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2010/10/29

『スープ・オペラ』  映画道

『スープ・オペラ』
SOUP OPERA

2010年日本映画 119分
監督:瀧本智行
脚本:青木研次  原作:阿川佐和子
撮影:柴主高秀  美術:若松孝市  編集:高橋信之
音楽:稲本響
出演:坂井真紀(島田ルイ)、藤竜也(トニー・田中十二夫)、西島隆弘(林康介)、加賀まりこ(トバちゃん・楢崎藤子)、萩原聖人(水谷医師)、鈴木砂羽(奈々子)、平泉成(小説家・井上豪)、嶋田久作(倉木編集長)、余貴美子(トニーの妻・田中康子)、塩見三省(図書館長)、菅原大吉(タロット占い・石橋教授)、田山涼成(肉屋・吾妻屋主人)、草村礼子(隣人・柏木夫人)、品川徹(バス発車係)、田村三郎(大谷教授)、森下能幸(見合い相手・笹島)、入江若葉(笹島の母)、コミアーナ鈴木(井上豪の妻クリスチーナ)、北村海歩(5才のルイ)、京谷弘司(バンドネオン)、稲本渡(クラリネット)、立花純平(ヴァイオリン)、リアン(ノラ猫)


   


古びた一軒家に暮らす30代独身女性のルイと叔母のトバちゃん。トバちゃんは生まれてすぐに母親を亡くしたルイの母親代わり。今日も夕食の支度を始めると鶏がらスープのいい匂いが漂ってくる。だがある日、トバちゃんが還暦を前に水谷医師と恋に落ちて、突然家を出て行ってしまう。独りになったルイの前に現れたのは、見知らぬ中年男。田中十二夫、トニーと名乗るその男は、勝手に庭でキャンバスを広げて絵を描いていた。ルイに追い返されても、数日後には再び現れた。その一方で、出版社勤務の親友、奈々子に誘われ、人気作家、井上豪とのディナーに同席することになるルイ。そこで出会ったのがバイトの康介。康介に送られて帰宅したルイは、庭から出てきたトニーと出くわす。翌日。ルイが仕事から戻ると、なぜかトニーと康介が仲良く夕飯の準備。鶏がらスープのおいしさに感激した康介が思わず“ここ住んでみたい”と口にすると、“住もうよ”とトニー。こうして3人の共同生活が始まる。ところが、ルイに見合い話が持ち込まれたり、離婚の危機を迎えていたトニーの妻が訪ねてきたと思ったら、康介が仕事をクビになって帰ってきたりと、てんやわんや。そして、肉屋で働き始めた康介が商店街の人気者になった頃、水谷医師が自転車で転んで骨折したため、トバちゃんが北海道から帰ってくることに。そっと出ていくトニー。 2人きりで気まずくなったルイは康介と居酒屋に出かけるが、康介から“好きだ”と告白されてしまう。余計に気まずくなった康介が出て行ったところに、ひょっこり帰ってくるトニー。ある朝、ルイはトニーに亡くなった母の話をする。だがそれは、何かを知りたいということではなかった。大切な人たちのぬくもりを感じること。一緒にいた時間や距離に関係なく、大切な人たちはいる。ルイには、小さな頃から元気の素だった鶏がらスープもある。彼女の顔には、柔らかな光が浮かんでいた。【「キネマ旬報映画データベース」より】

阿川佐和子さんの同名小説を瀧本智行監督が映画化。
配給会社プレノンアッシュが初めて製作を手がける。

本作はいわば“奇妙な共同生活もの”(そんなジャンルあるのか)だが、奇妙を通り越して異常ですらある。30代の独身女性が庭に不法侵入していた初老の画家と、人気作家主催の夕食会で会っただけの出版社のバイトくんを何のためらいもなく受け容れてしまうのだから。
この非現実的な同居がさほど異常に映らないのは、個々のキャラクターが絶妙な匙加減(スープだけに)で存在しているからだろう。もちろん演じている役者陣の功績も大きい。
また、時折差し挟まれる朽ち果てたメリーゴーラウンドの前で演奏する楽団のカットが、この物語の世界観を構築することに成功している。
してみると、ルイが終盤にみんなが集まってメリーゴーラウンドが動き出すという夢を見るが、ひょっとしてトニーも康介も夢の中の存在だったのかな?
最後に一人でスープを飲むルイの表情も、独りで生きていくことを受け容れたようにも見えるが、これからの出会いを期待させるようにも見えた。

主要キャストをはじめ、脇役陣も充実。
加賀まりこさんも可愛らしい。かなりの年下との結婚という点においては、『オカンの嫁入り』の大竹しのぶさんよりよっぽど説得力がある(笑)。
平泉成さんだけは人気小説家には見えなかった…。


★★1/2

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