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2011/3/30

『恋する彼女、西へ。』  映画道

『恋する彼女、西へ。』

2007年日本映画 102分
監督:酒井信行
原作・脚本:田渕久美子
撮影:渡邊伸二  美術:犬塚進  編集:園井弘一
音楽:門倉聡  エンディングテーマ曲:木村充揮「小さな花」
出演:鶴田真由(杉本響子)、池内博之(矢田貝亨)、小林桂樹(矢田貝亨)、辰巳琢郎(高田課長)、金田龍之介(地主・殿山徳兵衛)、かとうかず子(質屋店主・近藤佐和子)、山口馬木也(響子の元恋人・黒川徹也)、徳井優(忘れ物センター職員・渡辺)、小林正寛(後輩社員・山下)、七森美江(平和公園のガイド)、村杉蝉之介(鉄道マニア)、顔田顔彦(同)、高嶋宏行(同)、赤澤輝美、安井真理子(黒川の恋人ヨシコ)、南条好輝(医師)、伊藤えん魔(響子に絡む若者)、杉本大佑(同)、足立寛和(同)、川鶴晃裕(ラジオ局アナウンサー)、谷口友香(矢田貝の母)、金子珠美、池田勝志、嗚呼嗚呼主水、濱田嘉幸、まりの、俵安佐雄、中本真吾、山田由美子、松本重訓、平井健


   


東京の建築設計会社に勤務する33歳のキャリアウーマン、杉本響子は失恋の痛手からか仕事もうまくいかない。そんな時、後輩男性社員の尻拭いで広島に出張することになる。8月3日。照りつける日差しの下、響子は突然、「ここはどこですか?」と若い男に話しかけられる。短髪で長身、白い海軍服を着たその男の名は矢田貝亨といった。あまりにも時代錯誤な矢田貝に関わりを持ちたくないと思った響子はその場を去ろうとするが、バイクと接触事故を起こした矢田貝を病院に連れていく。響子は彼の治療費を支払って帰ろうとするが、なぜか矢田貝のことが気にかかるのだった。矢田貝は、昭和20年8月6日の原爆投下の歴史的遺産、原爆ドームを見て錯乱状態になっていた。その夜、泊まる場所がないという矢田貝を、響子は自分のホテルの部屋に泊める。矢田貝は、昭和20年の8月3日、母の見舞いで病院に行くために、広電に乗り、眩しい光を感じた瞬間、60年後の現代へタイムスリップしたようだと響子に語る。その翌日、響子は慰問袋の落し物の新聞記事を見つけ、広電の忘れ物センターへ向かうと、それは間違いなく60年前のものであった。その後、記念イベントで走っている旧型の広電に乗った響子は、車内で再び60年前の外食券を見つける。翌5日。戦前の車両と新型車両がすれ違う時に出来るひずみによってタイムスリップすることを確信した響子は、矢田貝の言葉をようやく信用するが、次第に彼のことが気になり出し、やがてお互いに意識するようになっていった。ところが、響子の口から歴史の事実を聞きながらも、女子供を助けるために過去へ戻ろうとする矢田貝の決心は固かった。そして翌6日、運命を変えられないジレンマに悩みつつ、矢田貝は再び広電に乗り込むのだった……。【「キネマ旬報映画データベース」より】

広島を舞台に明るい話をというコンセプトで製作された作品。
「戦後60年」ということで撮影は2005年だが、広島で先行公開されたのが2007年、全国公開は2008年。

さすがは大河ドラマ『江 姫たちの戦国』の田渕久美子さん原作・脚本だけあって、結構な珍作ぐあい。
ヒロインが60年前から来たという軍人・矢田貝亨の話をどこで信じたのかが今ひとつ腑に落ちないが(慰問袋の落し物だけでは証拠になりえない)、失恋した直後ということもあってか、矢田貝が60年前に戻る手助けをする。その方法というのが、記念イベントで走っている戦前の路面電車と最新型の路面電車がすれ違う際に生じるひずみでタイムスリップするというもの。
まぁそれはそれでいいとしても、その論理で行けば毎日のように物や人が60年前に送られることになるし、矢田貝が昭和20年から現代に来た説明にならないと思うのだが…。
また、響子は昭和20年の新聞を調べ、1975年、広島東洋カープが優勝した際に発売された人形が広電から見つかったという記事を見つけ、自説が正しいことを確信する。なぜその人形が自分たちの送ったものだと分かるのかというと、「勘なのよ勘、女の勘」だそうな(笑)。その人形も元から自分が持っているというのならともかく、わざわざ質屋で5万円も出してつじつま合わせをするあたり、女の勘に付き合うのも大変だ。

もっとも、本作においてはそうしたタイムスリップは二の次。大事なのはラブストーリーなのかも知れないが、そちらの方も展開が急で面食らってしまう。
夜中の川(?)に入ってのキス、光の中で重ねられる手と手(キャー。古典的)、そして恍惚とした表情を浮かべるヒロインに身体を重ねる男……。バックには大仰な音楽がつけられてこれでもかと盛り上げる。
しかし運命の人が60年前の人とは皮肉以外の何物でもないな。

とりあえずこの映画の価値としては、旧・広島市民球場が映されていること。
それから小林桂樹さん、金田龍之介さんの晩年の演技が味わえることぐらいか。

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