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2011/9/28

『スリ』  映画道

『スリ』
PICKPOCKET

1959年フランス映画 76分
脚本・監督:ロベール・ブレッソン
撮影:レオンス=アンリ・ビュレル  編集:レイモン・ラミ
美術:ピエール・シャルボニエ
音楽:ジャン・バティスト・リュリ
出演:マルタン・ラサール(ミシェル)、マリカ・グリーン(ジャンヌ)、ピエール・レーマリ(ジャック)、ジャン・ペレグリ(主任警部)、ドリー・スカル(母親)、カッサジ(共犯者1)、ピエール・エテ(共犯者2)、セザール・ガッテーノ(警部)


   


ロンシャン競馬場で、ミシェルは前の女のバッグから金をスリ取った。彼は仕事もなく、母から離れて安アパートで暮している。生れつき手先が器用なのだ。――ミシェルはたちまち捕まった。が、証拠がなく、すぐ釈放された。母にその金を届けた時、階下の娘ジャンヌに会った。小才のきく真面目な友人ジャックに、ミシェルは仕事の世話を頼んだ。ジャックとカフェにいる時、尋問された警部に会った。彼はミシェルに目をつけているらしかった。ミシェルは平常から抱く“盗みの哲学”を話した。その帰りの地下鉄で、ミシェルはスリの犯行を目撃し、ひきつけられた。練習ののち、最初の犯行は成功した。毎日つづけた。時には失敗したが。――本物のスリが彼をアパートの出口で待っていた。見込まれた彼は種種の手口を教えられた。ジャンヌの置手紙がきていた。母が危篤らしい。母はミシェルと久しぶりに再会して間もなく死んだ。教会で涙が出た。1週間後、銀行の前で、最初の共同の仕事をした。――カフェでジャックといたとき、また警部に会った。愛読書『スリの親玉バリントン』を持って訪ねてこいといった。ミシェルは待たされた。警部はスリの話をちょっとしただけだ。その間に、家宅捜査をしたらしかった。盗品は発見されていなかった。――ジャンヌは不幸な娘だった。妻に去られた父と妹たちの面倒をみていた。彼女とジャックと三人で遊園地で遊んだとき、ミシェルは他人の時計が気になった。二人のいぬ間に、時計をスリ取り、追われ、傷ついて帰った。ジャックはなにかを察したようだ。立去る彼に、ジャンヌを愛しているんだろうとミシェルは浴びせた。――駅では、三人で組んで稼いだが、二人のスリ仲間が捕まった。それに、ジャンヌが警察に呼ばれた。ミシェルは彼女を訪ねた。彼は独居するとき母の金を盗んだのだ。母は知らずに訴え、すぐ取り下げた。それと競馬場でのスリ以来、警察は彼に目をつけていたのだ。急に出発の気分が彼を襲った。彼を愛しているジャンヌをふりきり、ミシェルはミラノへ発った。それから英国へ渡り、二年間、スリの生活をした。彼はまた帰ってき、例のアパートの部屋へ立ち寄った。ジャンヌが子供とそこで暮らしていた。ジャックに捨てられたのだ。彼は更生を誓い、しばらくは真面目に働きジャンヌを助けた。が、競馬場で、警察の罠にかかり、捕まってしまう。刑務所にジャンヌが面会にきた。当りちらした。が、三週間後、子供の病気が治った後に来たジャンヌと、彼は鉄格子ごしに抱きあった。《君にあうために、どんなに廻り道をしてきたことか》。【「キネマ旬報映画データベース」より】

今年、《ロベール・ブレッソンの芸術》としてニュープリント版が上映されている作品をWOWOWにて視聴。

主人公のミシェルは、ドストエフスキー『罪と罰』のラスコーリニコフよろしく有能な人間には特権があり、多少は法を犯しても構わないという考え方の持ち主。ラスコーリニコフとミシェルが大きく違うのは、彼には人殺しなどという大それたことをする考えは端からなく、法を犯すといってもせいぜいがスリという点。

76分という短さのせいもあってか、ところどころ説明不足な面もあった。
その最たるものがミシェルとジャンヌの関係だが、ろくに言葉を交わしたわけでもないのに惹かれあっていることになっている。それはまだいいとしても、ロンドンから戻ってきたミシェルが堅気になると誓った途端にスリで捕ってもなお、ジャンヌが拘置所に逢いに行く神経がよく分からない。そもそも2年間もパリにいなかったミシェルに警察が罠をかけるかという疑問も残るが…。
ジャンヌ役のマリカ・グリーンさんはスウェーデン出身で本作がデビュー作。

また、スリのシーンがドキュメンタリータッチなんていう評もあったが、いくら何でもそこまで正面向かって接近していたら怪しすぎるだろうとか、そんな都合よく目の前を行ったり来たりする人物の胸ポケットから財布を抜いたり戻したりできるかよとか、動きとしては決して自然ではない。
それでもカメラワークやアングルでそれなりの緊迫感を出すことに成功しているのは、ブレッソン監督の演出の手腕によるものだと言える。

実際、フランスにはスリが多いらしいので、旅行に行く際は気をつけて。

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