芦川いづみさんデビュー65周年記念 DVD10タイトル発売!

2010/8/27

『エレニの旅』  映画道

『エレニの旅』
Τριλογία - Το Λιβάδι που Δακρύζει

2004年ギリシャ・フランス・イタリア映画 170分
脚本・監督・製作:テオドロス・アンゲロプロス
脚本:トニーノ・グエッラ、ペトロス・マルカリス、ジョルジオ・シルヴァーニ
撮影:アンドレアス・シナノス
美術:ヨルゴス・パッツァス、コスタス・ディミトリアディス
音楽:エレニ・カラインドロウ
出演:アレクサンドラ・アイディニ(エレニ)、ニコス・プルサニディス(アレクシス)、ヨルゴス・アルメニス(ヴァイオリン弾きのニコス)、ヴァシリス・コロヴォス(スピロス)、エヴァ・コタマニドゥ(スピロスの姉カッサンドラ)、ミハリス・ヤナトス(クラリネット吹きのジシス)、トゥーラ・スタトプロウ(喫茶店の老婆)、タリア・アルギリウー(スピロスの妻ダナエ)





1919年頃、ロシア革命で赤軍が入城してオデッサから追われ、避難民となって帰国する一群のギリシャ人たち。エレニはオデッサで両親を失った孤児だった。約10年後、人々はニューオデッサ村を築き、エレニはスピロスの養女として育ったが、スピロスの息子アレクシスの子供を身篭った。やがて生まれた双子のことは、とりわけスピロスには絶対の秘密だった。アレクシスはエレニに、いつか2人で河から水の流れの始まりを探しに行こうと約束する。やがて成長したエレニを、妻ダナエを亡くしたスピロスが娶ろうとし、エレニは結婚式の場から逃げてアレクシスとテサロニキに去る。救ってくれたヴァイオリン弾きのニコスは、アレクシスがアコーディオンの名手であることを知っていた。アレクシスはアコーディオンの腕で、いつかアメリカに行けるかもしれないと夢見る。まもなくエレニとアレクシスは子供たちと対面。そして祭の最中、スピロスが現われるが、踊っていた仮面の女がエレニだとわかって心臓発作を起こし、その場で息絶える。彼の死により、ニューオデッサの懐かしい家での一家4人の暮らしが始まろうとするが、大洪水が起きて、ニューオデッサは一夜で河と化してしまう。アレクシスたちは再びテサロニキへ。ファシズムの嵐が吹き荒れる中、警察に追われていたニコスが死去。そしてアレクシスが、バンドの一行とアメリカに発つ日が来た。しかしエレニはニコスを匿った罪で逮捕。エレニが最後の牢獄から釈放されたのは、内戦が終結した1949年だった。2人の息子は戦死。そしてエレニの耳には、沖縄で戦死する前夜のアレクシスの手紙の声が聞こえてくるのだった。【「キネマ旬報映画データベース」より】

維新派の“<彼>と旅をする20十世紀三部作”にも影響を与えたテオ・アンゲロプロス監督による20世紀三部作第1作。

この作品は5年前の劇場公開時に観ているが、その時に比べると170分という長さは感じなかった。4日連続でアンゲロプロス監督の作品を観てきたおかげで、多少は慣れてきたということか(笑)。

これまで、アンゲロプロス監督の作品は遠い異国の話として観てきた。
どこまでも広がる水平線に一面の曇り空。それは日本とは無縁の光景。
ところが本作で突如として、オキナワやケラマ島(と字幕ではなっていたが、漢字の方がよかったんじゃないの、池澤先生。カタカナだと外国の島だと勘違いする人が出かねないし)という地名が出てくるに及んで、現実味が増してくる。

ロシア革命で避難民となり、母国に戻って家庭を築いたものの、今度は希望を抱いてアメリカ市民となったエレニの夫アレクシスが、日本の“誰も知らない”島で命を落とすという悲喜劇。
20世紀、飛行機の発達によって世界は小さくなった。
と同時に2つの世界大戦をはじめとして、国同士の争いも増えた。
文明の発達は人類に何をもたらしたのか。
20世紀三部作の幕開けにふさわしい重厚なドラマだった。

0



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ