芦川いづみさんデビュー65周年記念 DVD10タイトル発売!

2010/9/30

ドラマW『なぜ君は絶望と闘えたのか』  鑑賞道

ドラマW『なぜ君は絶望と闘えたのか』(前編・後編)

2010年9月25日・26日 WOWOW 各100分
監督:石橋冠
脚本:長谷川康夫、吉本昌弘
原作:門田隆将『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』(新潮社刊)
撮影:山下悟、門田健  編集:富永孝  音楽:吉川清之
出演:江口洋介(北川慎一)、眞島秀和(町田道彦)、ミムラ(山下真紀子)、高橋克実(編集長・小口隆志)、木村多江(外科医・西森有紀)、小澤征悦(報道ディレクター・東野茂樹)、市毛良枝(佳織の母・佐々木和子)、井川比佐志(弁護士・横沢昭雄)、佐藤B作(道彦の上司・岡本昌治)、草笛光子(有紀の伯母・高橋広江)(1)、西岡徳馬(担当刑事・原島壮吉)(1)、山本圭(差し戻し控訴審裁判長・前田)(2)、益岡徹(被告弁護団・高岡泰史)(2)、柄本明(弁護士・吉崎実)[特別出演](2)、井川遥(客室乗務員)(2)、田口浩正(山口地裁担当検事・酒井幸雄)、甲本雅裕(刑事)(1)、田山涼成(山口地裁職員)(1)、角替和枝(町田早苗)、北見敏之(町田義孝)、勝部演之(広島高裁裁判長・宗永)(2)、矢島健一(差し戻し控訴審検事・春日)(2)、志賀廣太郎(山口地裁裁判長・寺尾)、中島久之(2)、利重剛(2)、田中実(2)、大河内浩(2)、徳井優(犯罪被害者の会・中野公三)、石塚義之[アリtoキリギリス](同・落合和久)、藤間宇宙(秋山譲)、日野陽仁(2)、冷泉公裕(2)、戸田昌宏、谷川昭一朗、津田健次郎(2)、片岡富枝(犯罪被害者の会・飯田雅子)、田中こなつ(町田佳織)、秋葉月花(町田夏海)、小林優斗(少年時代の秋山譲)、本村壮平(2)、土屋裕一、向野章太郎、市村直樹、木村知幸(山口地裁職員)(1)、大畑佳子(1)、朝比奈孝二(1)、脇内圭介(1)、青木一(1)、金子ゆい(1)、大櫛エリカ(1)、南好洋、堤匡孝、吉村玉緒、佐々木なふみ、田中大士(WOWOWアナウンサー)(2)、中島そよか(WOWOWアナウンサー)(2)、大波誠(2)、ともさと衣(2)、田島俊弥(2)、浅里昌吾(2)、小林櫂人(2)、古賀プロ、TDCアカデミー、STORM RIDER、北九州市民のみなさま、とちぎフィルム応援団(2)、読売理工医療福祉専門学校


   



<前編>1999年夏。「週刊潮流」記者の北川慎一は、無惨にも18歳の少年に妻子を奪われた青年、町田道彦の取材へ山口県光市へ足を運んだ。まだあどけなさの残る青年の目は、計り知れない絶望と怒りに満ちていた。妻子を奪った少年は、法律によって手厚く守られている。しかし被害者の心の傷は生涯癒えることはなく、国や司法から蔑ろにされている。町田は、無念と孤独に押しつぶされそうになっていた。そんな町田の激情に触れた北川は、犯人の実名を書いた手記を出さないかと提案した。この実名手記を期に、多くの人々の支援を受けながら被害者遺族の無念、悲しみを訴える活動を続けた町田だが、幾度となく司法の厚い壁に跳ね返され、自信の無力さに限界を感じていた。2000年3月。第一審の判決前夜、町田はあるメッセージを会社に残し、姿を消した。「せっかく結婚させていただいたのに佳織に苦労ばかりかけた上、守ることも出来ませんでした。本当に申し訳ございませんでした。僕にはこういう方法しかとる術はありませんでした―」
<後編>第一審の判決「無期懲役」を受け、司法と少年法に怒りを露にした町田は、メディアの前で激しく言い放った「司法に絶望しました。私がこの手で殺します」被害者遺族の衝撃的な報復宣言に、数々のメディアは群がった。司法に絶望した町田は、この時、自身の経験を使命と感じ、人生をかけて司法に立ち向かっていくことを誓う。町田が命をかけて闘えるのは、そこに家族への深い愛情があるからである。そんな町田の愛情に満ちた姿に感銘を受けた北川は、徐々に記者と取材者という壁を取り外して、そこに男の友情を見出していくことになる。同時に、北川は、自分には守るべき家族がいないことに、男としての孤独を感じていく…。何度も司法の厚い壁に跳ね返されてもなお、敢然と挑み続ける町田。第二審でも司法は「無期懲役」判決を下したが、町田の悲痛な叫びは、少しずつ、世論を動かし、司法の思い扉を動かし始めていた。最愛の妻子を失った事件発生から9年―。若き青年が成し遂げた偉大なる成果とは。そして、絶望の闘いの果てにある揺るぎない感動とは。【公式サイトより】


1999年に山口県光市で起きた母子殺害事件の遺族、本村洋さんを追ったノンフィクション『なぜ君は絶望と闘えたのか』を基にドラマ化。

「なぜ君は絶望と闘えたのか」
すべてはこのタイトルに集約される。
もちろん、美化されている部分もあるとは思うが、町田道彦=本村洋の苦悩、葛藤、怒り、そしてまたこの国の事件報道のあり方、司法制度、裁判制度の問題点が浮き彫りにされていく。
被害者よりも加害者の人権が守られることに対して批判の声はかねてからあるが、それにしてもここまで酷いとは改めて知った。今回の事件は少年犯罪だから尚更という面はあるが、加害者の治療費に年間1億円が国から支払われるのに対し、被害者には一銭も支払われないとか、裁判所に遺影を持ち込めない、あるいは持ち込めたとしても布で覆ったり被告人に見えないようにしたりしなくてはいけないなど、誰が考えてもおかしなことが当たり前になってしまっている。
そんな中で一時は自殺を考えたりしながらも、決して諦めることのない精神力は並大抵ではない。検事や職場の上司、犯罪被害者の会の横沢弁護士、そして北川慎一=門田隆将といった周りの人の支えもあったとは言え、もしこれが自分だったらと思わずにはいられない。
個人的には死刑は廃止すべきだと思うが(決して人権派弁護士のような考えではなく、死刑よりも終身刑にして長く苦しませた方がいいという考え。笑)、それでも差し戻し控訴審で「死刑」の判決が出たときは胸がすく思いがした。

町田道彦役の眞島秀和さんが実に素晴らしかった。
いつもは地味な脇役が多いが、本作は間違いなく彼の代表作となるべき作品。
WOWOWなので視聴者が限定されるのが惜しまれるが、WOWOWじゃなきゃこういうドラマは作れないんだよなぁ。
木村多江さん扮する北川の元恋人の役は必要だったんだろうか。

門田隆将さんは本作にも出演している高橋克実さんが主演したドラマ『フルスイング』の原作者でもある方。酒鬼薔薇事件の被害者の父・土師守さんが書いた『淳』の担当編集者だったそうで、今回の事件の担当刑事(ドラマでは西岡徳馬さんが演じる)が少年事件を勉強するためにと本村さんに渡したのが同書だったとか。
そんな経緯もあって、筆者と本村さんに信頼関係が築かれたのだろうが、『天国からのラブレター』という本村さんと奥さんとの書簡集も門田さんが担当したんだろうか。と言うのも、この本では友人の実名を出して批判しているような手紙もそのまま載せているとのことで、その辺りは自分たちのプライバシーを暴くマスコミに対する批判との矛盾を感じてしまうのだが…。まぁそれとてありのままの自分たちを知って欲しいという思いの表れと解せなくはないが。
とにもかくにもまずは原作を読んでみなくては。

2



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ