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2010/9/26

チェルフィッチュ『私たちは無傷な別人である』  演劇道

チェルフィッチュ
『わたしたちは無傷な別人である』

Chelfitsch "We Are the Undamaged Others"

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2010年9月24日(金)〜26日(日)
愛知芸術文化センター・小ホール
前売:3,000円  当日:3,500円  学生(前売):2,000円

作・演出:岡田利規
音楽:大谷能生  舞台美術:トラフ建築設計事務所  舞台監督:鈴木康郎
音響:牛川紀政  照明:大平智己
出演:山縣太一、松村翔子、安藤真理、青柳いづみ、武田力、矢沢誠、佐々木幸子


2009年8月最後の土曜日。バス停に並ぶサワダは幸せな男だった。ビールを片手にこれから引っ越すことになる建設中の高層マンションを眺め、幸せな妻が待つ自宅に帰る。その日、夫婦は妻の職場に新しく入ってきたミズキを家に招いていた。ミズキが買ってきたワインとチーズに合うように朝食用に買っておいた人気店のバゲットを出す妻。ミズキが帰った後、夫婦は幸せを論じながら体を重ねる。そして翌朝、バゲットを買いに行くついでに投票所に立ち寄るのだった。

あいちトリエンナーレ2010パフォーミング・アーツ公演。

3月に横浜で『わたしたちは無傷な別人であるのか?』として上演され、オランダでプレビュー公演を行ってきた作品の完成版、世界初演。
舞台は中央奥に大きな白壁があり、現在の時刻を表す時計がかかっているのみ。

チェルフィッチュは主宰の岡田利規さんが岸田國士戯曲賞を受賞した『三月の5日間』をテレビで観た程度だが、印象はその時のさほど変わりがない。
これまでの演劇の形態と違い、登場人物同士が直接会話するシーンは数えるほどで、たいていは他者がブラブラした動きをしながら、その人物の説明をしつつストーリーらしきものが進んでいく。なんせセックスシーンですら役者同士が抱き合うわけではなく、どこか客観的に自分たちのことを語る妻や夫がいる。映画で言えば、延々とロングショットが続くといった感じか。
スタイルとしては面白いとは思うが、毎回新作を欠かさず観たくなるようなタイプではないというのが正直なところ。

ただ、このスタイルにも利点はある。
例えば本作では「幸せ」がテーマとなっているが、普通の劇作ではそんなチープなテーマを今更ぶつけてこられても困ってしまうが、このように余分なものを排除した結果、シンプルに提示することができる。

本作の主人公であるサワダ夫妻は登場時から「幸せな人」として紹介される。
高層マンションへの引越しを控え、確かに幸せそうな夫婦ではあるのだが、傍から「幸せ」だと決めつけることができるほど「幸せ」とは単純なものではない。一見、「無傷」に見えてもいくつもの傷を抱えている人などいくらでもいるのだから。
劇中、「些細なことで幸せを感じるのは、ある程度幸せな環境にいるから」という文言が出てきて、その時はなるほどと思ったが、よくよく考えてみれば幸せじゃない人の方が些細なことで幸せを感じるのでは?(笑)


  

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