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2010/6/27

野田地図『ザ・キャラクター』  演劇道

野田地図(NODA・MAP)第15回公演『ザ・キャラクター』

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2010年6月20日(日)〜2010年8月8日(日)
東京芸術劇場中ホール
S席:9,500円  A席:7,500円

作・演出:野田秀樹
美術:堀尾幸男  照明:小川幾雄  衣裳:ひびのこづえ
選曲・効果:高都幸男  振付:黒田育世  映像:奥秀太郎
ヘアメイク:宮森隆行  舞台監督:瀬崎将孝
プロデューサー:鈴木弘之

出演:宮沢りえ(マドロミ)、古田新太(家元)、橋爪功(古神筆の助/クロノス)、野田秀樹(家元夫人/ヘーラ)、藤井隆(会計・小金田文鎮/ヘルメス)、美波(ダプネー)、池内博之(アルゴス)、チョウソンハ(アポローン)、田中哲司(新人)、大西智子(オバちゃん)、烏山茜(キューピッド1)、加藤諒(キューピッド2)、下司尚美(キューピッド3)、長谷川寧
アンサンブル:朝日はるか、石原晶子、大石貴也、川原田樹、菊沢将憲、木村悟、黒木華、黒瀧保士、近藤彩香、佐藤ばびぶべ、佐藤悠玄、白倉裕二、末原拓馬、鈴木裕二、高山のえみ、竹田靖、田坂理絵、永田恵実、野口卓磨、鳩よん助、Pawcar=Exsen、福永武史、前原麻希、益山寛司、益山貴司、萬浪大輔、三明真実、柳亜耶、ユリサ(五十音順)


町の小さな書道教室。大家・古神(ふるがみ)と会計の指導の下、新人ら多くの生徒が墨を磨り、自分の名前を書きまくっていた。そこへ行方不明になった息子を探すためにオバちゃんは入会するが、家元とその妻に暴言を吐いて退会処分となる。海外修行から戻ってきた家元はギリシアでチェインジに目覚め、書道教室を変化させていくと宣言。その夜、マドロミは自分の袖を引っ張ったまま空から落ちていった弟の俤を探すため教室にやってくる。すぐさま住み込みを許可されたマドロミは、「ダプネーとアポローン」の物語をギリ写経する。そこでは百の目を持つ番人・アルゴスが、アポローンから逃げるダプネーをギリシア神話の世界から抜け出させようとしていた。マドロミの魂胆を見抜いた家元は、魂胆を捨てさせる代わりに「アプロディーテー」という名前を与える。一方、教室を脱走しようとした会計は家元に捕まり、遺書を書かされる。

野田秀樹さんが東京芸術劇場の芸術監督に就任してから初めてとなるNODA・MAP第15回公演。

今回は日本語や日本文化を知らない者には簡単には通じない作品とのことで、冒頭から「俤(おもかげ)の中にいるのは弟。儚さの中にあるのは夢」と言った具合に言葉遊びや文字遊びが前面に出ている。
更には書道教室が舞台ということもあり、「人が山にいるので『仙』人、人に武士が『仕』え、犬がひれ『伏』し、主となって『住』む」と漢字を腑分けしていく。
タイトルの「キャラクター」は個性のことでもあり、登場人物のことでもあり、文字のことでもある。ギリシア神話で人が蜘蛛や糸杉や蝙蝠に変容するというのも本作の主題であり、文字も見方を変えることによって別のものに変化する。

特に重要なのが「袖」が「神」になるくだり。
マドロミに「袖」と書いてくれと言われた家元が、コロモ偏をシメス偏にしてしまい、それを取り繕うために「神」とする。家元はゼウスとなり、そこからタガが外れていく。

終盤、物語はとある現実の事件にリンクしていく。
まだ公演が続くので具体的な言及は避けるが、突然変異のようにして起こったかのようなその事件も萌芽は必ずどこかにあったはずだ。だがそれはみすみす見過ごされ、惨劇を招いた。
正直、野田さんが今更この事件を扱うことに戸惑いがなくはないし、ややそれまでの物語からの展開が唐突な気もするが、それでもこれは日本語や日本文化同様、我々日本人が忘れてはいけない記憶なのだろう。

NODA・MAP3回目となる宮沢りえさんはやっぱり発声が出来ていないのか、早くも喉を痛めている様子(『ロープ』でもそうだった)。
宮沢りえさん同様、前作からの連続出演となる橋爪功さんは物忘れの激しい大家・古神を演じてまさに軽妙洒脱。
なお、稽古中に舞台から転落して骨折した銀粉蝶さんはまだ復帰できず、この日はアンサンブルの一人として参加していた大西智子さんが代役を務めた。




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