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2011/8/7

『父と暮せば』  映画道

『父と暮せば』

2004年日本映画 99分
脚本・監督:黒木和雄
原作:井上ひさし  脚本:池田眞也
撮影監督:鈴木達夫  美術監督:木村威夫  音楽:松村禎三
照明:三上日出志  録音:久保田幸雄  美術:安宅紀史
編集:奥原好幸  効果:帆苅幸雄
出演:宮沢りえ(福吉美津江)、原田芳雄(福吉竹造)、浅野忠信(木下正)


   


1948年夏、広島。原爆によって目の前で父・竹造を亡くした美津江は、自分だけが生き残ったことに負い目を感じ、幸せになることを拒絶しながら生きている。そんな彼女の前に、竹造が幽霊となって現れた。実は、美津江が青年・木下に秘かな想いを寄せていることを知る竹造は、ふたりの恋を成就させるべく、あの手この手を使って娘の心を開かせようとするのだが、彼女は頑なにそれを拒み続けるのだった。しかし、やがて美津江は知るのである。瓦礫の下から助け出そうとする自分を、なんとしても逃がそうとした父の想いを。自分の分まで生きて、広島であったことを後世に伝えて欲しいという父の切なる願いを。こうして、美津江は生きる希望を取り戻し、それを見届けた竹造は再びあの世へと帰って行くのだった。【「キネマ旬報映画データベース」より】

黒木和雄監督による《戦争レクイエム三部作》完結作。

劇場公開時以来、7年ぶりの鑑賞となるが、その時より深く心に染み渡った。
元は井上ひさしさんによる二人舞台だが(舞台版には木下の登場シーンはなし)、66年前の8月6日、原爆によって亡くなった人、それを生き延びた人すべての人々の物語がこの父と娘の2人に収斂されている。何とも見事な戯曲と舌を巻くしかない。
もちろん映画的な効果もあり、それは例えばラスト、父親を見送った娘のバストショットの後、カメラが天井に向かってパンをするとそこには原爆ドームの屋根。こういったところにも、これは広島のすべての人々の物語だという思いが込められている。

原爆で亡くなった父親は、生き残ったことに罪悪感を持ち、木下という若者への胸のときめきを押し殺そうとしている娘の前に現れ、恋の応援団長を買って出る。父親としては娘に幸せになってもらいたい、自分や親友の分まで生きてもらいたいという思いももちろんあるのだが、それ以上にこの悲劇を二度と繰り返さないため、末代まで伝えてもらいたいと願っている。
それはとりもなおさず、作者自身の思いでもあったことだろう。

失念していたが、木下の出身地は岩手。
井上ひさしさんがもう1年長く生きていたら、今回の東日本大震災についてどのように語り、またどんな作品へと昇華してくれただろうと思うと改めてその死が惜しまれてならない。
しかしわずか7年前の作品だというのに、監督、原作者、主演男優が鬼籍に入ってしまうとはなぁ…。

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