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2011/1/31

『600万のクリップ〜ホロコーストを学ぶ〜』  映画道

『600万のクリップ〜ホロコーストを学ぶ〜』
Paper Clips

2004年アメリカ映画 82分
脚本・監督・製作:ジョー・ファブ  監督:エリオット・バーリン
撮影:マイケル・マートン  編集:ジュリア・ディクソン・エディ
音楽:チャーリー・バーネット
出演:リンダ・フーパー(ホイットウェル中学校校長)、デイヴィッド・スミス(副校長)、サンドラ・ロバーツ(8年生担任)、ペーター・シュローダー(ジャーナリスト)、ダグマー・シュローダー=ヒルデブラント(妻)、ケーシー・コンドラ(生徒)、キャシー・クラブツリー(同)、ドルー・シャドリック(同)、テリー・リン(同)、トム・ボズリー(俳優)、ディタ・スミス(ワシントン・ポスト記者)、パトリック・マーティン(郵便局長)、シェイラ・グルック・レヴィン(ホロコースト生存者)、ベルナール・イゲルスキー(同)、ラケル・グレイトマン(同)、サムエル・シトコ(同)、ジョー・グラーベザク(同)、メアリー・ジェーン・ヒグドン(聴衆)、リンダ・ピケット(芸術家)、ジョージ・ジェイコブズ(生存者)


  


アメリカ、テネシー州ホイットウェル。1998年、人口1600人のほとんどが白人の町にある中学校で、副校長のデイヴィッド・スミスは第2次世界大戦中のユダヤ人迫害についての授業を計画する。リンダ・フーパー校長も了承のもと、サンドラ・ロバーツが受け持つ8年生のクラスで授業が始まる。600万人という犠牲者の数がピンとこないという生徒に校長は何かを600万集めることを提案。生徒たちはノルウェーで反ホロコーストの象徴としてクリップが用いられていたことを知り、他校や著名人に手紙で呼びかけて600万のクリップを集め始める。始めはなかなか集まらなかったが、活動を知ったドイツ出身のジャーナリスト、シュローダー夫妻の記事や新聞・テレビで紹介されたことにより、2400万のクリップと2万5千通の手紙が届けられる。2001年、ニューヨークにあるホロコースト生存者の会が中学校を訪問し、生徒たちと交流する。生存者の話を聞き、生徒だけではなく教師の意識も変わり始める。その後、シュローダー夫人がユダヤ人を運ぶ際に使われた貨車にクリップを展示することを発案。夫妻はドイツ中を探して貨車を見つけ出し、航路と陸路で1ヶ月以上かけてホイットウェルに運ぶ。住民の協力も得て11月9日に記念館がオープン。貨車にはユダヤ人の他、ナチスに殺された同性愛者やジプシーなどの分を含めた1100万のクリップが展示された。

「松嶋×町山 未公開映画祭」配信作品。

クリップを600万集める。いたって単純に見えるこの活動がこれほど意義深いものになるとは、誰一人想像していなかったことだろう。
大量に集められたクリップは何も知らない人が見れば、ただのモノでしかない。だが、その1つ1つが人間であり、しかも惨たらしく殺された命だと想像することにより、とてつもなく重みのあるものになる。
この計画がほとんど白人しかいない南部の町で行われたというのも興味深い。
ホロコーストの実態を知るにつれ、提案者の副校長も自らの差別意識を痛感し、学生時代、黒人の親友の前で平気で差別語を使っていたことを恥じる。
このように生徒だけではなく、教師や町の人々の意識さえも変えてしまったところがこの計画の素晴らしいところであり、今まで知らなかったことを学ぶことの大切さも教えてくれる。

貨車が陸路で運ばれていく際、2001年9月11日の日付が表示されるのは偶然ではないだろう。小さな町の人々が戦争の悲惨さを訴える活動をしている一方で、国がまた新たな戦争を始めるきっかけとなる事件が起きるとは何とも皮肉。

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