりと週の半分ずつを両方の家で過ごしている。小杉との生活は8年になり、普段は安定した収入を持ち自立していることに自負を持つ知子だったが、このときばかりは寂しさがよぎった。年が明けて快復した頃にかかってきた木下からの電話に、寂しさから、会いにきてほしいと言ってしまう。その日から、小杉が妻の家に行っている間に木下と会い、小杉が帰って来たらいつもの穏やかな日々に戻る生活が始まった。嫉妬に駆られた木下は、こんな関係がいつまでも続けられると思っているのかと問い詰めるようになるが、知子は木下との関係を断つことができないでいた。木下の知子への執着が日に日に増す一方、知子は揺らぎないと思っていた小杉との生活に疑問を持つようになる。ある日、小杉の妻からの手紙を見つけて読んでしまい、そこに込められた妻の愛情に触れてしまった知子は、小杉の妻の家を訪ねる。小杉の妻は出かけており小杉しかいなかったが、家に溢れる二人の生活の生々しさを目にし、知子は逃げるように家を後にする。その後、何事もなかったかのように知子の家に来た小杉は、大衆小説の仕事を引き受けたことを告げる。軽蔑していた仕事をなぜ引き受けたのか責める知子を前に、居場所がないと泣き崩れる小杉。二人ともこの関係に息苦しさを感じていたと気付いた知子は、一から人生をやり直そうと決心する。そして夏の終わり、再出発を切った知子の前に、ある人が現れる……。【「KINENOTE」より】

瀬戸内寂聴さんの自伝的小説を熊切和嘉監督が映画化。

『海炭市叙景』に続いて何だかもうすっかり文芸路線になってしまった熊切監督、昔は『鬼畜大宴会』とか『青春☆黄金バット』とかいかにもなタイトルの作品だったのに(笑)。
冗談はさておき、作品全体のトーンが完成されていて、演出が行き届いている。『海炭市叙景』における函館ほどではないにしても、ロケが行われた淡路島の風景の功績も大きい。

満島ひかりさんは一皮むけた印象。濡れ場らしい濡れ場もないのだが、たとえば知子が彫刻刀でせっせと型をくり抜いている姿だけでも妙な色気がある。
特によかったのが、慎吾の妻と電話で話すシーン。その間合いや声のトーンなどから、結局は本妻には勝てない自分の立場の惨めさを感じていることが伝わってくる。
その後、自分の作品に向かって赤い色のついた水をかけるシーンは、自分自身をも否定するような凄みを感じさせた。


★★1/2

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