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2011/8/25

『おじいさんと草原の小学校』  映画道

『おじいさんと草原の小学校』
THE FIRST GRADER

2010年イギリス映画 103分
監督:ジャスティン・チャドウィック
脚本:アン・ピーコック
撮影:ロブ・ハーディ  編集:ポール・ナイト
美術:ヴィットリア・ソグノ  衣裳:アオフィー・オプリサノ
音楽:アレックス・ヘッフェス
出演:ナオミ・ハリス(ジェーン・オビンチェ)、オリヴァー・リトンド(キマニ・ナンガ・マルゲ)、トニー・キゴロギ(チャールズ・オビンチェ)、アルフレッド・ムニュア(アルフレッド先生)、ショキ・モガパ(エリザベス先生)、ヴュシ・クネネ(キプルト氏)、カマウ・ムバヤ(生徒カマウ・チェゲ)、イスラエル・マコー(父デイヴィッド・チェゲ)、ルワンダ・ジャワー(若き日のマルゲ)、エミリー・ニョキ(マルゲの妻)、ハンナ・ワセラ(マルゲの娘)、ダン・“チャーチル”・ンダンブキ(DJマーシャ)


   


政府が、すべての人を対象に無償教育をスタートさせた2003年のケニア。このニュースをラジオで耳にした84歳のマルゲは、自らも教育を受けるべく、新聞の切り抜きを手に地元の小学校へやってくる。何百人もの子供たちが押しかけるなか、校長のジェーンに「学びたい」という思いを伝えるマルゲ。だが、同僚の教師アルフレッドは、生徒となるには鉛筆2本とノート1冊が必要なことを告げ、老人を追い払う。翌日も再び小学校に現れたマルゲは、ジェーンに大統領府から送られた1通の手紙を見せ、文字を学び、自分の力で読みたいと訴えるが、またもや門前払いされてしまう。しかし、マルゲは諦めなかった。ズボンの裾を他の子供たちのように切り落とし、再び門の前に立ち続ける彼の情熱に心動かされたジェーンは、ついに周囲の反対をよそにマルゲの入学を許可し、自分のクラスに受け入れる。80歳近く年の離れた同級生たちと机を並べ、初めて学ぶことの楽しさを体験するマルゲ。しかし、50年前の過去はトラウマとなって彼を苛み続けた。マウマウ団の戦士としてケニア独立のため戦い、愛する妻子や仲間を目の前で虐殺され、強制収容所で拷問にかけられた日々…。誰よりも自由の価値を知るマルゲは、子供たちに自分がかつて戦士だったこと、そして“自由”という言葉の意味、重さを教える。その頃、マルゲが教育を受けることに、周囲から反対の声も巻き起こるようになっていた。その矛先は、当然マルゲ本人にも向けられた。そして老人が小学校に通っているという話は、瞬く間にラジオで広まり、学校の調査官キプルト氏の耳にも入ることに。マルゲの勉強を続けさせるため、ジェーンはナイロビの政府で働く夫のチャールズに助けを求める。しかし、逆にたしなめられ、ついには教育委員会に直接足を運び、マルゲの受入れ容認を嘆願するも、申し立ては却下。マルゲは成人向けの教育センターへと移ることになってしまう。しかしそこは、学ぶ意欲のない者ばかりが集まる、ただの容れ物だった。学ぶことを諦めきれないマルゲは、ジェーンの元を訪れる。そんな彼の姿をみて、ジェーンはあることを思いつく。それは、マルゲに自分の助手になってもらい、一緒に授業に参加することだった。再び教室に戻ったマルゲ。この噂は瞬く間に広まり、ついには世界各国からマスコミが大挙して押し寄せ、マルゲは一躍時の人に。そして、マルゲの名声を利用しようと企む政治家も現れ、平穏だった小学校は混乱の場と化していく。その様子に、子供を学校に通わせる親たちの反感はさらに強まり、ジェーンも金のための売名行為と疑われ、脅迫まがいの嫌がらせを何度も受けることに。その状況がキプルト調査官の知ることとなり、ついにジェーンは遠方の学校に異動となってしまう。学校に新しい教師がやってくる日。しかし、子供たちは校門に鍵をかけ大人たちを受け入れず、一方、マルゲはただ一人、首都ナイロビの教育省に向かう。そこで彼は、審議会のメンバーを前に、かつてイギリス軍の拷問によって負った身体の深い傷を見せるのだった。マルゲの働きかけによって、小学校に復帰したジェーンを温かく迎える子供たち。そして、マルゲは例の手紙をジェーンに差し出す。そこには、彼が収容所で過ごした長き時間を補償する旨が書かれていた。【「CINEMA TOPICS ONLINE」より】

“世界最年長の小学生”としてギネスブックにも載ったキマニ・ナンガ・マルゲさんを描いた実話に基づく物語。

実話モノでBBC製作、これはもう手堅いところ。
私なんぞおじいさんが最初に小学校に向かう姿を見ただけで、それまでの84年間、この人は一体どういう人生を送ってきたのだろう、何が彼を小学校に向かわせるんだろうと想像して(詳しくはその後に語られるわけだが)、うるっときてしまった。
マルゲがキクユ族の出身で、イギリスからの独立運動に関わったマウマウ団の兵士だったという点も物語に深みを与える。ただ単に貧しくて教育を受けられなかっただけではなく、イギリス軍に妻子を殺され、自らも拷問を受けたマルゲ。

そんな彼が小学校に通おうと思ったのは、文字が読めるようになりたいため。
小文字の"a"ひとつ書くのにも、先生に教わった通りに繰り返し練習するマルゲの姿には学ぶ喜びが溢れていて、まるで『スクール★ウォーズ』で漢字帳に「花」をいくつも書いていた内田のよう(喩えが古いよっ)。
数字の"5"がいつも逆になってしまうカマウに正しい書き方を教えるあたりも微笑ましい。他の子供たちも実に生き生きとしていて、飛んだり跳ねたり走ったり、一体どうやって演技をつけたんだろうと思うほど。
ただ、大統領府からの手紙を読むのが目標だったにもかかわらず、最後には「難しくて読めない」と先生に読んでもらうのはちょいと拍子抜け。だったら最初からそうしろよ(笑)。

なお、実在のマルゲさんは2009年に89歳で亡くなったとのこと。
彼にとっては教育を受けること=自由の証。日本では教育を受けることが当たり前になりすぎて様々な問題が噴出しているが、改めて教育を受けられることのありがたみを教えてくれたような気がする。


★★★

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