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2010/7/31

森村泰昌−なにものかへのレイクエム  鑑賞道

森村泰昌−なにものかへのレクイエム
MORIMURA YASUMASA - A REQUIEM

第一部 戦場の頂上の芸術(オトコ達へ)
Part I: Art on top of the battlefield (For Men)
第二部 全女優(オンナ達へ)
Part II: Self-portrait as Actress (For Women)

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2010年6月26日(土)〜9月5日(日)
豊田市美術館
一般:1,000円  高校・大学生:800円  中学生以下:無料


名画の登場人物や著名人に扮したセルフポートレイトで知られる森村泰昌さんの最新シリーズ〈なにものかへのレクイエム−戦場の頂上の芸術〉を中心にした展覧会。豊田市では〈女優〉シリーズと2部構成で展示。

まずは1階の「第二部 全女優」から。
入ってすぐの一画で映像作品《海の幸・戦場の頂上の旗》を上映しており、ちょうど始まるところだったのでさっそく鑑賞。

マリリン・モンローに扮した森村さんがピアノを演奏している傍らにスクリーンがあり、そこではマリリンのメイクを落とした森村さんが兵士に扮装。
途中、砂浜を進む兵士の前にモンローの幻影が現れる。モンローが脱いだ白い服は見る見る血に染まり、モンロー自身は忽然と姿を消す。兵士は赤くなった服を海の水で洗い流す。
ここでは赤=血=死の色であり、白はすなわち生の色となる。
普通、白旗というのは降伏を表すが、アーティストにとってはまだ何も描かれていないカンバスでもあり、無限の可能性をも表す。
最後は有名な硫黄島に旗を立てる兵士たちのような格好となり、「あなたはどんな旗を立てますか」という問いかけで終わる。

のっけから見応えのある作品の後は、ブリジット・バルドー、イングリッド・バーグマン、カトリーヌ・ドヌーヴ、マレーネ・ディートリッヒ、フェイ・ダナウェイ、ジェーン・フォンダ、ジョディ・フォスター、グレタ・ガルボ、リタ・ヘイワース、オードリー・ヘップバーン、シルヴィア・クリステル、ヴィヴィアン・リー、ライザ・ミネリ、マリリン・モンロー、エリザベス・テイラー、ボンドガール(全身金箔)、岩下志麻、原節子、藤純子、薬師丸ひろ子、山口百恵、若尾文子といった女優に扮した写真の数々。

中では地下鉄の駅のホームでオードリー・ヘップバーンに扮した森村さんをお婆さんが見ている写真が面白かった。街中でこんな人がいたら、ただの変態だもんな(爆)。
《海の幸》の冒頭にも出てきたが、マリリン・モンローに扮した森村さんが東大の900番講堂に出現する《MのセルフポートレイトNo.72/B(あるいは駒場のマリリン)》も学生たちはあっけにとられていた。まぁ東大生もほとんど森村さんのことは知らないだろうな。下手したらマリリン・モンローすら知らないかも…。
マリリンがらみで言うと、マリリン・モンローのヌード写真ではちゃんと(?)おっぱいをつけたかと思うと、《黒いマリリン・モンロー》と題された作品ではマリリンの股間に大人のおもちゃが…(苦笑)。

…と、ここでアーティスト・トークの会場となる講堂へ。
そう、この日は森村泰昌さんご本人が来場されるのであった。
トークは展覧会の内容についてではなく、今回の出品作品に通じる様々な映像作品(未公開作品を含む)を見ながら解説をくわえていくというもの。
会場内は満員で、関東や関西から来られた方も。30名ほどは入場できなかったらしいけど、その中に遠征してきた人がいたらお気の毒(私も経験あるけどね)。

まずは《炎のピアニスト》。
赤いカツラをかぶった森村氏がピアノを弾くだけの作品だが、このピアノは草月会館の草月ホールにあるベーゼンドルファーの赤いピアノ。森村さんは楽譜も読めず、まったくの我流とのこと。曰く、ピアノは叩けば音が出るから誰でも弾ける(笑)。

続いて《フリーダとの対話》。
これは原美術館での展覧会用に作成したものの抜粋。
画面左側に男性、右側にフリーダ・カーロに扮した森村さんが何パターンか入れ替わって登場。フリーダの方はスペイン語で何やら語っている。
製作のきっかけとして、1999年に野田秀樹さん作、蜷川幸雄さん演出の『パンドラの鐘』に出演した際の話をしていたが、実は私が森村さんを知ったのもたまたま上京ついでに観たこの作品なのであった。

3つめが1991年の《星男》。
マルセル・デュシャンとマン・レイへのオマージュともなっている作品で、頭髪に星型を刈り込んだ男が京都見物に繰り出し、京都国立近代美術館に展示されているデュシャンのレディメイド・オブジェの作品を見に行くというもの。

4つめが《銃を持つ私》という3分ほどのサイレント作品。
「ウォーホルに捧ぐ」という副題がついていて、森村さんがウォーホルの作品に出てくるエルヴィス・プレスリーに扮する。絵画の映画化を試みた作品で、そのプレスリーが動いたりする様は、今ならCGを使って簡単に出来るが、当時はアニメーションの手法を駆使したとのこと。

5つめが《夢の家》。
エリザベス・テイラーに扮した作品の撮影で使った屋敷が舞台で、この家は既に存在しないとのこと。長回しで屋敷内をめぐっているので、今では一種の記録映像ともなっている。登場人物はカメラに映っていない間に移動してあちこちに出没するというお遊びも。

既にこのあたりで終了予定時間になりつつあったが、とりあえず《レクイエム/寺田園のほうへ》(2008年・8分)を上映。
寺田園というのは大阪にあった森村さんの実家のお茶屋。区画整理で取り壊しが決まったため、車の少ないお盆を狙ってその通りを撮影したとのこと。元々何か作品に使おうと思って撮ったわけではなかったが、《海の幸》では兵士の回想としてこの作品の一部が使われている。また、寺田園は昭和天皇とマッカーサーに扮した作品にも出てくる。

更に最後ということで《1999.12.31-2000.1.1》。
1999年の大晦日、京都の円山公園で行った路上ライブの模様。
ギタータイプのキーボードを奏でるというもので、『MORIMURA Chapter 1』というDVDにも収録。


第一部はまた改めて。



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