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2012/6/25

『羊の木』  読書道

『羊の木』

原作:山上たつひこ
作画:いがらしみきお
出版社:講談社(イブニングKC)


   


最近は小説家としても活躍する『がきデカ』の山上たつひこさんの原作を、『ぼのぼの』のいがらしみきおさんが作画を担当する作品。こんなビッグネーム同士の組み合わせはそうそうないのでは。

どちらもギャグ漫画で名を馳せた2人だが、本作のテーマはいたってシリアス。
舞台となるのはとある地方都市・魚深市。
その街が刑期を終えた元受刑者を地方都市に移住させる政府の極秘プロジェクトの試行都市となり、市長の鳥原秀太郎は市民には何も知らせずにそれを受け容れることにする。このことを知るのは市長の他には友人の月末一と大塚武のみ。
月末と大塚の迎えで町にやってきたのは、殺人や強姦、詐欺などの犯罪を犯してきた11人。情報誌発行人の頭陀袋穴助は新たにやってきた移住者たちを追いかけ始める。
そんな中、奇祭中の奇祭「のろろ祭り」が始まろうとしていた。
と、ここまでが1巻の内容。

受刑者たちはひと癖もふた癖もあるような人物ばかり。
市長も受け容れは決定したものの、ついうっかり声をかけた元受刑者から自ら捌いた鶏肉を届けられたり、祭りにボランティアで参加している娘の智子が怪我をした別の元受刑者を連れ帰ったりするのを見るにつけ、動揺を隠し切れない。
元受刑者たちの何人かは「のろろ祭り」にボランティアに参加するのだが、そのあたりも何とも知れない不穏さを感じさせる展開で面白い。

タイトルの「羊の木」というのは、市長の家に代々伝わる銅版画に描かれた絵で、初めて綿を見た人たちが羊のなる木を連想したという話に基づく。いわば絵空事ではあるのだが、果たして今回のプロジェクトが羊の木に過ぎないのかいなか。原作は既に完結しているそうだが、どのような結末を迎えるのか興味深い。

なお、1巻には誕生秘話対談を、2巻には過去の「のろろ祭り」にまつわる物語を描いた小説「浜辺」を収録。
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