芦川いづみさんデビュー65周年記念 DVD10タイトル発売!

2006/9/26

『マッチポイント』  映画道

『マッチポイント』
Match Point

2005年イギリス・アメリカ・ルクセンブルグ映画 124分
脚本・監督:ウディ・アレン
出演:ジョナサン・リス・マイヤーズ(クリス・ウィルトン)、スカーレット・ヨハンソン(ノラ・ライス)、エミリー・モーティマー(クロエ・ヒューイット・ウィルトン)、マシュー・グード(トム・ヒューイット)、ブライアン・コックス(アレックス・ヒューイット)、ペネロープ・ウィルトン(エレノア・ヒューイット)、ミランダ・レーゾン(ヘザー)、ローズ・キーガン(クロエの友人キャロル)、ゾーイ・テルフォード(秘書サマンサ)、マーガレット・タイザック(イーストビー夫人)、コリン・サーモン(イアン)、スティーヴ・ペンバートン(パリー刑事)、ユーアン・ブレムナー(ダウド捜査官)




アイルランド出身で元テニスプレイヤーのクリス・ウィルトンは、ツアー生活にうんざりしてロンドンの会員制テニスクラブでコーチとして働き始める。そこで実業家の息子トムと知り合ったクリスは、オペラ好きということから「椿姫」鑑賞に招かれ、ヒューイット夫妻と妹のクロエに紹介される。やがてクロエと付き合い始めたクリスは、父親の経営する会社に雇用されるが、母親は二人の交際を望ましくは思っていない様子。ヒューイット家のパーティに招かれたクリスは、そこでピンポンをしている魅惑的な女性に出会う。その女性はトムの婚約者で女優の卵のアメリカ人女性ノラだった。お互いに恋人がいながら、惹かれ合っていくクリスとノラ。ある時、交際を反対されていたトムの母親の言葉に傷ついたノラを追いかけたクリスは遂にノラと結ばれる。だが、翌日からノラの態度は一変、トムとの婚約も解消してロンドンを離れる。やがてクリスはクロエと結婚し、トムも別の女性と結婚。トムには子供が生まれるが、クロエはなかなか子供が出来ずに不妊治療を受け続けていた。そんなある日、クリスはテート・モダンでノラに再会し、二人の関係が再燃する。妻に隠れながら密会を繰り返すトムだったが、バカンス先にノラから電話があり、妊娠したと告げられる。

ウディ・アレン監督がニューヨークを離れ、全篇イギリスで撮影したことでも話題の作品。
124分とはウディ・アレン作品にしては異例の長さ(過去最長とか)。
てな情報はともかく。
もうね、完璧。
全篇にわたって流れるオペラやミュージカルの楽曲の使い方なんて痺れるぐらいにうまいし、劇場や美術館、別荘といったシチュエーションが作品全体を格調高くしている。
特に後半の展開のスリリングさと来たら。
わたしゃ画面を見ながらあまりの見事さにニヤニヤしてしまったよ。
個人的には、クリスとクロエが初デートをしたサーチ・ギャラリーを出たところにあるダリ・ユニヴァースの旗や、クリスとノラが再会するテート・モダンといった見覚えのある風景が出てきたのも嬉しかった。

ラストの展開、ノラの隣人イーストビー夫人が強盗に殺害されたと見せかけるために犠牲となるわけだが、どうして罪もない彼女が犠牲とならなければいけなかったのか。
つまり、これはウディ・アレン版『罪と罰』である。
クリスが注釈本と首っ引きで『罪と罰』を読んでいるシーンがあったが、最初は上流階級に話を合わせるために勉強しているのかと思いきや、最後にこう来るとは。
もちろん、原典とは老婆殺しの意味合いが違ってきている。
原典では自らの理論を証明するために金貸しの老婆を殺害し、そこに居合わせた妹をも殺害するが、ここではノラの殺害が本来の目的であり、老婆殺害はあくまでカモフラージュに過ぎない。
そんなことのために殺された老婆がノラとともに幽霊となってクリスの前に現れて彼を責めた時、クリスは戦争でも何の罪もない人が殺されると言い訳をする。これはもちろん、ブッシュ政権に対する当てつけだろう。罪の意識もなく、罰を受けることもないブッシュ大統領。彼は地面に口付けすることなど決してないのだ。
70歳にしてニューヨークを離れてこのような映画を撮るウディ・アレン監督、実に痛快である。

役者陣では何と言ってもスカーレット・ヨハンソンさん!
クリスの台詞にもある通りの官能的な唇!
彼女なくしてこの作品は成立しなかったのではないかとさえ思えるぐらい。
ウディ・アレン監督の次回作「Scoop」にも主演しているそうで、一番メロメロになっているのは監督かもしれない(笑)。
クロエ役のエミリー・モーティマーさんも笑顔がチャーミング。


★★★★
0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ