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2011/9/26

『未来を生きる君たちへ』  映画道

『未来を生きる君たちへ』
HÆVNEN/IN A BETTER WORLD

2010年デンマーク・スウェーデン映画 118分
原案・監督:スサンネ・ビア
原案・脚本:アナス・トマス・イェンセン
撮影:モーテン・ソーボー  音楽:ヨハン・セーデルクヴィスト
出演:ミカエル・パーシュブラント(エリアスの父アントン)、トリーネ・ディアホルム(母マリアン)、ウルリク・トムセン(クリスチャンの父クラウス)、ウィリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン(クリスチャン)、マルクス・リゴード(エリアス)、トーケ・ラース・ビャーケ(エリアスの弟モーテン)、シモン・マーガード・ホルム(ソフス)、ウィル・ジョンソン(アントンの通訳ナジェーブ)、マルティン・ブッシ(担任ニールス)、アネッテ・ストゥーヴェルベック(教師ハンネ)、ビアテ・ノイマン(マリアンの同僚)、キム・ボドニア(自動車整備工ラース)、ルーカス・O・ナイマン(ラースの息子)、リッケ・ルイーセ・アナソン(ラースの妻)、オディーゲ・マシュー(ビッグ・マン)


   


デンマークに家を持つスウェーデン人医師のアントンは、アフリカの地に赴任し、キャンプに避難している人々の治療を行っている。様々な患者の中には、妊婦の腹を切り裂く悪党“ビッグマン”の犠牲者もいた。母マリアンと幼い弟のモーテンと暮らしているエリアスは、毎日学校で執拗なイジメにあっていた。父親のアントンが大好きなエリアスはその帰国を喜ぶが、両親は別居中である。ある日、母親の葬式を終えてロンドンから転居してきたクリスチャンが、エリアスのクラスに転校してくる。その放課後、イジメっ子のソフスにエリアスは絡まれ、クリスチャンも巻き添えを食らう。翌日、クリスチャンはソフスを殴り倒し仕返しをする。ソフスの怪我が表沙汰になり、呼び出された父親クラウスは、報復にはきりがないと諭すが、クリスチャンはやり返さなきゃだめだと口応えする。帰国したアントンが、子供たちとクリスチャンを連れて出掛けた帰り、モーテンがよその子と公園でケンカになった。割って入ったアントンだが、駆け寄って来た相手の子の父親に、理由も訊かれずに殴られてしまう。明くる日、クリスチャンとエリアスが、自分を殴った男ラースの職場を割り出したことを聞いたアントンは、子供たちとラースの職場を訪れる。殴った理由を問いただすアントンを、ラースは再び殴るが、アントンは決して手を出すことなく、屈しない姿を子供たちに見せた。帰り道、殴るしか能のない愚か者だとラースを評するアントンに、エリアスとモーテンは同調するが、クリスチャンは報復しなかったアントンに納得がいかない。アントンがアフリカへと戻った後、祖父の作業場で大量の火薬を発見したクリスチャンは、爆弾を作ってラースに復讐しようとエリアスに持ち掛ける。一方、アフリカのキャンプでは脚に怪我を負ったビッグマンがやって来る。アントンは周囲に反対されながらもビッグマンの治療を行うのだが…。【公式サイトより】

アカデミー賞およびゴールデン・グローブ賞の外国語映画賞をW受賞したスサンネ・ビア監督作品。

思えば10年前、9・11同時多発テロの際、アメリカは暴力に対して暴力で報復することを選んだ。果たしてそれで世界は平和になるのか。スサンネ・ベア監督はそんな根源的な問いを突き詰める。

デンマークでは、気弱な少年エリアスが学校でいじめを受けている。そこへ転校してきたクリスチャンは巻き添えを食らい、いじめっ子のソフスに自転車のチューブで殴りかかって復讐を果たす。
一方、エリアスの父でスウェーデン出身の医師アントンは、子供同士の喧嘩を止めようとして、子供の父親に「俺の子供に触るな」と殴られるが、決して反撃はしない。それどころか、その男を恐れているわけではないと見せるため、男が営む自動車整備工場に赴き、殴った理由を問い質す。またしても殴られながらも、その男が殴るしか脳のない男だと子供たちに諭す。
ここでのお父ちゃんがとにかくカッコいい!

その後、アフリカに戻ったアントンは、脚に怪我をして運ばれてきた悪党の親玉ビッグ・マンに対し、兵器と車をキャンプから出せば治療をしてやると請け負う。キャンプの住民たちはそのことに不満を覚えるが、アントンは自らの職務を全うしようとする。
ところが、ビッグ・マンの発言に激怒したアントンは、すぐさまここから出て行くようにと追い払う。脚の自由も効かず、倒れこんだビッグ・マンに一斉に襲い掛かる住民たち。
ここのシーンはアントンの苦悩が伝わってきて実にやりきれない。

そんな中、クリスチャンはエリアスを巻き込んで、倉庫で見つけた火薬を使って爆弾を作り、アントンを殴った男ラースの車を爆破しようと企む。ところがそこへ母子が通りかかったため、助けに入ろうとしたエリアスが大怪我を負う。
ここなどは暴力に対する暴力が完全に裏目に出てしまった例。
アフリカから帰国したアントンは、港の倉庫の屋上から身を投げようとしていたクリスチャンを止めて許しを与える。きっとクリスチャンは暴力では何も解決しないことを学んだが、世の中にはラースやビッグ・マンのような人種がごまんといる。映画自体は多少、希望が感じられるような終わり方はしているが、現実に目を向けるとそう楽観的ではいられなくなってしまうのも事実。無邪気にジープを追いかけるアフリカの子供たちが、まともに食べられてまともに教育を受けられるような日がいつになったら来るのだろうか。

ちなみに原題は一見、「天国」かと思いきや「復讐」という意味。なるほど。


★★★1/2

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