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2012/9/27

『豚と軍艦』  映画道

『豚と軍艦』

1961年日本映画 108分
監督:今村昌平
企画:大塚和  脚本:山内久
撮影:姫田真佐久  照明:岩木保夫  録音:橋本文雄
音楽:黛敏郎  美術:中村公彦  編集:丹治睦夫  助監督:浦山桐郎
製作主任:森山幸晴  協賛:日産生命
出演:長門裕之(上野欽太)、吉村実子〔新人〕(春子)、南田洋子(鉄次の内縁の妻・勝代)、大坂志郎(星野)、中原早苗(春子の姉・弘美)、小沢昭一(須藤軍治)、三島雅夫(組長・日森)、東野英治郎(欽太の父・貫市)、山内明(崎山)、西村晃(矢島)、殿山泰司(陳)、加藤武(西大八)、丹波哲郎(鉄次)、菅井きん(春子の母ふみ)、武智豊子(エプロン婆さん)、初井言栄(矢島の妻つね)、佐藤英夫(鉄次の弟・菊夫)、城所英夫(陳の部下・王)、高原駿雄(宮口医師)、奈良岡朋子(“チェリィ”のママ)、神戸瓢介(日森組ジョージ)、河上信夫(番外地の警官)、青木富夫(日森組・九郎)、玉村駿太郎(警官)、加原武門(春川駒蔵)、高野誠二郎(喫茶店マスター)、八代康二、須藤孝(白バイ警官)、矢頭健男(日森組・増山)、守屋徹(整備工)、福田文子(患者)、中川一二三(電工会社の女工)、榎木兵衛(養豚業者・大竹)、ジョニー・ユセス(ゴードン)、ロバート・ダンハン、ジョン・ブルーミング、ビル・バッカス、ジョニー・ハリウラ、ジョー・アスリン
中国語指導:陳宏垣


   


米海軍基地。遂に軍艦が入ると、水兵相手のキャバレーが立ちならぶ町の中心地ドブ板通りは俄然活気を呈してくる。ところが、そんな鼻息をよそに青息吐息の一群があった。当局の取締りで根こそぎやられてしまったモグリ売春ハウスの連中、日森一家だ。ゆきづまった日森一家は、豚肉の払底から大量の豚の飼育を考えついた。ハワイからきた崎山が基地の残飯を提供するという耳よりな話もある。ゆすり、たかり、押し売りからスト破りまでやってのけて金をつくり、彼らの“日米畜産協会”もメドがつき始めた。流れやくざの春駒がタカリに来た。応待に出た幹部格で胃病もちの鉄次の目が光った。たたき起されたチンピラの欣太は春駒の死体を沖合まで捨てにいった。「欣太、万一の場合には代人に立つんだ。くせえ飯を食ってくりゃすぐ兄貴分だ」という星野の言葉に、単純な欣太はすぐその気になった。彼は恋人の春子と暮らしたい気持でいっぱいなのだ。春子の家は、姉の弘美のオンリー生活で左うちわだったが、彼女はこの町のみにくさを憎悪し、欣太には地道に生きようと言って喧嘩した。ある夜、豚を食った一家の連中は、春駒の死体をその豚に食わせたと聞き、口をおさえてとび出した。鉄次は血まで吐いた。鉄次の入院で日森一家の屋台骨はグラグラになった。会計係の星野が有金をさらってドロンし、崎山も残飯代を前金でしぼり取るとハワイに逃げてしまった。鉄次の見立ての結果は、ひどい胃癌で三日ももたないという。鉄次は殺し屋の王に殺してくれとすがりついた。欣太とはげしく口喧嘩をした春子は町にとび出し、酔った水兵になぶりものにされた。日森一家は組長の日森と、軍治・大八とに分裂してしまった。両者とも勝手に豚を売りとばそうと企み、軍治たちは夜にまぎれての運搬を欣太に命じた。鉄次の診断はあやまりで、単なる胃潰瘍だったが、それを知る前に王に殺されるのを知って血を吐いて倒れた。欣太は豚をつみこむ寸前に先まわりした日森らにつかまってしまった。豚をのせ走り出す日森のトラック群。それを追う軍治らのトラック。六分四分で手を打とうという日森だったが、欣太はもうだまされないと小型機関銃をぶっ放した。ドブ板通りには何百頭という豚の大群があれ狂った。誰もかも、豚の暴走にまきこまれ、踏みつぶされた。−−数日後、一人になった春子は家出した。基地の町では、相変らず水兵と女と客引きがごったがえしていた。【「キネマ旬報映画データベース」より】

吉村実子さんの映画デビュー作。

タイトルにある「豚」というのは恐らく、アメリカ人の隠喩であろう。
日本は哀しいかな、独立してもなお、アメリカ人とその軍艦に護られている。
いや、護られているというよりは常にその顔色を伺っていなければならない。それは昨今のオスプレイを巡る問題一つ取ってもそうだし、原発ゼロという政府の方針がいとも簡単にひっくり返ったのもアメリカ政府の横槍が入ったせいだろう。
基地のある町ではいかに米軍と付き合っていくかが重要課題となるが、主人公の欣太が所属する日森組は米軍の残飯で豚を飼育するという実に屈辱的な仕事でしのいでいくしかない。だが、豚を利用して利益を上げるつもりが、最後は豚に文字通り踏み潰されてしまう。
そんな中、こんな町から逃れよう逃れようとしていた春子が遂に川崎行きを決意する。最後、アメリカ兵に媚を売る女性たちの群れを抜けて駅へと向かう春子の姿が実にたくましく見えた。
それに比べて人斬り鉄次は自分が癌じゃないかと恐れ、線路に飛び込もうとするも果たせず、情けないばかり。しかも摑まった看板が協賛の「日産生命」って一体どんなギャグだ(笑)。

そんな春子を演じた吉村実子さんは初出演ながらも見事なヒロインっぷり。
長門裕之さんもこの手のチンピラ役はお手のもので、追い詰められてマシンガンを手に豚を解き放つシーンなんかも素晴らしい演技なのだが、全体的に台詞が聞き取りにくかったのが残念。

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