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2006/8/31

『フラガール』  映画道

『HULA GIRL』 フラガール

2006年日本映画 120分
脚本・監督:李相日  脚本:羽原大介
音楽:ジェイク・シマブクロ
監督補:杉山泰一  撮影監督:山本英夫  美術監督:種田陽平
照明:小野晃  録音:白取貢  編集:今井剛  制作担当:松田憲一良
舞踊振付・指導:カレイナニ早川
出演:松雪泰子(平山まどか)、豊川悦司(谷川洋二朗)、蒼井優(谷川紀美子)、富司純子(谷川千代)、岸部一徳(吉本紀夫)、山崎静代[南海キャンディーズ・しずちゃん](熊野小百合)、池津祥子(佐々木初子)、徳永えり(木村早苗)、高橋克実(早苗の父・木村清二)、三宅弘城(猪狩光夫)、寺島進(借金取り・石田)、志賀勝(小百合の父・熊野五郎)、大河内浩(炭鉱の組合長)、菅原大吉(労務係長・若松浩司)、浅川稚広(フラガールズ・神山愛子)、安部魔凛碧(蔦谷米子)、池永亜美(相馬純子)、上野なつひ(宮田比呂子)、内田晴子(岩田律子)、直林真里奈(内藤恵子)、近江麻衣子(小野寺ひらめ)、楓(小川直子)、栗田裕里(岡本真理子)、田川可奈美(武藤澄江)、千代谷美穂(福田将美)、豊川栄順(柳里子)、中村雪乃(田口ゆき絵)、中浜奈美子(芦屋めい)、山田明郷(小百合の叔父)、及川以造[現・及川いぞう](組合幹部1)、北島義明(組合幹部2)、眞島秀和(バンドマン・徹)、樋口浩二、並川倖大、氏家恵、真山惠衣、濱島直人[現・浦島三太朗]、鈴木寛弥(初子の息子・佐々木太郎)、小野愛莉(早苗の妹・木村好恵)、高橋朗(弟・木村実)、畠みゆう(末の妹・木村美代)、椎名泰三、ふくまつみ、才勝、大久保圭介、杉本凌二、大迫茂生、福沢博史、仲田育史、市原滋、小手山雅、大塩剛、上坂克洋、泉麻奈美、半澤佑子、斉藤和雄、高岡則夫、馬目健夫、相田一彦、小野俊昭




昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町。エネルギーの主役の座を石油に奪われ、閉山が相次ぐ中、炭鉱を閉じてレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」を建設する計画が持ち上がる。紀美子の兄・洋二朗と母・千代も炭鉱で働いており、当然、計画には大反対。そんな中、紀美子は幼馴染の早苗に誘われ、フラダンサーの説明会に出かける。ハワイアンセンターの吉本部長は集まった娘たちにフラダンスの映像を見せるが、初めて見るフラダンスに呆れ返った娘たちは帰ってしまい、紀美子と早苗、それに会社の庶務係で子持ちの初子の3人と、父親に連れてこられた大柄な小百合だけが残る。吉本部長は東京からSKDにもいた平山まどかを招いて、レッスンを受けさせる。


会員になっている映画館の特別有料上映会にて鑑賞。

タイトルやしずちゃんが一人で踊っている予告篇を見て、もっとお気楽なコメディかと思っていたが、全然違った。
『69 sixty-nine』李相日監督が『パッチギ!』羽原大介さんと共同で脚本を執筆。
と言っても在日朝鮮人は一切関係なく、両作品よりちょっと前の昭和40年、福島県いわき市の炭鉱町に建設されたリゾート施設にまつわる実話を基にしている。
炭鉱町を舞台にした実話を基にした作品と言うと『ブラス!』が思い浮かぶが、あちらは炭抗夫がバンドを組むのに対し、こちらは女性たちがフラダンサーを目指す。

まず炭鉱町のロケーションが素晴らしい。
山並からしてどことなく昭和40年の色合いを醸し出している。
昭和40年と言うと高度経済成長真っ只中。
資本主義の論理が小さな炭鉱町を襲い、人々の暮らしは逼迫している。
日本人の生活が楽になる一方で、こうして職を失っていった人たちも確かにいたということを忘れてはいけない。それはまた同時に村社会の消滅をも意味する。
炭鉱に替わって建てられる施設の名称が「常磐ハワイアンセンター」というのが何とも皮肉ではないか。

作品のテイストとしては笑いが随所にあり、決して暗いものではないのだが、時折その現実が突きつけられる。
そのバランスが絶妙で、演出にメリハリが効いている。
例えば紀美子の幼馴染・早苗。
小さな妹や弟にフラダンスの衣裳を見せていると、仕事をクビになって帰ってきた父親にボコボコにされる。ここでの高橋克実さんが久々に“役者”している。
紀美子と早苗の家に駆けつけたまどかは、変わり果てた早苗の顔を見て父親のいる銭湯へと向かい、服を着たまま湯船に入って父親につかみかかる。
結局、新たな仕事を求めて一家は夕張に行くことになるのだが、紀美子は姿を現さない。
やがて早苗を荷台に乗せた軽トラックが出発すると、お約束通り紀美子が追いかけてくる。
もうベタはベタなんだけど、いいんだなこれが。
早苗役を演じた徳永えりさんが実に可愛らしい。どこかで名前に見覚えがあると思ったら『ダンドリ。』でストリートダンサーグループの一人に扮しているとか。今度からちゃんとチェックしよっと(笑)。

センターオープンを間近に控え、各地でフラガールたちの踊りが評判を呼ぶ中、続いて起こるのが落盤事故。それにより小百合の父親が犠牲となる。
「どんな時でも笑顔で」が信条のまどかもこの時ばかりは公演を中止して帰ろうとするのだが、小百合が踊ると言い出す。
しずちゃんの演技はかなり不安要素が強かったが、台詞もあまりなく、思ったほど邪魔ではなかった(笑)。
結局、小百合は父親の死に目に会えなかったため、まどかは住民に批難され、町を去る。
電車に乗り込んだまどかに、向かいのホームの紀美子がフラダンスで感情を伝える。
フラダンスの振りつけにはそれぞれ意味があり、手話的要素があることを利用した実に、実に見事なシーン。

役者陣では何と言っても蒼井優ちゃん。
福島弁がこれほど似合うとは(笑)。
『花とアリス』でも披露したダンスの腕前をここでもいかんなく発揮。たっぷりと魅せてくれる。
ビリングこそ3番目だが、確実に彼女の映画。
松雪さんも決して悪くはないが、ちょっと老けて見えてしまった。
その他、『吾輩は主婦である』のやっちゃんこと池津祥子さん、ヤシの木を暖める三宅弘城さん、彼のためにストーブをかき集める富司純子さん、福島弁でまくしたてる岸部一徳さん等々、周りも手堅い。

とまぁ長々ネタバレしまくりで書き綴ってきたが、とにかく必見!
最終的にはその一語に尽きる(笑)。


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